気軽に来れば、絶対にいい発見がある

──韓国カルチャーの魅力はどこにあると思いますか？

ひと言で言うのは難しいですが、僕は個人的には“熱さ”だと思います。コンテンツの1つひとつが情熱的で、パッションを感じますよね。アーティストたちのパフォーマンスも情熱的。ドラマを観れば、主人公たちも“熱く”喧嘩をする（笑）。食べ物も辛くて、にんにくの効いたパンチのあるものが多いじゃないですか。そういう根源的なパッションを感じさせるところが、韓国カルチャーの魅力だと思いますね。

──BTSの大ヒット曲「血、汗、涙」がそれを象徴してるかもしれませんね（笑）。

そうですね。でもこの情熱って一歩間違うと、「ダサい」とか「古臭い」っていうネガティブな要素になりかねません。でもそれを感じさせないのが、韓国のコンテンツのすごいところだと思うんです。

──どういうところを工夫していると思いますか？

僕はサムスン電子のスマートフォン「Galaxy」にそれを感じるんですが、「Galaxy」は発売された当初、iPhoneのパクりって言われていましたよね。ところが今では世界的に一番売れてるスマートフォンの1つです。なぜ売れたのかと考えると、iPhoneにないものを入れたからだと思うんです。iPhoneを使ってて「こうだったらいいのに」という部分が「Galaxy」にはある。僕は個人的に、韓国にはこういう“Galaxy的”なところがあると思っていて、1から何かを生み出すと言うより、もともとあるものをものすごく洗練させて新しい価値観に変える力があると思うんですね。でもこれって、昔は日本のお家芸だったと思うんですが。

──K-POPが好きな人は自ら情報を求めていくと、結果的に韓国文化に触れて韓国が大好きになってしまいます。

チーズタッカルビは、もともとK-POPファンがその魅力を日本に広めたと言われていますよね。でも実は韓国では「今頃、チーズタッカルビ？」という感じなんですよ（笑）。コンビニ、ファストフード、至る所で“チーズタッカルビ”のビルボードが目に入ってくる東京の街を歩く、韓国人の観光客の皆さんは本当に驚いています。「人気は本物なのか」と。

──「KCON」は韓国が大好きな人も、そうでない人も、楽しめそうですね。

そうですね。ただ最近、日本では韓国に対する感情の悪化みたいなものを、至る場所で感じますよね。僕自身も韓国から日本に入ってくるネットのニュースだけを見てると、嫌な気持ちになる……理解できます。でも、残念ながら日韓両国において、メディアが伝える両国の姿は、ほとんどその本質には迫れていないように感じます。メディアに身を置く僕が言うもの問題があると思いますが、本当の韓国を知らない人が、あまりに多いと思うんです。その魅力の扉を開けるか、そうでないかで、韓国に対する認識も大きく変わると思います。僕自身がまさにそれを経験し、今このような仕事に就いているわけですから。人生、どこでどう変わるか本当にわかりません。そのきっかけが、もしかすると「KCON」なのかもしれません。なぜ今若い子たちが、こんなに韓国カルチャーに魅了されてるのか。僕はあえて、絶対来てほしいとは言いません。でも、もし韓国好きの友達に誘われて、「KCON、行ってみようか、どうしようか……」って迷っていたら、ぜひ気軽に来てみてください。あなたの知らなかった韓国との出会いが必ずあるはずです。

──当日は「ビデオパス」でも生配信されるので、残念ながら会場に来られない人もアーティストのパフォーマンスを楽しめます。出演アーティストのラインナップもすべて発表されましたね。

今の韓国のリアルタイムのトップアイドルたちがほぼほぼ来ますよ。だから3日間もある。スケジュールの問題があるから、全員が来るとは断言しませんがね（笑）。