カミツキの第2部がここから始まる

──サウンド面に関して言うと、随所に小技が効いてると思いました。例えば、これまでになかったようなコーラスワークを取り入れていたり、エフェクトをふんだんに使ったり、やりたいことをすべて詰め込んだ感じがして、それが作品に深みを与えていると思いました。今回はいい意味でバンドの生々しさがないんですよね。

SHU→TA　前作「REAR SIDES HERO」はバンド感をモロに出していた部分があったので、そのギャップはあると思います。

──そう言えば、前作は「シンプルにしようと思った」って話していましたよね。

SHU→TA　ああ、そうですね。前作がシンプルだったからこそ、その反動で今回はバンド感が盛り盛りになったところはあると思います（笑）。

──キャシーさんはプレイ面で意識したところはありますか？

キャシー　今まで通り歌を引き立たせるベースを意識しました。あとは、聴いてて楽しくなるようなフレーズを入れられたらいいなと考えた部分はあります。

──確かに、今回の作品は聴いてて楽しいです。雑な例えですけど、これまでの作品が「ダーティハリー」のようなハードボイルドだとしたら、今作は「ダイ・ハード」みたいなエンタメ作品だと言えます。この作品を完成させた今、何か感じることはありますか？

SHU→TA　これまでも常にがんばってはいたんですけど、ここで改めてカミツキとしてスタートラインに立てたと思えるぐらい自信のある楽曲がそろったと思います。

キャシー　楽曲の雰囲気が過去の作品と違うものになったし、これまでが第1部だとしたら、ここから第2部が始まるのかなと自分では思ってます。

MiZUKi　毎日聴いても飽きないぐらい気に入っている作品なので、早く皆さんに聴いてほしいです。

新たな挑戦は「3日連続で自主企画」

──これだけクオリティの高い楽曲が生まれているのに、いったいいつになったら念願のアニメタイアップが決まるんでしょうね。

一同　（笑）。

SHU→TA　ですねえ！ ファンの皆さんもきっとそれを切望されてると思います。でも、この作品が取っ掛かりになるんじゃないかなという気はしています。

──実際にアニメタイアップが決まったら、MiZUKiさんはこれまでの作品で描いてきたストーリーとはまた別の軸で歌詞を書かないといけなくなるわけですよね。

SHU→TA　タイアップの内容にもよると思うんですけど、アニメの内容に沿ったものにはなると思います。

──仮にそうなったとしても、MiZUKiさんは問題なく対応できそうですか？

MiZUKi　これまで「この主人公はいったい何を考えてどう動くんだろう」ということを考えて歌詞を書いてきた経験があるので、アニメの主人公の心理を考えることにもつながっていくと思います。

──確かにおっしゃるとおりですね。さて、「Secret Whisper」のリリースツアーはどんなものになりそうですか？

SHU→TA　前回のツアーでは「噛みついて神ついて」というタイトルの自主企画を初めてやらせていただいたんですけど、今回はその企画を大阪、京都、愛知にて3日間連続で開催します。そしてそれを終えたうえで、東京にてファイナルを迎えることになります。前回愛知で行った「噛みついて神ついて」ではタイとか、遠征してきてくださった方がけっこういらっしゃって。

──それはすごい！

SHU→TA　そういう人たちからの要望というわけではないんですけど、「日程がほかの公演とつながってたらよかったのに」っていう意見がいくつか耳に入ったんで、それなら連続してやっちゃうかと。好きなバンドの大事なライブは全部行きたいっていう気持ちは僕もわかるので、週末をうまいこと使って3日連続でやることにしました。

──遠征客には優しいですけど、バンドは大変ですね。

キャシー　そうですね（笑）。

SHU→TA　2日目でもう疲れてると思います（笑）。あとは二日酔いが心配ですね。

──確かに（笑）。でも、それを乗り越えたら、また新しい景色が見えてきますね。

SHU→TA　（キャシーに向かって）がんばって二日酔いするんだぞ。

キャシー　え、二日酔いで成長するんですか？（笑）

SHU→TA　そうだよ！

──二日酔いになるぐらい仲間と酒を飲み交わすことで何かが生まれることは多々ありますもんね。面白いアイデアはだいたい打ち上げの場で生まれますから。

SHU→TA　そうそう、大丈夫だって！ 2人とも酔ったらそこそこ面白いから。3日ともパンチ見せてくれたら僕はうれしいですね。

──MiZUKiさん、どうなんですか？

MiZUKi　できるかな……（笑）。

SHU→TA　レモンサワー飲めば大丈夫！