幽世テロルArchitect|新メンバーを加え、もっと“ヤバい”グループへ

いつも歌ってた曲の新たな発見がある

──すでに新体制でのツアーを開催していますが、3人でのパフォーマンスと5人でのパフォーマンスの違いをどう感じていますか?

个喆 最初はダメダメと言うか、ステージ上での距離感がつかめなくて……。

聖涙丸 ステージでのフォーメーションもうまくいかなかったですね。

 よくメンバー同士でぶつかっちゃったりもしたし。

ヤマコマロ 最近やっとまとまってきた感じですね。

のなめら 歌割りがちょっと変わって、歌詞の解釈がそれぞれ違うことが新鮮なんですよね。だから歌い方とか表現も人によって違うってことがちょっと面白いんです。いつも歌ってた曲の新たな発見がある。

のなめら

──5人になることで幽世のイメージが変わった自覚はありますか?

个喆 うーん。でも最近、「コドモメンタルの中で一番アイドルっぽい」って言われることが増えてきました。

ヤマコマロ 確かに。

のなめら 個人的にはアイドルだという自覚はないんですが、確かにちょっとポップな雰囲気になったんだと思います。新しく出したミニアルバム「アイデンティティークライシス」でも明るい曲が増えたし。

──のなめらさんと个喆さん、マロさんには突然3人から5人に増えることに対する不安はなかったですか?

ヤマコマロ もちろん3人でのパフォーマンスはまとまりつつあったんですけど、何か新しい要素を加えたい気持ちは私たち自身にもあって。

のなめら いきなり人数が増えたから、5人での最初のライブはやっぱりテンパってしまったし、3人でやっていたことをどうやって5人で表現すればいいのか、最初はメチャクチャ悩みました。5人でのステージのイメージをつかむのが大変ではあったんですけど、最近はやっと5人でどう魅せるかがわかってきたから心が安定してきました。

个喆 3人のときって、これからどうしていいかわからないような不安があったんです。でも5人になって「今から変わらなきゃ」って強く思えるようになった。その変化は自分の中で大きいなって思ってます。

この言葉を突き付けられてる

──新メンバーが入って最初の音源のタイトルが「アイデンティティークライシス」=“アイデンティティの危機”というのが、なんと言うか身も蓋もないと言うか……。

ヤマコマロ 普通は自分たちから打ち出す言葉じゃないですよね(笑)。

のなめら 曲を作ってくださる人たちに、この言葉を突き付けられてるなって思うんです。

聖涙丸 タイトルだけじゃなくて、歌詞でも自分のことが書かれているなって感じました。幽世の曲って、自分自身の葛藤を歌うものが多いと思うんです。その葛藤が今までで一番重くのしかかってきた感じ。

ヤマコマロ 「いつまで経っても自信がない。ないなんて言うわけないのダサい」って

のなめら 涙丸と季は初めてのレコーディングだったんですけど、けっこうスムーズに進んだんですよ。

聖涙丸 カッコいい系の曲は得意みたいで「アイデンティティークライシス」はそこまで苦戦せずにレコーディングができたと思います。ただかわいい系の曲、ミニアルバムの収録曲で言うと「星群」はけっこう苦労しました。

 幽世の曲は歌詞がたくさん詰め込まれているから歌うのが難しくて……みんなでカラオケに入って練習しました。

ヤマコマロ カラオケでお互いに歌い方を確認し合って。譜割りが複雑な曲が多いから、言葉をどう乗せていくかを相談することが多いですね。

 幽世の歌は難しいけど、歌えるとすごく気持ちいいんです(笑)。だから今では歌うのが楽しみ。

のなめら 「アイデンティティークライシス」は涙丸のお気に入りの曲なんです。

聖涙丸 うん。すごく自分を表している曲と言うか、いつも私は自分自身に負けちゃいけないと思って生きてるんです。強い女にならなきゃいけないなって。歌割りでもけっこう大事なところを歌わせてもらったと思っていますし、「アイデンティティークライシス」は私にとってすごく大事な曲になりました。

普通のつもりなのに、世間から外れちゃった5人

──季さんは新曲の中で思い入れの深い曲はありますか?

 私は「だいいんぐあかさたな」です。適当な性格ってよく言われるから意外に思われることもあるんですけど、私自身はけっこういろんなことを気にしちゃう性格なんです。それは例えば、SNSとかで書かれることも含めてなんですけど、「だいいんぐあかさたな」ではネットでの書き込みみたいなことを「匿名電磁的口撃」って表現していて。それを私が「もううるさい」って振り払う歌詞が割り当てられてて、なんだかすごくスカッとしたんですよね。

のなめら 「だいいんぐあかさたな」って普通に生きてきたつもりだったのに、世間からちょっと外れちゃった人のことを歌った曲なんです。のなもそうだし、季も、もしかしたらここにいる5人全員が普通のつもりなのに、今はちょっと変わった幽世ってグループで歌って踊ってる。それを表した曲なのかなって。

聖涙丸 この曲の歌詞に「歌詞でのメッセージ性は もはや死に体の一途」って皮肉が書いてあるんですけど、私自身は何かメッセージが込められているんじゃないかと思っていて。

个喆 でもライブでやるまで本当の意味では歌詞を理解できなそう。

个喆

ヤマコマロ うん。わかる。

──ライブで披露すると歌詞の意味がより深くわかるようになるんですか?

个喆 歌ったり踊ったりしながら、ヨミビト(幽世テロルArchitectファンの呼称)さんの表情を見て、歌い方とか振り付けを変えることがけっこうあるんです。

聖涙丸 ライブをやるまで本当の意味で曲を理解できることはないかなって思うんです。だから早くライブで何度も披露して、自分なりの正解を見つけたいですね。

幽世テロルArchitect
「アイデンティティークライシス」
2018年10月24日発売 / コドモメンタルINC.
幽世テロルArchitect「アイデンティティークライシス」

[CD]
1500円 / CMI-0041

Amazon.co.jp

収録曲
  1. アイデンティティークライシス
  2. Too late
  3. 星群
  4. だいいんぐあかさたな
  5. Oblivion
ツアー情報
幽世テロルArchitect「現世神楽 TOUR」
  • 2018年9月15日(土) 東京都 shibuya eggman
  • 2018年9月22日(土) 広島県 HIROSHIMA BACK BEAT
  • 2018年9月23日(日・祝) 北海道 COLONY
  • 2018年10月7日(日) 大阪府 Shangri-La
  • 2018年10月8日(月・祝) 愛知県 CLUB UPSET
  • 2018年10月13日(土) 福岡県 Queblick
  • 2018年10月27日(土) 宮城県 enn 3rd
  • 2018年11月10日(土) 東京都 shibuya eggman
幽世テロルArchitect(カクリヨテロルアーキテクト)
幽世テロルArchitect
のなめら、个喆、ヤマコマロ、聖涙丸、季の5人からなるユニット。2017年7月にのなめらと个喆の2人体制で活動を開始し、所属レーベルプロダクション・コドモメンタルINC.が主催するライブイベント「こどもめんたる~はっぴょうの伍~」で初ライブを行う。同年8月にヤマコマロが加入し、3人体制に。10月に1stシングル「かごめかごめ / Hybrid TABOO」を、翌11月には2ndシングル「ユビキリゲンマン」を発表した。2018年1月には初のワンマンツアー「SUBTABOO TOUR」を開催。7月には新メンバーとして聖涙丸と季が加入し、10月に新体制初の音源「アイデンティティークライシス」がリリースされる。