音楽ナタリー PowerPush - KANA-BOON
インタビューと座談会で大いに語る!「NARUTO」が「シルエット」にもたらしたもの
あの頃の小学生は全員「NARUTO」ファン!
──ここからはKANA-BOONの皆さんから、マンガ版「NARUTO -ナルト-」の担当編集である大槻さんにその思いの丈をぶちまけていただこうかな、と思っております。
谷口 語尾は全員「だってばよ」にしたほうがいいですか?(笑)
──できればぜひ!(笑)
谷口 ……やっぱりやめときます。
──了解いたしました(笑)。皆さんがそもそも「NARUTO」にハマったきっかけって?
谷口 「(週刊少年)ジャンプ」で連載がスタートした頃、僕らは全員小学生だったんですけど、もう本当にその頃から心を持っていかれていたというか……。
飯田 というか、たぶんそれって僕らだけじゃないと思うんですよ。
──そうですよね。だってKANA-BOONの皆さん自体、幼なじみでは……。
谷口 ではないですから。この2人(古賀と小泉)はそうですけど、あとはバラバラですし。
──でも同時多発的に4人が「NARUTO」にハマった。つまり連載開始当初から「クラスでブームだった」なんてレベルじゃない人気を誇っていた、と。
谷口 ですね。僕らの世代の小学生は全員ファン!(笑)
古賀 でもホントに間違いなく読んでたし、今も読んでると思いますよ。
大槻譲 僕も読んでました(笑)。
──あっ「皆さん」の中には大槻さんも含まれていましたか(笑)。
大槻 僕が小学校6年のときに連載がスタートしたんですけど、その頃からホントに大人気でしたから。
水風船を持って「割れろ! 割れろ!」
──KANA-BOONの皆さんが考える「NARUTO」の魅力って?
谷口 最初、(うずまき)ナルトってすごくダメなヤツなんですよ。個人的にはそういうところがダブったから、その後のサクセスストーリーというか、だんだん実力を付けていって、周りの人たちからも認めてもらえるようになっていく姿がすごくカッコよかったんですよね。
飯田 連載が始まった頃のナルトってちょうど当時の僕らと同じくらいの年齢だったからな。今となっては僕らが年上になっちゃったんですけど(笑)、でもあの頃、ナルトが学校でうまくやれない感じとか、そういう設定には共感できましたね。あとこれは今でもなんですけど、戦闘シーンが“THEカッコいい”(笑)。忍者同士の戦いだからスピード感があるんですけど、それまでそんなスピーディなバトルマンガなんか読んだことなかったですし。そもそも忍者が主人公のマンガ自体珍しかった気もしますし。
谷口 その忍者って設定に厨二心をくすぐられて……。
飯田 マネしてみたりな(笑)。
古賀 水風船を持って「割れろ! 割れろ!」ってやってみたり(笑)(※)。
小泉 やったやった(笑)。確かにナルトは忍者であるっていうことが、まずカッコよかったんですよね。
谷口 「忍者に憧れる」ってガイジンの集まりか、って感じなんですけどね(笑)。
大槻 ははははは(笑)。
小泉 いや逆に「日本人だからこそ」というか。日本人なら誰でも忍者とか侍にはなじみはあるじゃないですか。でも飯田が言う通り、それまで忍者のマンガやアニメって観たことがなかったから新鮮だったし、戦闘シーンには爽快感があったし。だから落ちこぼれの子供の忍者っていうキャラクターには共感できるんだけど、ストーリーやシーンは斬新。そこにあの頃ハマって、それが今でも好きでいる理由なんだと思います。
古賀 だんだんナルトが大人になっていく姿が、バンドが成長していく姿とダブったりもしてましたし。しかも今のナルトって誰からも頼られる存在ですよね。そこにまた憧れたりもして。僕らもそういう存在になりたくてがんばってるこのタイミングでオープニングテーマを担当させてもらえたのは本当に光栄ですね。
──当時からのファンにして、担当編集でもある大槻さんから見て、4人の「NARUTO」観っていかがですか?
大槻 「さすが、よく読んでくださっているな」って印象を受けたのと、あと「やっぱりそうですよね」っていう感じですね。僕も読者だった頃まず気になったのは、ナルトがダメなヤツだったっていうことですから。周りにはカッコいいヤツや好きなヤツがいるんだけど、ダメな自分はソイツらには振り向いてもらえなくて。ソイツらに振り向いてもらうため、肩を並べるために血のにじむような努力をする。それって誰もが共感できることだと思うんですけど、実は少年マンガの主人公に少年期のナルトみたいなタイプってあまりいない気がするんですよ。「ちょっと暗いよな」っていうくらい考え込むキャラクターは。そのリアルな感じに惹かれたんですよね。
谷口 あっ、そこも好きなんですよ。あの頃の僕らと同じようにナルトもちゃんと悩んでた。
※ 螺旋丸という忍術を習得するためにナルトに課された修行の1つ。水風船を手のひらの上に置き、手から発せられるチャクラ(忍術を発動するために必要な身体エネルギーと精神エネルギーの総称)を使って風船を割る。[戻る]
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- ニューシングル「シルエット」 / 2014年11月26日発売 / Ki/oon Music
- 完全生産限定盤 [CD+DVD] / 3780円 / KSCL-2517~9
- 通常盤 [CD] / 1258円 / KSCL-2520
CD収録曲
- シルエット
- ワカラズヤ
- バカ
初回限定盤DVD(「KANA-BOON MOVIE 0.5 / KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー 2014 “究極の9曲”盤」)収録内容
- 1.2. step to you
- MUSiC
- ミミック
- 見たくないもの
- 東京
- 羽虫と自販機
- ウォーリーヒーロー
- 結晶星
- フルドライブ
- ライブDVD「KANA-BOON MOVIE 01 / KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー 2014」 / 2014年11月26日発売 / Ki/oon Music
- [DVD] / 4104円 / KSBL-6168
KANA-BOON(カナブーン)
谷口鮪(Vo, G)、古賀隼斗(G)、飯田祐馬(B)、小泉貴裕(Dr)からなる4人組バンド。高校の同級生だった谷口、古賀、小泉を中心に結成され、のちに飯田が合流して現在の編成となり、地元大阪を中心に活動を展開する。2012年に参加した「キューン20イヤーズオーディション」で4000組の中から見事優勝を射止め、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブのオープニングアクトを務める。2013年4月には活動の拠点を東京に移し、バンド初の全国流通盤となる1stミニアルバム「僕がCDを出したら」をリリースし、夏には「ROCK IN JAPAN FES」「SUMMER SONIC」「SWEET LOVE SHOWER」など大型フェスに出演したことを機に知名度を全国区に拡大させる。2013年9月シングル「盛者必衰の理、お断り」でメジャーデビューを果たし、10月に1stフルアルバム「DOPPEL」を発表。2014年2月に2ndシングル「結晶星」、5月に3rdシングル「フルドライブ」、8月に4thシングル「生きてゆく」をリリース。8月30日に大阪・泉大津フェニックスで行ったキャリア最大規模のワンマンライブでは、約16320人を動員し大成功を収めた。11月にはテレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングテーマ「シルエット」をシングルリリース。また初の映像作品となるLIVE DVD「KANA-BOON MOVIE 01 / KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー 2014」を同時に発表した。