ナタリー PowerPush - 神聖かまってちゃん / ちばぎん(B)
メンバー全員自宅訪問! 異例の個別インタビューでバンドの本質に迫る
ベースを弾いたこともないのになぜかバンドに加入
──まずちばぎんさんが神聖かまってちゃんに加入したきっかけから教えてください。
僕はもともとmono君に誘われて、高校卒業した頃にヘルプのドラムとして入ったんです。その頃は他のバンドでギター&ボーカルをやってたんですけど。
──え、そうなんですか?
mono君とは小中学校が一緒で、高校は別だけど仲良くて。「の子とバンド組んだんだけど、今ドラムがいないから手伝ってくれ」って言われて、まあドラムは趣味程度に叩けたんで。
──の子さんとも同じ学校だったんですか?
の子は幼稚園だけです。幼稚園が3人とも一緒で、の子だけ小学校のとき転校してっちゃって。で、高校のときにmono君との子が同じ学校になって再会して、の子はすぐドロップアウトで辞めてっちゃったらしいんですけど、しばらくしてmono君との子の2人がバンドを組んで、僕はそのバンドに誘われたっていう。2005年くらいですかね。
──そのときのメンバー構成は?
の子がギター&ボーカルで、mono君がキーボードで、ベースはサポートでした。
──そのバンドがもう神聖かまってちゃんだったんですか?
そのときは「うっそぴょん」って名前でしたね。で、僕がドラムとして入ってしばらくやってたんですけど、その時期にみさこさんがメンバー募集のサイトで拾われたというか、の子が見つけてきて一緒にやることになって。僕はそのままベースを弾くことになったんです。なぜか。ベースなんか弾いたこともないのに。
──え、じゃあかまってちゃんで初めてベースを?
そうです。それからすぐに僕がメインでやってたバンドが解散することになってしまって。で、まあ他のバンドにギターで誘われたりもしてたんですけど、ちょっと迷った挙句かまってちゃんでやっていこうと決めて、正式加入は2009年の5月です。そのまま今に至る感じです。
この4人じゃないとできないことがありそうだって感じた
──かまってちゃん正式加入以前に、ちばぎんさんがメインでやってたバンドはどんなバンドだったんですか?
「ピックアップゴールド」っていう名前で、まあギターロックっちゃあギターロックな感じの。
──そのバンドでは自分で詞も曲も書いて?
はい、詞も曲も。
──でもメインのバンドもあって、他のバンドにも誘われていたちばぎんさんが、かまってちゃんにベースとして加入した理由はなんだったんですか?
うーん、当時誘われてたバンドは、その時点でインディーズのレーベルと契約が決まってたりして、結構いい位置までいってたバンドなんですよ。でもそっちはまあ僕じゃなくてもやってけそうだなって。かまってちゃんはこの4人じゃないとできないことがありそうだって感じたんですよね。オンリーワンなバンドっていうか。
──ちばぎんさんから見て、かまってちゃんのオンリーワンな部分ってどこでしょうか?
やっぱりの子の表現ですかね。「死にたい」とか子供ならではの表現なんだけど、ちょっと他のバンドでこういうこと歌ってるアーティストは少ないし。
──の子さんの歌詞や世界観に共感できる部分があったということ?
まあ正直ありますね。共感はします。僕も結構中学校くらいでクラスからハブられたりみたいなこともあったので。
──集団の中でうまくやれない自分を感じていた?
そうですね、僕は中学校でそういう体験をして、高校で八方美人というかちょっと社交性みたいのを身につけた的なところはありますけど、の子はそのまま成長してあんな感じになったんだと思う。そこは共感できるところですね。
神聖かまってちゃん(しんせいかまってちゃん)
の子(Vo,G)、mono(Key)、ちばぎん(B)、みさこ(Dr)の千葉県在住メンバーからなるロックバンド。の子による2ちゃんねるバンド板での宣伝書き込み活動を経て、自宅でのトークや路上ゲリラライブなどの生中継、自作ビデオクリップの公開といったインターネットでの動画配信で注目を集める。2009年には1600組の応募バンドの中から選ばれ、一般公募枠で「SUMMER SONIC 09」に出演。子供の頃の暗い記憶やニートの抱える不安な感情などを美しいメロディに乗せた楽曲、予測のできない破滅的なライブパフォーマンスでファンを増やし続けている。2010年3月に初のCD作品となるミニアルバム「友だちを殺してまで。」をリリース。