KALMA「TEEN TEEN TEEN」インタビュー|10代のエネルギーと勢いを北海道から発信 メジャーデビュー作に詰め込んだ熱い思い

地元が一番

──「雪のまち」でもすごく繊細に北海道の景色が描写されているように思うんですけど、北海道という土地は自分たちの音楽にどんな影響を与えていると思いますか?

KALMA

畑山 KALMAは地元ありき、雪ありきのバンドなんです。もちろんマイナスに思うこともたくさんあった。特に俺たちが住んでいるのは田舎なので、都会に行くにもバスが少ないし、冬は雪が多いし寒いし。でも、それが今の自分を作っていると思う。俺は曲を作るとき、夏は公園や川に行って作るんですけど、雪が降り始めるとそれができないので家で曲を作るしかない。もし東京とかで暮らしていたら、1年中外で曲を作っていたかもしれない。それはそれでいい曲が作れたと思うんですけど、北海道だからこそ家で曲を作る時間が生まれたし、家でギターを弾いていて「うるさい」と言われたら、お母さんの車の中で曲を作ったりしてきたんですよね。そういう環境だからこそ生まれた曲も多いです。

──KALMAの活動拠点は北海道なんですよね。

畑山 そうです。いつかは東京に出てきたいなとも思うけど、でも、こういう話をしていても、「やっぱり、北海道っていいな」と思っちゃいますね(笑)。北海道っていいよね?

金田 うん、地元が一番いい。

斉藤 地元は楽だよね。

──地元の話にも通じますけど、「コーラ」は畑山さんがお母さんに向けて作った曲ですよね。「ママ いつもありがとう」とストレートな思いが歌われている。

畑山 そうですね。いつかお母さんへの曲を書きたかったし、メジャーから出る1枚目の作品にこの曲を入れることができてよかったです。すでにお母さんには聴いてもらっているんですけど。

──そうなんですね。

KALMA

畑山 お母さんの車の中で曲を作るときに、こっそりとこの曲を入れたCDをカーステに仕込んでおいたんですよ。そしたら、次の日のお昼にお母さんから電話がかかってきて、「泣いちゃったじゃん」と(笑)。メジャーデビューすることになって、やっと好きなことで生きていくスタートラインに立つことができたと思うんです。そういう意味でも「今までありがとう」という思いを、この曲をデビュー作に入れることでお母さんに伝えたかったんです。

──普段から誰かに向けて曲を作ることが多いんですか?

畑山 いや、「コーラ」が初めてです。ただこの曲では自分の母親について歌いましたけど、歌詞はいろんな人に当てはまるんじゃないかと思う。自分にしかわからない歌は嫌なんですよね。できるだけ自分のことを歌いながらも、みんなが体験したことのあるような歌詞を書けたらいいなと思っていて。「コーラ」の「僕はママのカレーが食べたい」という歌詞も、やっぱりみんな母親の作ったカレーは好きだろうなと思って書きました。

金田 え? お母さんが作った料理で、悠月が本当に一番好きな料理はなんなの?

畑山 一番好きなのは……ナスだね。ナスをかつお出汁で煮たやつ。

──渋い(笑)。最後に収録される「TEEN」は、実質的にはアルバムのタイトルトラックになりますね。

畑山 そうですね。このアルバムの中では最後にできた曲なんですけど、メジャーデビューして、これからいろんなことが待っていると思うけど、欲張らずに、急ぎ過ぎずに今のままでやっていこうという気持ちで書きました。

──10代という季節に得たもの、感じたものが、この先もKALMAにとって大切なものであり続けるだろうという確信をこの曲からは感じました。

畑山 今年でみんな20歳になるんですけど、でもやっぱり、ティーンだったときの気持ちは忘れたくないと思ってるんです。

──裏を返すと強くそう思い続けていないと、10代のときの思いは簡単に忘れてしまうものでもある……そういう予感もある。

畑山 まさにそうです。

──この曲は「全部じゃなくていい」というフレーズで全員の声がそろうのが最高ですよね。

畑山 欲張っちゃいけないと思うんです。もちろん、俺らは急いではいるし、焦ってもいるんですよ。でも、それに飲まれちゃダメだっていうことを表現したかった。この「全部じゃなくていい」のメロディは強いし、3人で歌っているし、聴いている人にメッセージが伝わるんじゃないかと思います。

自分らしくいることを伝えたい

──この先、KALMAはどんなバンドになっていきたいですか?

KALMA

斉藤 もともとのバンドのコンセプトとして「いろんな人に愛されたい」というのがあったんですけど、これからも変わらず自分たちらしくありつつ、たくさんの人に愛されるようになっていきたいですね。

畑山 いろんな世代の人たちに愛されたいし、愛される曲を作っていきたい。その中で、自分たちが好きなこと、自分たちが伝えたいことを伝えることができたら最高だなと思います。それで売れたら、もっと最高だし。

──言葉にするのは難しい部分かもしれないですけど、KALMAというバンドは“愛されること”や“思いを伝えること”を求めた先に、何を得たいんでしょうか? 皆さんのお話を聞いていると、多くの人に伝わる音楽を作ることを目標にしながら、富や名声を求めているというわけでもなさそうなんですよね。

畑山 うーん。確かに言葉にするのは難しいですね。ただライブでお客さんが笑顔で拳を上げているのを見ると最高だなと思うんです。自分たちの音楽が伝わっているんだなと思う。でも、その伝えたいことの先に何を求めているのかを言葉にするのは難しい。

金田 でもさ、悠月が歌詞でよく「自分次第だ」って書いてるじゃん。実際に俺らは今、自分たちがやりたいことをやっている。そうやって「俺らが好きなことをやっている」ことがみんなに伝わっていくことがいいんじゃないの? それは、将来の夢に向かってがんばろうと思う心でもいいし、「今のうちにやりたいことをやっておこう」という気持ちでもいいと思うけど、大人の人でもそういう心を忘れないでほしいなって思う。俺はやりたくもないことをやる人間にはなりたくないから。

畑山 本当にそうだね。俺たちが伝えたいのは、自分らしくいることだと思う。決めるのは自分だし、やりたいことはやればいい。そのうえで、俺が一番心がけているのは「楽しくある」ということですね。嫌なことがあっても楽しくあれればいい。

斉藤 あと聴いた人の笑顔は大事だと思う。ライブで一番、笑顔を作れるバンドになりたい。

畑山 楽しいライブをするバンドがいいね。うん、楽しいバンドになりたいです。

畑山悠月(Vo, G)のルーツになっている3曲

1 エソラ / Mr.Children

ママの車で流れてて、こんな風になりたい! こんなミュージシャンになりたい! 有名になりたい!と思わせてくれたキッカケのバンドの、キッカケの曲。この曲があの日車の中で流れてなかったら今頃何してただろう……。ミスチルは原点です。

2 花 / ORANGE RANGE

人生みたいな曲です。家族や親戚が言うには、当時まだ僕が保育園に通ってた頃毎日のようにずっと歌ってたらしく、でも確かにそんな記憶があって、自分の中でも小さい頃に一番最初に歌詞をちゃんと覚えてちゃんと歌えるようになった曲は絶対にこの曲だという記憶がちゃんとあります。この曲を歌う僕を見て「この子きっと音楽が好きなんだ!」と思ったおばあちゃんとおじいちゃんは僕をバイオリン教室に通わせました。その後7年間バイオリン教室に通ってました。おばあちゃんおじいちゃん、ありがとね!

3 真昼の月 / Saucy Dog

こんな唄を歌いたいし、こんなスリーピースバンドになりたいと思わせてくれたバンドです。自分らど同じスリーピースのバンドをたくさん聴いてきましたが、Saucy Dogは一番刺さったというか、普段から曲を聴いてる時もそうですが、メンバー全員で見たとある日のSaucy Dogのライブで心をグッと掴まれた時は、ライブ終わったあとにすぐメンバーと「おれらもこんなライブできたらいいよね」って話をしました。何度もそんな話をしました。大好きなバンド。

斉藤陸斗(B)のルーツになっている3曲

1 Stuck in the middle / ONE OK ROCK

バンドを好きになったきっかけがONE OK ROCKでその中でも一番聞いたし聞くと1番テンションが上がります!!!

2 青春狂騒曲 / サンボマスター

自分の大好きなアニメの主題歌に使われていたのをすごく覚えています! 曲のテンポが最高めちゃめちゃカッコいいです!!

3 Climax Night / Yogee New Waves

高校生の時に出会って、今まで全然聴くようなジャンルではなかったのに聴いた瞬間に虜になりました!!

金田竜也(Dr)のルーツになっている3曲

1 Radio / HEY-SMITH

高校1年生のときに行ったとあるライブで、正直HEY-SMITH目当てではなくて曲も全然知らなかったんですけど、ライブがカッコよすぎて本当にはまりました。曲の疾走感が本当に気持ちいいです!

2 スノースマイル / BUMP OF CHICKEN

小学生の頃、ラジオかテレビかでかかってて、ビビッときてなんとなく覚えてた歌詞の部分を必死に検索しました。雪の降った帰り道に聞いたりすると胸がギュッとなっちゃいます。

3 Basket Case / Green Day

父さんか友達か誰かに教えてもらったんですけど、聴いたときの衝撃が忘れられなかったです。この曲を聴いた時期から洋楽、洋画にもハマって海外に憧れ始めた気がする……それくらい影響があった曲です。

KALMA

ツアー情報

-KARMA-じゃないよ KALMAだよ!オトナじゃないよ TEENだよ!札幌にはまだ雪あるよ!やる気マンマン!春爛漫!ワンマンツアー2020
  • 2020年3月4日(水)北海道 COLONY (※公演延期)
  • 2020年3月8日(日)愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL (※公演延期)
  • 2020年3月20日(金・祝)大阪府 CONPASS
  • 2020年3月28日(土)東京都 渋谷La.mama
チャレンジャー 2020 春 ~お花見~
  • 2020年4月16日(木) 愛知県 RAD HALL <出演者> KALMA / kobore
  • 2020年4月18日(土) 大阪府 Shangri-La <出演者> KALMA / オレンジスパイニクラブ
  • 2020年4月26日(日) 東京都 新代田FEVER <出演者> KALMA / 2
  • 2020年4月28日(火) 北海道 cube garden <出演者> KALMA / Hump Back
へいらっしゃい!何にしましょ? えっとー初日バリ硬ファイナル柔め熱量濃いめMC少なめキャパ増し増し お腹パンパン!太陽さんさん!ワンマンツアー2020夏
  • 2020年7月2日(木)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2020年7月9日(木)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
  • 2020年7月19日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2020年7月26日(日)福岡県 BEAT STATION
  • 2020年7月28日(火)東京都 渋谷CLUB QUATTRO

※日程や内容は変更となる場合があります。最新情報はオフィシャルサイトをご覧ください。