神田莉緒香を見逃すとヤバいよ
──「ACCELERATOR」というタイトルに込めた思いを聞かせてください。
“加速していく”“巻き込んでいく”という意味を持たせたくて、この言葉を選びました。今までで一番カッコいいタイトルだと思うし、今の気持ちにもすごく合ってるなって。どんどん活動のペースを上げていきたいし、「今、神田莉緒香を見逃しているとヤバいよ。追いつけなくなるよ」というメッセージも込めています。ずっと私のことを見ていてほしいし、私の音楽をずっと聴いていてほしいんです。ライブに関してもそうで、自分の中には「こういうライブをやりたい」と思い描いていることがあるし、その目標に向かってみんなを引っ張っていけるようになりたいです。
──このミニアルバムの制作を通して、新しい気付きがたくさんあったんですね。
うん、本当にそう思います。今まではゆっくりと段階を踏みながら進んできたんですけど、このタイミングで「もっと加速していきたい」って心から思うようになって。今までの5年間は助走だった気がするんですよ。「転んで傷だらけになってもいいから、思い切り走りたい」という決意があるんですよね、今は。
自分を奮い立たせた「FULL-DRIVE」
──収録曲についても詳しく聞かせてください。1曲目の「MOONSHOT」は切ないメロディとドラマティックなサウンドが合わさったナンバーで、エレクトロ風のイントロも印象的でした。
もともとはイントロがない曲だったんですけど、アレンジしてくれたタイチさんがカッコいいイントロを考えてくれたんです。「ここからまた新しく始めるぞ!」という意志が感じられるし、やっぱりタイチさんは私の曲のことがよくわかっているんだなって思いました。「MOONSHOT」はもともと「星」(2015年発売の4thシングル「星 / いっぱいいっぱい / Welcome to the music」収録)の続編として書いたんです。「星」のアニメーションMVを作ったとき、主人公の設定やストーリー、登場人物の相関図などを細かく考えているうちに、私自身が続きを知りたくなって。「星」は“もし明日、世界が終わってしまったら”というテーマだったんですが、「MOONSHOT」は運命にあらがうために旅に出た主人公が、世界が終わる直前を迎えるという曲になっています。
──ファンタジーの世界なんですね。
私、ファンタジーが大好きなんですよ(笑)。以前からアニメも好きで、よく観ていたから「声優になりたい」と思ってたこともあるくらい。アニメの音楽もすごく好きで、菅野よう子さんが楽曲を手がけた「マクロス」シリーズなんて本当に素晴らしいし。私もいつかアニメの音楽を手がけてみたいなって思っています。
──続く「FULL-DRIVE」は、あらきゆうこさんのドラムフィルから始まるロックチューンです。
ゆうこさんが叩いているあのドラムフレーズ、勢いがあってとても気に入っています。デモ音源に入れていたんですが、ゆうこさんが「キレイに叩かなくちゃね!」って言ってくれたし、あのフレーズを取り入れたのは正解でした。この曲はもともと、自分を鼓舞するつもりで書いたんですよね。今回の制作の中で最初に書いた曲なんですが、実はその頃「出尽くしちゃったかな」と思っていて。「大きくて小さい世界」をリリースして、赤坂BLITZでライブをやって、「じゃあ次、何をしよう?」と。そのあとのアコースティックツアー(「KANDAFUL WORLD ACO」)のこともなかなか考えられなくて、休みたいなって思っちゃったんです。
──方向性を見失いかけてた?
前に進まなくちゃいけないと頭ではわかっていても、なかなか動き出せなくて。ライブの遠征で移動しているとき「ここで止まっちゃダメだ。とにかく曲を作るぞ」と自分を奮い立たせて書いたのが、「FULL-DRIVE」なんです。自分がずっと持っている目標や憧れをそのまま歌詞にして。その時点ではどんな曲になるかわからなかったんですけど、結果的には今までで一番激しい曲になりました。
──リアルな気持ちがそのまま歌になったという意味では、シンガーソングライターの王道と言える楽曲なのかも。
確かに。CMなどのタイアップがあるときは、テーマをもらってから作るんです。その作り方は自分でも得意だなって思うんですけど、0から曲を生み出すのって本当に大変で。毎回、自分と向き合って、絞り出すように曲を書いているというか……そのおかげで少しずつ曲の幅が広がってるんですよ。以前はとにかく恋愛の曲が好きだったんですが、ある時期から、聴いてくれる方を鼓舞するような応援歌も書けることに気付いたので。
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いつも会いに来てくれてありがとう
- 神田莉緒香「ACCELERATOR」
- 2017年6月7日発売 / UNIVERSAL GEAR
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[CD]
2000円 / POCS-1595
- 収録曲
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- MOONSHOT
- FULL-DRIVE
- ゆりかご
- 希望的観測
- I'm home
- 神田莉緒香 PRIMAL ACCELERATION TOUR 関東ライブハウスツアー 2017
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- 2017年6月17日(土)埼玉県 西川口Hearts
神田莉緒香 / Chelsy / immortal noctiluca - 2017年6月25日(日)神奈川県 横浜BAYSIS
神田莉緒香 / あんにゅ(コアラモード.) / Chelsy / 美波(※オープニングアクト) - 2017年6月30日(金)千葉県 KASHIWA PALOOZA
神田莉緒香 / LIFriends / 赤と嘘 - 2017年7月7日(金)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
神田莉緒香 / 鶴 / Qaijff - 2017年8月1日(火)東京都 渋谷Star Lounge
神田莉緒香 / Qaijff / Lily's Blow
- 2017年6月17日(土)埼玉県 西川口Hearts
- 2017.11.1 KANDAFUL WORLD Vol.8
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- 2017年11月1日(水)東京都 赤坂BLITZ
- 神田莉緒香(カンダリオカ)
- 東京生まれのシンガーソングライター。高校2年のときに参加したSony Music主催のオーディションライブでグランプリを獲得し、歌手活動をスタートさせる。2013年に「boyfriend?」「Twilight」という2枚のシングルをリリースし、2014年4月に初のフルアルバム「Wonderful World」を発売。2015年4月から10月にかけて47都道府県ツアーを実施し、ツアーファイナルを東京・東京国際フォーラム ホールD5で行った。12月に東京・赤坂BLITZでワンマンライブを実施し、ベストアルバム「いつだってベスト!」を発表。2016年は6、8、10月と2カ月おきに配信シングルを、11月にニューアルバム「大きくて小さい世界」を発表したあと、2度目の赤坂BLITZ公演を行った。2017年6月にUNIVERSAL GEARよりミニアルバム「ACCELERATOR」をリリース。同月より対バンツアー「PRIMAL ACCELERATION TOUR 関東ライブハウスツアー 2017」を開催し、11月には自身3度目となる赤坂BLITZでのワンマンライブを控えている。