至近距離アイドル

──この濃密なアルバムを引っさげて10月24日からツアーをスタートさせますね。

はい。2014年の3rdアニバーサリーツアーと同じく5つの都市でやらせていただきます。やっぱりアルバムを引っさげてのツアーになるので、セットリストをどう組んでいくかというのも楽しみですし、新しいことにも挑戦していきたいと考えてます。

──新しいこととは？

まだこれから考えるんですけども（笑）。この段階では時すでに遅しかもしれませんが。例えば「プラネタリウム」で弾き語りをやっちゃうとかね。今から練習すればいけるかな？

──なかなかハードルの高いことをやろうとしてますね。まあでも吉川さん、天才肌だからスルッとやっちゃうんでしょうね。

そうなんですよ。私、天才肌なので。弾き語りやりたいな。サンバの衣装で弾き語り……。

──それはやめたほうがいいような……。

傷跡を残していきたいんです。

──それも言葉の使い方、間違ってますね。

なんにしてもちょっと挑戦してみてダメなら本番ではやらないと思うので（笑）。またステージ上で涙を流したくないですから。ソロデビュー5年目にして（笑）。今回のツアーではアルバムと同様にいろんな私を見せていきたいです。

──例えばチーム・負けん気でいうとアプガだったらアスリート系アイドルとして体力の限界に挑戦するようなライブ、チャオベラなら個々のパフォーマンス力の高さを見せつけるようなライブが特徴になっていますが、吉川さんのライブスタイルってなんでしょう？

“会いに行くアイドル”ですかね。私、ライブ中も1人なので立ち位置とかもあまり関係なくて、客席に自由に降りて皆さんの近くまで会いに行ってるんですよ。だから言うなら“至近距離アイドル”ですかね。

──たしかにライブ中によく客席まで行ってますね。

楽しいんですよ。会場の後ろのほうはステージから遠いので近くまで行くと喜んでくれる方もいらっしゃいますし。あとライブ中では1人ひとりお客さんの目を見るようにしてます。見た人を石にしちゃうのってメデューサでしたっけ？ いつもそのくらいの眼力で見てますから目をそらさないでください（笑）。

──皆さん、蛇に睨まれた蛙みたいになってませんか？

あー、たまになってますね（笑）。とはいえ怖がらなくても大丈夫なので。本当に初めての方でも楽しめるようなライブにすることを毎回心がけています。今回のツアーで私のライブに初参加してくれる人も多いと思うので、各公演ごとに趣向を考えていきたいです。ちょうど10月31日のハロウィンは東京公演なので何か仮装したいと思ってます。

個人的な課題は女子力の向上

──先日も台湾での単独ライブを成功させたりと、海外でライブを行うことがここ数年の間に多くなってきましたよね。派手なスタイルと確かな歌唱力は海外でライブを行うのにとても必要なことだと思うんですよ。だから吉川さんと海外は相性がすごくいいのかなって思って。

いいと思います！ 私自身、海外でライブをすることが大好きで。あまりに好き過ぎて自分のことを帰国子女って呼んでるくらいで。

──それも言葉の使い方間違ってますね（笑）。

フランス、ベルギー、アメリカ、ブラジル、台湾、ペルーにも行きました。現地の言葉も挨拶程度ですが不思議とだいたいわかります。

──海外のオーディエンスはどんなタイプが多いですか？

日本の方もすごいんですけど、海外の方は情熱的というかコールもすごく大きいですし熱気が違いますね。フェスなどのイベントに出演する際は、私のことを会場で初めて観た人も多いはずなのに、ライブが始まるとすごく熱狂的に応援してくれるんです。海外では毎回ハロプロの楽曲を必ず入れるようにはしてて、あとは自分の楽曲でもノリのいいものを選ぶようにしてますね。海外はそういうタイプの楽曲のほうがウケがいいです。

──今後も積極的に海外に飛び出していきたい？

そうですね。月に1回くらいのペースで行きたいです。これから10年、20年かけて世界征服していきたいです（笑）。

──ハロプロエッグの頃から数えて活動も9年目になろうとしてます。この先の吉川さんの目標は？

エッグ時代に苦楽をともにしてきたアプガやチャオベラ、そしてアンジュルムのみんながこれまでやってきたライブ会場では絶対にコンサートをやっていきたいなと思ってます。あと個人的な課題としては女子力を上げること。最近は自分に合うメイクの仕方を教えてもらっていたりするんですよ。少しずつそういうところも気を遣っていって、今の自分に合うスタイルを探していきたいです。