いつも会いに来てくれてありがとう

──弾き語りによる「ゆりかご」は、リスナーの思いに寄り添って、安心感を与えるような楽曲ですね。

ずっと応援してくれる人がいるし、支えてくれてるチームの人たちもいて、私には「守られてる」という安心感があるんです。それはお母さんに見守られている子供の気持ちにも似てるんじゃないかなと思ってこの曲を書いたんです。特にアコースティックツアーのときはみんなに見守られてる実感がすごくありました。ありがたいことです、ホントに。

──キャリアを重ねるにつれて、ファンとの関係性は深まっていますか？

5年くらい歌ってると、高校生だった子が大学生になったり、大学生だった子が社会人になったり、みんなの人生もいろいろと変化しますよね。そんな人たちの中で神田莉緒香の存在感が薄くなったり、濃くなったりすることもあるだろうけど、自分の音楽を長く聴いてもらえることはすごくうれしいし、愛おしいことだと思うんです。ファンの中には遠くからライブを観に来てくれる方もいて。好きだから遠くまで会いに来てくれる人がいるって本当にうれしいし、素敵なことだと思います。

──「希望的観測」は切ない雰囲気のラブソングです。これは神田さんの得意なジャンルですよね？

“友達以上、恋人未満”という大好物なテーマです（笑）。そのシチュエーションで起こり得る出来事っていくらでもあると思うし、永遠に書けるテーマだなって。「希望的観測」を書いたきっかけは、女の子の友達から「元気がないときに好きな人の名前をつぶやくと、それだけで幸せな気分になるんだよね」という話を聞いたことなんです。そのときは「え、大丈夫？」と思ったけど（笑）、好きな人の名前ってすごく大事だよなって感じて。憧れている人の名前を呼ぶだけですごく緊張するし、心が揺さぶられるじゃないですか。そういう瞬間を切り取って歌にしてみたいなって。

──思春期のようなドキドキ感がずっと残っていて、それが今も歌の題材につながっていると。

そうですね。少女マンガみたいなシチュエーションも好きだし、女性はそういう願望をずっと持っていると思うんですよ。「どうせ恋愛なんて……」みたいに思っていたとしても、壁ドンされたらドキッとするとか（笑）。そういうドキドキする瞬間をずっと求めているし、これからも歌にしていきたいです。

──「I'm home」は、家の温かさを描いたミディアムチューン。アコースティックサウンドも楽曲のテーマに合ってますね。

ありがとうございます。この曲はハウスメーカーのジェイウッドのスペシャルムービーのために書き下ろした曲なんですけど、すごく気に入っていたので、今回のミニアルバムに入れました。ムービーは7月末まで公開されているので、リリースタイミング的にもピッタリでよかったです。

初の対バンツアーと3度目の赤坂BLITZに向けて

──今作のリリース後、神田さんはライブハウスツアー「神田莉緒香 PRIMAL ACCELERATOR TOUR」で、Chelsy、赤と嘘、鶴といったアーティストを迎えての対バンライブを控えています。

こういう対バンツアーは初めてなんです。今回のミニアルバムには激しい曲も入ってるから、ライブの雰囲気も変わってくるはずです。ツアーはドラマーとバイオリニストと一緒に回るんですけど、8月1日の渋谷STAR LOUNGE公演は種子田さん、ゆうこさんとのピアノトリオ編成になる予定です。去年の春に初めて3人でライブをやったんですが、1年経って、さらにたくましくなっていると思うので楽しみにしていてほしいです。

──ライブのスタイルも大きく変化しそうですね。

じっくり聴いてもらうライブも好きなんですけど、今はみんなで楽しむライブをやりたいなと思っていて。特に「MOONSHOT」や「FULL-DRIVE」みたいな曲はただ聴いてもらうだけではもったないし、お客さんもウズウズしてるのがわかるんです。その気持ちをしっかり誘導できるようになりたいし、「ほら、神田莉緒香のライブは楽しいでしょ！」ということを証明したいなと。今年で3回目になる11月1日の赤坂BLITZ公演は、より一層、楽しいライブにしますので、楽しみにしていてください！