音楽ナタリー Power Push - 吉川友
ソロアイドルの流儀
吉川友がニューアルバム「YOU the 3rd. ~WILDFLOWER~」を完成させた。17分にも及ぶ大作シングル「花」で目まぐるしく変化する“女の一生”を表現し、改めて自身の歌唱力の高さを見せつけた吉川。アルバムでは「花」の続編にあたる新作「WILDSTRAWBERRY」など、彼女の新たな一面が垣間見えるような楽曲が多数収められている。
ハロプロエッグ(現・ハロプロ研修生)時代から数えて芸能生活9年目を迎えた吉川に音楽ナタリーはインタビューを実施。モーニング娘。に憧れた少女時代から現在に至るまでの心境の変化、そしてアルバムに込めた思いなどを語ってもらった。
取材・文 / 古川朋久 撮影 / 塚原孝顕
茨城県産の野生児
──音楽ナタリーで吉川さんにインタビューするのは初めてということで、まずは吉川さんのパーソナルな部分に迫っていきたいなと。今でこそ“わがままボディ”というインパクトのあるキャッチフレーズでおなじみの吉川さんですけど、芸能界に入る前はどんな女の子だったのかなって興味がありまして。
インドア派かアウトドア派かでいうとインドア派でしたね。スポーツ少女だったので。
──それ逆ですね(笑)。
すみません! ちょっと低気圧のせいですよ。アウトドア派です。小学校の低学年から中学生になってこの世界に入るまでずっとバスケ少女だったんです。
──機敏に動く吉川さんがあまり想像できないですが(笑)。ポジションはどこだったんですか?
小学校5年生まではガードで、先輩たちに混ざってがんばってました。県大会まで行くことができて、6年生になったときはキャプテンを務めることになって。その頃、女子としては背が高かったのでポジションもセンターを任されてましたね。
──キャプテンを務めていたというのも、ちょっと驚きです。
意外ですか? まあ仕切れてはいなかったですけどね(笑)。先輩に混ざって唯一県大会まで行ったメンバーだったので序列的にキャプテンになったという感じで。あとは性格的に明るくて元気もあったので、そういうキャラクター性からいっても私がキャプテンになったほうがいいって監督からも言われて。
──本当に活発で明るいスポーツ少女だったんですね。
茨城県産の野生児でした。木登りが大好きでよく擦り傷を作ってたくらい外遊びが好きで。どちらかというと男の子と一緒に遊ぶほうが多かったですね。家の中で女の子たちとシルバニアファミリーで遊ぶことなんてなかったですもん。
──まったく女の子っぽいことに興味がなかった?
メンタル的には男の子だったと思います。お兄ちゃんがいるのでその影響もあるんでしょうけど。でも、その頃の活発さがあったから今の私があるような気がします。
──さすがにもう木には登らないですよね?
いやあ、登れる木がある限りは登りたい(笑)。
久住小春に惚れてしまった
──そんな男勝りな少女時代の吉川さんが、なんでまたアイドルに興味を持ってやってみたいって思うようになったんでしょう?
小学生の頃から芸能界には興味があって、中学生になってちょこちょことオーディションは受けていたんですけど、一番の決め手は久住小春さんの存在ですね。バスケをやっていた14歳の頃にモーニング娘。さんが私の周りでも流行って、彼女たちをテレビの番組で観るようになって。その時期にちょうど7期生の久住小春さんが注目を集めていて、番組に出演している久住さんを観ていたら彼女に惚れてしまったんです。同い年でこんなにかわいい子がいるのかと思って。それで久住さんの存在がきっかけになって私もモー娘。に入りたいって思うようになって、8期生のオーディションを受けました。
──芸能界への憧れがモー娘。への憧れになって、アイドルの道を志したと。
中学生になったくらいから華やかな世界への憧れは強かったと思います。やっぱりキラキラした世界だなっていうイメージはあって、私も挑戦してみたいって。
──そしてモー娘。の8期生オーディションは最終審査まで残ったんですよね。でも惜しくも最後で落選という残念な結果になりました。そのときの心境は?
まあ夢が砕けたというか、ハッピーではなかったですね。当時は実力的にもここまでなのかなって、悔しい気持ちになりました。
──そうはいってもモー娘。のオーディションの最終審査まで残るというのはすごいことだと思うんですよ。ご自身としても自分の実力に可能性は感じませんでしたか?
そうですね。テレビでオーディションの様子を観ている人たちの私に対するいい反応も感じることができたし、何か次につながるといいなとは思ってました。実はモー娘。のオーディションに落ちて何週間か経ったあとにアップフロントの方から電話がかかってきて「音楽ガッタスでもう一度チャレンジしてみない?」ってお誘いをいただいたんです。で、そこからいろいろとお話を進めて行く中でハロプロエッグでまずは実力を磨いていこうということになりました。
──そこでアイドルになるためにイチから勉強していくわけですか。そのときもモー娘。に入りたいという思いは変わらず?
はい。モー娘。に近付ける第1歩だと思ってました。自分的にもモー娘。のオーディションで最終審査まで行ったという自負もあったので、ここで早く結果を出して上に行こうと考えてましたね。
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- 3rdアルバム「YOU the 3rd. ~WILDFLOWER~」 / 2015年10月14日発売 / アップフロントワークス
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 4000円 / POCS-9104
- 通常盤 [CD] / 3000円 / POCS-1366
CD収録曲
- URAHARA テンプテーション
- アカネディスコ
- 「すき」の数え方
- あまいメロディー
- プラネタリウム
- いいじゃん
- こんな愛しちゃ
- 花
- WILDSTRAWBERRY
- Stairways
初回限定盤DVD収録内容
- WILDSTRAWBERRY(MUSIC VIDEO)
- WILDSTRAWBERRY(メイキング映像)
- 吉川友 初の台湾公演!ゆるゆるドキュメンタリー
吉川友 2015秋TOUR ~WILDSTRAWBERRYを召し上がれ~
- 2015年10月24日(土)北海道 MESSE HALL
- [第1回] START 13:30
[第2回] START 17:00 - 2015年10月31日(土)東京都 AKIBAカルチャーズ劇場
- [トークイベント] START 13:00
[第1回] START 16:00
[第2回] START 19:00 - 2015年11月14日(土)大阪府 心斎橋CLUB DROP
- [第1回] START 13:30
[第2回] START 17:00 - 2015年11月15日(日)愛知県 名古屋ライブホールM.I.D
- [第1回] START 13:30
[第2回] START 17:00 - 2015年11月29日(日)福岡県 VIVRE HALL
- [第1回] START 13:30
[第2回] START 17:00
吉川友(キッカワユウ)
2007年よりハロー!プロジェクトの研修生・ハロプロエッグとして活動をスタート。2008年には久住小春、北原沙弥香とともにテレビ東京系テレビアニメ「きらりん☆レボリューション」内のユニット・MilkyWayのメンバーとなりCDリリースを果たす。2010年11月にはユニバーサルミュージックよりソロデビューが決定したことが発表され、翌2011年5月に1stシングル「きっかけはYOU!」を発表した。その後も精力的にライブ活動を実施し、持ち前の歌唱力の高さで徐々にファンを拡大。フランスやブラジル、台湾などの海外でもライブを行い、ワールドワイドな展開を見せる。2015年5月には17分にも及ぶ大作シングル「花」をリリース。同年10月にはオリジナルフルアルバム「YOU the 3rd. ~WILDFLOWER~」を完成させた。