前回ツアーの充実感も閉じ込めて

──確かに、クラップがリスナーとの一体感を生みそうな感じですよね。前回のツアーで築き上げた連帯意識みたいなものが曲に反映されているのでは？と思いましたが。

RYOJI　前回ライブが終わって、スタッフのみんなと打ち上げ会場に行くのがすごく楽しかったんですよね。その世界をこの曲で表現したかった部分もあると思いますね。

──一体感はグアムで撮影したMVからも感じることができますね。

RYOJI　現地のスタッフさんも素晴らしかったし、天気にも恵まれて、すごくよかったですよね。いいもの撮れたと思いますよ。

──またこの楽曲は、ゴルフブランド「ASHWORTH」のブランドミュージックに使用されていて。トラックにはホールインワンを連想させる音を取り込んでいたりしていますが、ゴルフの要素も意識されましたか？

RYOJI　ゴルフブランドさんのお話もあったし、ホールインワンって虹のように信じた人しか出ないのかな？っていう思いもあって入れたところはあります。

──ちなみに「カリフォルニー」をカラオケで歌うにあたってのポイントみたいなものがあれば教えてください。

DJ KOHNO　8小節ずつパート分けをして、場面がパッと切り替わっていくような音構成になっているので、何人かで役割を決めて歌うと楽しめると思いますよ。

話題CMソングは大人の胸キュンなラブストーリー

──続いてカップリング曲の「ストーリー」は、すでにテレビCMソングとしておなじみで、ファン待望の1曲ですよね（参照：ケツメイシ10カ月ぶり新作に木下工務店CM曲のバラードも）。

RYOJI　ありがたいことにずっと（CMで）流していただきましてね。でも実はずっとできあがっていなかった曲なんです。歌詞のバランスとかが今の自分たちのやりたいことと違っていたという思いがあったので……。でも最終的には、自分たちの今に近い形のものができあがったかなという感じですね。音（トラック）も何度も作り直しています。

──アコースティックな音色が印象的なトラックですよね。

DJ KOHNO　ケツメイシらしい生っぽさもあるんですけど、新鮮さを追求しました。最初の状態がこれまでの“いい曲”の王道系みたいな感じだったので、現代風にするにはどうすればいいのか？という作業でした。

RYOJI　歌の主人公の行動パターンって、昔のトレンディドラマにあるようなもので何も進歩していないんですけど、そこの背景だけでも現代風にしたいというところがあったので。歌詞の内容は使い古されたものかもしれないけど、音に関しては現代的にしようというところで悩んだ部分が大きかったですね。

──さまざまな経験をした大人のピュアなラブストーリーというイメージの歌詞ですよね。

RYO　40歳を超えると、肉体関係を結ぶより手をつないで歩くほうがハードル高いんですよね。そこまでいくのが面倒くさくなってしまうんです。だからなかなか歌詞が思い浮かばなくって……。

大蔵　うちのスタッフさんで歌の主人公になりそうな純粋な方がいらっしゃるので、その人をイメージしながら書いた部分もあります。

──聴いていると、じっくり時間をかけて育んでいくような、照れくさいほど純粋な恋愛をしてみたくなりました。

RYOJI　RYOさんの発言にも通じますが、こういうピュアな恋愛に憧れて作った部分もあります。でも書いた僕らが、今こういう状況であるかどうかは別なんで。時間かけた恋愛が必ずうまくいくわけでもないですからね。僕らの残りの人生を考えると、早く勝負つけたほうがいいのかなって思うところもありますけど（笑）。ぜひ（恋愛の）渦中の人は、この曲で今の状況を楽しんでほしいです。過去にそういう経験をした人は、当時のことを懐かしんでもらえるのでは。

RYOと大蔵、それぞれの個性を生かしたソロ曲

──また本作には、RYOさんと大蔵さんのソロ曲もカップリングとして収録されていますね（参照：ケツメイシ史上初！「カリフォルニー」にメンバーソロ曲）。

RYOJI　シングルCDをリリースするにあたって、最近は映像を付けたり、ボリュームを増やしたりすることが主流になってきているじゃないですか。でも自分たちが納得いかない曲や内容を無理やり詰め込むよりは、思い入れの強いソロ曲を入れたほうが、聴くほうも、作り手も意味があるものになるのではと思ったんです。また個人としていろいろやりたいこともあると思うので、いいと思った。そこで今回のような試みを取り入れてみたんです。

──曲の世界観が、それぞれが作った時点でソロとして完成していたという部分もあります？

RYOJI　うん。デモをそれぞれ作るじゃないですか。それが楽曲として成立しているんですよね。また過去に、ケツメイシでやるには曲調やテーマが違うということで弾かれていたものがあって、もったいなかった。だったらそれを表現してみては？というところもあったんです。