ナタリー SuperPowerPush - 神聖かまってちゃん

ニューアルバム「楽しいね」総力特集

の子 インタビュー

俺はTwitterはやりません

──の子さん、最近Twitter始めましたよね。

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あはははは(笑)。見てるんですか?

──もちろん見てますよ。いきなりいろんな有名人に話しかけてましたけど。

そう、Twitterっていろんな人とコミュニケーションできるじゃないですか。そりゃオバマ大統領とかにも当然投げますわ。それは当然やりますわ!

──当然(笑)。

別に普通だと俺は思ったんだよ。そんな特別なことじゃないすよ。みんなやってますよね、ああいうの。

──でもの子さん、Twitterはやらないってずっと言ってましたよね。

はい、俺はTwitterはやりません!

──(笑)。じゃあ今回は?

今回Twitter始めたきっかけは……ずっとムシャクシャしてたんですよね、バンドのことで。

──それはメンバーに対して?

これ毎回言ってますけど、まあバンドを解散させるっていう話はたびたび出るわけですよ。最近もメールで大ゲンカしちゃって。メンバーと。それで「今度こそ本当に終わりだ!」くらいになって。

──ケンカのきっかけはなんだったんですか?

きっかけは、来年の予定を決めるミーティングをしようって、僕がメンバーにメールを飛ばしたんですけど、ろくに返事がなかったんですね。それでムカついて、Twitterはちばぎんとみさこさん担当みたいなもんだったんですけど、じゃあ俺だってやってやるコノヤロー!みたいになったっていう。でもTwitterやってよかったです。多分すぐに飽きますけど。

今回のアルバムは自分のデモを上回った

──ではここからはニューアルバム「楽しいね」について伺っていきたいんですが。

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今回のアルバムはサポートメンバーとして、まきおさんと、チーナっていうバンドの柴(由佳子 / Violin)さんっていう方が加わって、それでだいぶレベルアップしたとこはありますね。特に俺はまきおさんには本当に天才的なところを感じてて。歳も近くて28歳で、とにかくすごい集中力のある人で。

──まきおさんはかまってちゃんのスタッフで、ライブではサポートギタリストとしてステージに上がってる方ですよね。

あとmonoくんはmonoくんで、みさこさんはみさこさんで、ちばぎんはちばぎんで、1人ひとりプライド持ってやってるんでいいと思います。それがなかったらもう終わりです。最近はだからもうすげえなって逆に思ったりしますよね。ありがたいです。

──今回のアルバムでは、の子さんのデモの世界とは違う、バンドとしての世界観が強くなっているようにも感じたんですが。

曲によっては確かにそうかもしれないですね。例えば「仲間を探したい」とか。でも俺はこのアルバムだと「コンクリート(の向こう側へ)」が一番好きなんで。あとは「知恵ちゃん(の聖書)」とか。俺のデモをCD音質でカッと引き上げることができたなって。今まではデモの素材をぶち込むだけだったんですけど、僕はDTMに弱いんで、今回まきおさんがそこんとこを協力してくれてうまく作れたんです。だからサウンド面がすごい向上した。それが俺はものすごくうれしいです、今回。

──確かにサウンドは力強く、よりシャープになりましたね。

だから俺、今回のアルバムは本当になんか世界の、海外の人とかにも聴いてもらいたいですね。そんくらいの自信は全然ありますわ。

──それと今回「仲間を探したい」や「らんっ!」は、事前にデモ音源を公開していないですよね。

はい。「仲間を探したい」はデモよりCDのほうがよくなりましたね。「らんっ!」はクソになりました。だからデモをいつか出したいです、自分で。

──デモをネットで公開せずに、CDで新曲として発表するのは今回が初めてですよね。

初めてです。でも今回のアルバムはデモを全然上回った曲も作れたんで。結果よかったなって思いますね。

CD収録曲
  1. 知恵ちゃんの聖書
  2. 仲間を探したい
  3. 友達なんていらない死ね
  4. コンクリートの向こう側へ
  5. ベルセウスの空
  6. 雨宮せつな
  7. 2年
  8. らんっ!
  9. 鳥みたくあるいてこっ
  10. 花ちゃんはリスかっ!
神聖かまってちゃん(しんせいかまってちゃん)

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の子(Vo, G)、mono(Key)、ちばぎん(B)、みさこ(Dr)の千葉県在住メンバーからなるロックバンド。の子による2ちゃんねるバンド板での宣伝書き込み活動を経て、自宅でのトークや路上ゲリラライブなどの生中継、自作ビデオクリップの公開といったインターネットでの動画配信で注目を集める。

2009年には1600組の応募バンドの中から選ばれ、一般公募枠で「SUMMER SONIC 09」に出演。2010年3月に初のCD作品となるミニアルバム「友だちを殺してまで。」を発表した後、ワーナーミュージック・ジャパンと契約し、2010年12月にメジャーレーベルのワーナーから「つまんね」、インディーズレーベルのPERFECT MUSICから「みんな死ね」という2枚のアルバムを同時リリースした。

2011年4月にはバンド史上最大規模の会場となる両国国技館ワンマンライブを行う予定だったが、東日本大震災の影響により中止に。これを受け、4月から6月にかけて全国8都市を回るフリーライブツアーを敢行した。2012年 11月にはメジャー3作目となるアルバム「楽しいね」をリリース。子供の頃の暗い記憶やニートの抱える不安な感情などを美しいメロディに乗せた楽曲、予測のできない破滅的なライブパフォーマンスでファンを増やし続け ている。


2012年11月21日更新