韓国のカルチャーを総合的に楽しめるイベント「KCON 2018 JAPAN」が、千葉・幕張メッセ国際展示場で4月13~15日の3日間にわたって開催される。このイベントではGFRIEND、MOMOLAND、SEVENTEEN、SUNMI、TWICE、Wanna Oneなど今をときめく韓国のトップアーティストたちが出演するライブステージ「KCON 2018 JAPAN×M COUNTDOWN」のほか、韓国文化にまつわるさまざまなブースを楽しめるコンベンションエリアが設けられる。なおauの動画配信サービス「ビデオパス」では、当日のライブステージの模様を生配信。アーティストのパフォーマンスを無料で視聴できる。
今回、音楽ナタリーでは韓国文化に精通するラジオDJや韓流イベントのMC、韓国大衆文化ジャーナリストとしておなじみの古家正亨にインタビューを実施。2015年から「KCON JAPAN」に携わっている彼にこのコンベンションの楽しみ方、さらに韓国カルチャーの話を深く聞いた。
取材・文 / 宮崎敬太 撮影 / 草場雄介(ライブ写真を除く)
「KCON JAPAN」はいわば韓国博覧会
──「KCON JAPAN」はどのようなフェスですか?
これはカルチャーフェスです。核にあるのは音楽だけど、“いろんな韓国”に触れてもらおうというのがそもそものコンセプト。K-POPは今、韓国という国を知るための入り口になっているんですよ。 日本にはゲイシャ、フジヤマ、ニンジャみたいな良し悪しは別として、典型的なイメージがありますが、韓国にはそういうアイコン的な入り口がこれまでなかった。ライブを目的に来た人に韓国の文化そのもの、そしてその魅力的な部分を紹介するのが「KCON JAPAN」のコンセプトなんです。言わば韓国大衆文化の博覧会ですね。
──コンベンションエリアには具体的にどんなブースがあるんですか?
食、ファッション、コスメなど、今の韓国で流行っているものは大体あると思っていただいてかまいません。フードコートでは最新のものからおなじみのものに至るまで韓国の食を感じることができます。韓国の人気YouTuberが来て実際にメイクのやり方を教えてくれたり、気になる韓国のコスメに関する情報もたくさん手に入りますよ。
──今日本では韓国女子のメイクを真似る子が多いから、それは話題になりそうですね。
「KCON JAPAN」の一番の強みは、韓国最大のエンタテインメント企業であるCJ E&Mが主催しているということなんです。つまりコンテンツの魅力的な見せ方を知っている。せっかく幕張に来るんだからライブステージ「M COUNTDOWN」だけを観て帰るのはもったいないですよ。ちょっと早めに来て、ライブが始まる前の時間をコンベンションエリアで過ごせば、韓国のいろいろな文化、楽しみ方を多角的に味わえると思いますよ。
K-POPアイドルがドラマに出るようになった
──古家さんがおすすめする「KCON 2018 JAPAN」の楽しみ方を教えてください。
コンベンションエリアにあるKCONステージが面白いです。僕が韓国音楽専門チャンネルMnetでMCを務める番組「MタメBANG !~ただいま打ち合わせ中~」の公開収録も行うのですが、ここに夜の「M COUNTDOWN」に出演するアーティストが来るんです。「M COUNTDOWN」のステージはライブパフォーマンスのみですが、この公開収録ではトークやゲームを通じて、素のアーティストたちの表情を垣間見ることができます。それから、コンベンションエリアをアーティストが普通に歩いてることもあるし(笑)。さらに今年は俳優のナム・ジュヒョクさん、イム・ジュファンさんを迎えたファンイベントステージも設けられます。
──韓国のドラマというと、以前はマダム層を中心に人気を博していましたが、最近は若い子もかなり観ていますね。
それはおそらくK-POPアイドルがドラマに出るようになったからだと思います。以前は“演技ドル”という演技のうまい一部のアイドルだけがドラマに出ていましたけど、最近は「アイドルも演技ができて当たり前」という風潮になっていて、K-POPアイドルがドラマにバンバン出ているんです。この流れが定着して、日本における韓国文化の浸透度は劇的に変化したと思います。あと最近はWebマンガを原作にしたポップなドラマが作られるようになったことも関係してるんじゃないでしょうか。
──「未生-ミセン-」とかですか?
「ミセン」もそうですが、Mnetのコンテンツだと「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」とか。Webマンガはそもそも若い人向けのポップな内容なので、必然的に若いK-POPアイドルがキャスティングされる。こういうドラマのDVDは、レンタル店の回転率も非常に高いそうです。
──日本ではもはやドラマ自体はそんなに多くないですよね。
韓国ではケーブルテレビの各チャンネルもオリジナル番組を多数制作しているんですよ。なので、その中にドラマもコンテンツとして当然含まれていて、本数も半端なく多い。しかもケーブルテレビの普及率が80%以上なので、テレビの電源を入れるだけで、その時点でいろんなチャンネルが楽しめてしまう。日本の場合、地上波、衛星放送、ケーブルテレビと分けて考えてしまいがちですが、韓国にはその概念がそもそもない。このテレビ文化の違いは大きいと思います。
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現在のK-POPサウンドができあがるまで
2018年4月13日(金)千葉県 幕張メッセ国際展示場 2~3ホール
- 「M COUNTDOWN」出演者
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CHUNG HA / gugudan / MOMOLAND / PENTAGON / RAINZ / Samuel / Wanna One / WJSN
2018年4月14日(土)千葉県 幕張メッセ国際展示場 2~3ホール
- 「M COUNTDOWN」出演者
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BLK / fromis_9 / GFRIEND / IMFACT / SEVENTEEN / Sik-K / Stray kids / TRCNG / WOOYOUNG(From 2PM)
2018年4月15日(日)千葉県 幕張メッセ国際展示場 2~3ホール
- 「M COUNTDOWN」出演者
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Golden Child / Heize with Davii / IN2IT / MONSTA X / N.Flying / SF9 / SUNMI / THE BOYZ / TWICE
※アーティスト名はアルファベット順
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- 古家正亨(フルヤマサユキ)
- 1974年5月22日生。北海道北見市出身。ラジオDJ、テレビVJ、司会業、韓国大衆文化ジャーナリスト。上智大学大学院文学研究科新聞学専攻博士前期課程修了。2000年にFM NORTHWAVEで日本初のK-POP専門番組「Beats-Of-Korea」を立ち上げる。2004年にはMTV KoreaでスタートしたJ-POP番組「J-BEAT」で日本人として初めてテレビVJに採用された。2009年には日本におけるK-POPの普及に貢献したとして、韓国政府褒章文化体育観光部長官褒章を受賞。年間200本近い、韓流、K-POPイベントのMCも務める。
KCON 2017 JAPAN / ©COURTESY OF CJ E&M