あふれんばかりの熱量

──では、最後に羽島めいさん。

関口　めいは神宿に対する思いが強くて、どんどん意識が高くなっていって。すごく刺激を与えてくれるような存在になりました。

──それは何かきっかけがあったんですか？

めい　活動していく中で神宿がなくてはならない大切な存在になっていったんですけど、周りのメンバーを刺激してるつもりはなくて。むしろ、周りががんばってるから自分ももっとがんばらなきゃと思ってます。

みき　MCをやり始めてから変わったと思います。

一ノ瀬　急に熱い人になったんですよ。

めい　いや、もとからだったのよ。それは。

一ノ瀬　でも、それを表に出すのは好きじゃなかったじゃん。密かにがんばるタイプって言うか。それがあふれんばかりの熱量になって。熱いんですよ、ホントに。

めい　ほかのメンバーにめっちゃ引かれるんですよ。私はみんなの気持ちを高ぶらせたいと思ってライブ前に「今からライブだけど！」みたいな言葉をかけるんですけど、「いや、熱いな！」って。

──めいさんがMCに選ばれたのはどうしてなんですか？

一ノ瀬　MCを全員で1回ずつやってみたんですよ。回してみた結果、めいちゃんが一番いい感じで。

めい　でも、最初の頃はめちゃくちゃ言葉使いが悪くて。男子に混ざってサッカーをずっとやってたんで、言葉が荒れてたんです。「お前らもっといけんのか！」って感じで。MCをやるようになってから、言葉使いに気を付けようという意識が芽生えました。

──3年間の活動の中で印象的な出来事はありますか？ ピンチだったエピソードとか。

一ノ瀬　この前、3周年ワンマンをラフォーレ原宿で開催して。1日目に「限界突破フィロソフィ」を歌い終わったら、また「限界突破フィロソフィ」が流れて始めて、もう1回続けてやりました。ずっと「限界突破フィロソフィ」を踊り続けるんじゃないかと思った（笑）。

──それはトラブルだったんですか？

めい　トラブルだったんですけど、ファンの人は全然気付いてなかったんです。私たちはある意味気合いが入ったよね。

──結成当初だったら、ただあわあわして終わってますよね。

一ノ瀬　そうですね。結成当初は歌割りを覚えきれなくて、全員で歌うって言う荒業をやってました。誰かがマイクを持っていれば大丈夫っていう。

──これまでの活動でできあがった、神宿ならではのトラブルの対処法って何かあります？

みき　ならではじゃないかもしれませんが、声やマイクの音が出ないときは咄嗟にメンバー全員で歌いますね。

めい　私が喉を潰したときはみんなが煽りをやってくれたんです。

みき　ホント大変だった。

一ノ瀬　めいちゃんはMCに加えて煽りも担当で、曲中にすごくいっぱい煽りを入れるんですよ。

めい　そのときは助けてもらいました。そしたら次はお姉ちゃんが喉を潰しちゃって。

みき　がんばり過ぎました（笑）。

最後に勝つのは神宿

──今のアイドルシーンにはいわゆる原宿系のアイドルがたくさんいますが、神宿はその先駆けですよね。

一ノ瀬　3年前は原宿発を打ち出してるアイドルってあまりいなかったんですよ。神宿はグループの結成当初から原宿発を打ち出していました。

めい　今では、いろいろな“原宿感”を出したアイドルグループさんが増えてきて。

小山　でも、私たちには原宿の要素が全然なくて悔しかった。

一ノ瀬　原宿って書いてあるTシャツを着ているだけって言う（笑）。

みき　最初の頃はまだ私たちにも“原宿感”がなくて。この間の3周年ワンマンでやっと原宿要素をたくさん出すことができました。

──少し前には原宿系のアイドルのジャケット写真が全部同じに見えるとTwitterで話題になりました。

一ノ瀬　たくさんアイドルグループさんが居ますが、最後に勝つのは神宿だと思ってがんばっています。

関口　もっともっと神宿＝原宿発と思ってもらえるようにがんばらないとと思います。

──原宿系のアイドルがたくさんいる中、音楽面で言うと神宿らしい曲ってどんな曲なんでしょう？

めい　やっぱり自己紹介ソングかな。「KMYD」や「原宿戦隊！神宿レンジャー」は神宿らしさが全開の曲ですね。この曲で私たちのことを知ってくれた人もたくさんいるので。

みき　グループの名前が曲名によく入ってるよね。「原宿戦隊！神宿レンジャー」とか、「全開！神宿ワールド」とか。グループの名前が前面に出ていると思います。

──ライブで盛り上がる、スイッチが入る曲はありますか？

一ノ瀬　「必殺！超神宿旋風」はいつもすごい盛り上がりますね。ファンの方がオタ芸をしやすいのもあって、受けがいいですね。最初にめいちゃんが「行くよっ！」って言うところでスイッチが入ります。

めい　ショッピングモールとか一般のお客さんが多く観てるときは「踊れっ！神宿カーニバル」が受けがよいですね。

シリアスな曲を歌うことでもっといろんな人の心に

──今回発売の1stアルバム「原宿発！神宿です。」は2015年にリリースされた作品の再発盤で、初音源化曲の「情熱は足りているか？」「憎しみという名の贈り物はあげない」が新たに収録されていますね。

一ノ瀬　「情熱は足りているか？」は、めいちゃんが大好きな曲なんです。センターだし。

めい　すごく自分に合ってる曲だと思うんです。「情熱は足りているか？」というタイトルは本田圭佑選手の名言から取ったもので、私たちを成長させてくれるような、まっすぐ自分と向き合う真剣な曲です。10月に公開された神宿の映画「君がいて完成するパズル」でも、私は「情熱は足りているか？」を歌ってるんです。

──やっぱり熱い曲が好きなんですね。

めい　好きですね。すべての歌詞が胸に突き刺さります。神宿に入るまでは自分と向き合うことをしてこなかったんですけど、この曲は気持ちを高ぶらせてくれるんです。

──ほかの4人は「情熱は足りているか？」にどのような印象を持っていますか？

関口　私は今年の春のツアーで個人的に考えることがいろいろあって。リハで「情熱は足りているか？」を歌ったときに、歌詞が心に響いてダメな自分が見えてきました。気持ちが下がっていたときに支えられたし、もっとがんばんなきゃなと思わせてくれた曲です。

──「憎しみという名の贈り物はあげない」についても聞かせてください。

一ノ瀬　曲調はふんわりしてて、振り付けもちょこまかしててかわいいです。ちょっと昭和チックな振り付けで。その一方で最初のフレーズが「あふれ出す愛の意味」で、歌詞が深くて難しいと言うか。神宿にはパーッと明るいイメージがあると思うんですが、こういうシリアスな曲を歌うことでよりいろんな人の心に響くんじゃないかな。

小山　なほが落ちサビを歌っているところが見せ場だと思います。これまで目立つパートはいっぱいあっても、落ちサビはあまりなかったので。ツアーではお立ち台で歌ってましたね。

──落ちサビを歌えると知ったときはうれしかったですか？

関口　うれしかったです。毎回ライブで歌うたびに、落ちサビ前に「あっ、来る来る！」って焦ります。

一ノ瀬　でもノリノリで歌ってます（笑）。