音楽ナタリー PowerPush - KANIKAPILA
イッちゃえ! 久留米から全国へ!!
ボーカル録りはバトンタッチするように
──メロディやアレンジも皆さんの元気なキャラクターに合っているし、ちゃんとKANIKAPILAらしさが詰め込まれてますよね。ウクレレのストロークで始まる感じとか、リズムの弾む感じとか。
YOSHIKA はい。POPな曲調で、歌っててホントに楽しいです。
NATSUKO 明るくてみんなが笑顔になれる曲なので、たくさんライブでやりたいです。
AOI 1つのマイクを囲んでみんなで掛け声を録ったり、ハンドクラップを入れてみたり、そういう楽しい遊び心も入っています。
LEONA あとボーカル録りもすごくこだわりました。5人で代わる代わる歌っていくんですけど、歌詞では1人の女の子の気持ちを歌っているので。
──そっか、この曲のヒロインは1人。でも歌い手は5人いるんですよね。1人5役ではなくて、5人1役っていう。そこはみんなの意思統一がしっかりとできてないとチグハグになっちゃいますよね。
LEONA はい。みんなで同じ気持ちになって1人の女の子を作り上げていった感じですね。
AOI 次の人に気持ちもバトンタッチしていくために、ブースに5人入って歌ったんですよ。みんなでアイコンタクトを取りながら歌入れしました。
──アニメのアフレコみたいな感じなんですね。普通レコーディングっていうとボーカリストは1人でブースに入って通しで歌うけど、ボーカル録りのときから掛け合いをしているんですね。
YOSHIKA そうですね。一緒に録ったほうがKANIKAPILAらしさが出ると思って。
──ちなみに、皆さんはどういう人たちにこの曲を届けたいと思いながら歌ってます?
LEONA この曲は恋をしている人たちに聴いてほしいです。恋するみんなの応援ソングになればいいなって。
AOI 曲がすごくキャッチーだから覚えやすいと思うし、ハンドクラップや掛け声もあって楽しめる曲なので、小さい子やおじいちゃんおばあちゃんにも歌ってほしいです。
話し合いが始まると止まらない
──カップリングの「卒業白書」は一転してセンチメンタルな曲ですよね。この曲はどちらかというとLEONAさん、YOSHIKAさん以外のメンバーのイメージなのかなと思いました。皆さんもうすぐ中学を卒業しますよね?
一同 そうですね。
AOI 歌っていると自分の学校生活を思い出してちょっと切ない気持ちになるんですけど、前向きに歩いていくっていう強い意志のある曲ですね。
KANA うん、今までのことを思い出しつつもこれから前に進んでいけるような曲だと思います。
──レコーディングはスムーズにいきました?
LEONA Aメロの「ありがとう」っていう歌詞のところとか、5声でのハモリがすごい細かいんですよ。そういうところは何回も録ってけっこう時間がかかりました。
──たしかにKANIKAPILAは3声なり5声なりのハーモニーや、みんなが別のことを歌ってメロディを重ねるポリフォニーまで、コーラスワークにかなり力を入れていますよね。
AOI どうしたらKANIKAPILAっぽさが出るのかということに、みんなこだわりを持っているので。「ここはこうしたほうがいいからもう1回録ろう」っていう話はけっこうしましたね。
──そのKANIKAPILAっぽさって言葉にできます?
AOI 元気で明るいイメージです。こういうバラードでも前向きになれるような。
LEONA どんなときに聴いても笑顔になれる、世界で一番楽しいバンドを目指してます。
──そのコンセプト、バンドの方向性はみんなで話し合いをするんですか? それともなんとなく雰囲気で共有しているものなんでしょうか?
KANA 話し合いはたくさんしますね。
LEONA 練習していても誰か1人が「こういうバンドになりたいよね」っていう話を始めると止まらなくなっちゃって。
YOSHIKA そのまま30分くらい話したり(笑)。KANIKAPILAそれぞれ7人の個性が1つになるっていうところが魅力でもあると思うので、話し合いは大事にしています。
AOI 私とYOSHIKAがいとこだったり、KANAとPIPPIが幼稚園から一緒だったり、みんな小さい頃からずっと一緒にいるので、受け入れてもらえるっていう信頼があるんです。だからしっかり話し合えるんだと思います。
大胆にアレンジした「白い雲のように」
──3曲目は、これも藤井フミヤさんと尚之さんタッグによる猿岩石「白い雲のように」。正直、皆さんは猿岩石というお笑いコンビよりソロでテレビに出てる有吉弘行さんのイメージが強いと思います。猿岩石としてリリースされたこの曲のことは知っていました?
AOI 知ってるメンバーと知らなかったメンバーがいたんですけど、みんなで一緒に聴いたときに「いい曲だね」って。
YOSHIKA 私は前からすごく好きな曲だったんですけど、レコーディングしたあとに「やっぱりいい曲だな」って改めて思いました。歌にしっかり感情を入れられたかなと思います。
LEONA この曲をカバーすることが決まってから初めて原曲を聴かせていただいたんですけど、歌いながらこの曲に励まされる感じがして。だから、自分が感じたことを聴く人にも伝えていけたらいいなっていう気持ちで歌いました。
──アレンジは原曲から大胆に変えていますよね。
AOI やっぱりそこはKANIKAPILAっぽさを。
KANA ギターやベースのラインがすごくきれいだと思います。あと、1番と2番のサビの入りで、キメのタイミングがちょっと違うんですよ。そこがバッチリ決まるとうれしくなります。
PIPPI キメのときはみんなでアイコンタクトして、意識を集中しますね。
KANA でもたまに意識しすぎて失敗するんですけど(笑)。
──途中で入っているサックスソロは尚之さんとのことですが、レコーディングにはフミヤさんと尚之さんは立ち会われたんですか?
YOSHIKA いえ、お会いしてないです。
──じゃあこのCDを持って聴かせに行きたいですね。当然、そこで胸張って渡せるものを作れましたよね?
一同 もちろんです!
LEONA 100%……が7人いるから700%の出来です!
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- メジャーデビューシングル「イッちゃえ!I LOVE YOU!」 / 2014年2月25日発売 / 2015年2月25日発売 / EPICレコードジャパン
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1620円 / ESCL-4359~60
- 通常盤 [CD] 1300円 / ESCL-4361
CD収録曲
- イッちゃえ!I LOVE YOU!
- 卒業白書
- 白い雲のように
- イッちゃえ!I LOVE YOU!(Instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
- イッちゃえ!I LOVE YOU!-MUSIC VIDEO-
KANIKAPILA(カニカピラ)
LEONA(Vo, G)、YOSHIKA(Vo, G, Ukulele)、MIZUHO(Vo, G)、AOI(Vo, Per)、KANA(B)、PIPPI(Dr)、NATSUKO(Vo, Key)による福岡・久留米在住の7人組ガールズバンド。バンド名のKANIKAPILAは「Let's play music」を意味するハワイ語で、メンバーの親同士が作ったハワイアン音楽サークルで出会い結成された。2013年12月に行われた「SCANDALコピーバンド / ヴォーカリストコンテストvol.4」にて応募総数550組の中からグランプリを獲得。2015年2月、同郷の藤井フミヤ&藤井尚之が手がけた「イッちゃえ!I LOVE YOU!」でメジャーデビューを果たす。