発音にうるさかった
涙丸 5曲中4曲の歌い出しが心鞠で、残りの1曲が私なんですよ。それはそれですごく緊張して……。
──6曲目に収録されている「Life is Despair」ですね。
涙丸 はい。歌詞を書いたGESSHI類さん曰く「この曲は涙丸のイメージ」らしいんです。
──KAQRIYOの曲は外に向けた毒舌っぽい言葉が並ぶことが多いですが、「Life is Despair」は内省的な歌詞だと感じました。
DKI 私もこの曲にすごく共感したんです。歌詞に書かれているシチュエーションと同じように、夜に考え事をすると「あのときああすればよかった」みたいに後悔をすることが多いんですよ。それで眠れなくなっちゃって朝が来ちゃう、という。
涙丸 うん。すごくわかる。
心鞠 確かに、ちょっと涙丸やDKIの内面がにじみ出た曲かも。
涙丸 自分の感情に近い曲だから、いつも以上にちゃんと歌おうと思ったんですけど、英語の歌詞のところですごく苦戦してしまって……。難しい英語ではないんですけど、「Please tell me」の「P」のところをちゃんと曲の世界観に合わせて発音するのにすごく苦戦しました。「Pの音を息だけで表現して」みたいなことをsyvaさんに言われたんですけど、それがすごく難しくて。
心鞠 syvaさんは英語がしゃべれる方だからこだわりが強くて。私が歌う「I can't choose anything」のところも発音にうるさかったんですよ。
季 うるさかったって(笑)。
心鞠 わ、しまった! 厳しく指導していただきました(笑)。
ノア 今まで英語の歌詞がそんなに多くなかったし、あったとしても激しい曲で崩しながら英語の歌詞を歌ってたんだよね。今回は静かな曲でちゃんと英語を歌わなきゃいけなかったからみんな苦戦していたかもしれない。
固定観念を壊したライブを
──既発の5曲の中で特に思い入れが強い曲はありますか?
心鞠 それぞれ思い入れはあると思うけど「Persona_」はKAQRIYOの転機になった曲かもしれないですね。この曲を初めて披露したときに、普段は褒めないレーベルの社長が褒めてくれたんですよ。「下手だけど感動した」みたいに言ってくれて。それがすごくうれしかったんですよ。
涙丸 KAQRIYOには自己紹介曲みたいなものがないんです。でも強いて言うと「Persona_」は、私たち自身のことを歌った曲なのかなと思っていて。この曲には1人ひとりが歌うパートがあるんですけど、この間社長に「このパートって私たち1人ひとりのことを言い表しているんですか?」と聞いてみたら「そうだよ」と教えてもらって。薄々気付いてはいたんですけど、それが確信に変わって、もっとこの曲を大事にしようと思いました。
──曲の解釈について、作り手に質問をすることはあまりないんですか?
涙丸 あまりないんですよね。聞くのが怖いわけじゃないんですけど、作り手の方々の意図が汲めなかったらどうしよう、みたいな不安のほうが大きいのかな。歌詞という形で渡された以上、自分なりにそれを読み解いて歌うべきなんじゃないか、みたいに考えがちだからかもしれないです。
心鞠 でも煮詰まったときに聞いてみると案外気軽に教えてくれたりするんですよ。だから場合によってはちゃんと意図を聞いたほうがいいときもあるのかなって。1年前と比べて、スタッフさんたちとお話する機会は自然と増えてきました。この間、KAQRIYOの5人で合宿をしたんですけど、社長が4日間ずっと練習を見てくれてたんですよ。こんなに付きっきりで見てくれると思ってなかったから、びっくりしちゃって。
──そもそもコドモメンタルのグループで合宿をするのが珍しいですよね。
季 ぜんぶ君のせいだ。さん以来みたいで、すごく光栄でした。
心鞠 最初は合宿に行くの、本当に嫌だったんですよ。
涙丸 みんなで「嫌だね」と言ってました。
DKI コドモメンタルって外から見えるのと違って、中に入ってみるとすごくストイックで体育会系なイメージが強いから、どんなことになるんだろうって不安で……。
心鞠 でも行ってみたらすごく楽しくて。ずっとシャトルランやったりとか、縄跳びさせられたりとか、やってることは体育会系だったけど、なんか楽しかったよね。あ、リハーサルはもちろん別でずっとやってるんですけど(笑)。
ノア みんな得意な種目があって面白かった。
涙丸 私が筋トレ系に強くて、走りは心鞠と季が強くて……。
心鞠 ロンドとDKIはどれもイマイチだったんだよなあ。
ノア DKIは腹筋しながら過呼吸みたいになっちゃって、私よりヤバかったから!
季 花火したり、バーベキューをしたりもして。ちゃっかり青春して帰ってきたよね。
涙丸 ちゃんとパフォーマンスも細かく見直したので、次にやるライブに期待してほしいです。
──9月20日に行われるリリースパーティが楽しみですね。
心鞠 アルバムの曲が増えて、合宿でレベルアップもして「KAQRIYOのライブってこうだよね」という固定観念を壊したライブができると思います。
涙丸 いい意味でYOMIBITOさんを裏切りたいな。
季 楽しいだけじゃないKAQRIYOを見せられると思うし、ライブの楽しみ方が増えたんじゃないかなあ。
心鞠 今日のインタビュー、ちゃんとできてましたか?
──はい。ちゃんとできてましよ。どうしてですか?
心鞠 実は前回のインタビューをしてもらった帰りに、社長にめちゃくちゃ怒られたんですよ。「もっとちゃんと考えて話せ!」って。
涙丸 こってり絞られたんです。だから今回はみんなで模擬インタビューまでして準備してきたんです。わざと意地悪な質問とかも考えて……(笑)。
季 テスト前の勉強みたいだったなあ。
──(笑)。準備してきたのに話せなかったこととかはありませんか?
涙丸 大丈夫です! 対策したところにちゃんと触れてもらえたので、十分話せました。
ライブ情報
- 「アヴァンギャルド0チテン」Release Party〜ZERO POINT〜
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- 2020年9月20日(日) 東京都 Shibuya Milkyway