ナタリー PowerPush - Kalafina

デビュー5周年の特別な日を凝縮 WOWOWライブをオンエア

ライブは生ものなんだってやっとわかってきた

──今や日本のみならず海外でのライブも精力的に行っているKalafinaですが、皆さんにとってのライブってどんなものなんでしょう?

Hikaru

Hikaru 今はもう活動の主体みたいなものになっていますね。ライブを通して皆さんに生の歌を届けることで気付いてもらえる魅力ってやっぱりあると思うんですよ。なので、そこはずっと大切にしていきたいところなんです。海外でライブをやらせてもらうと、日本語で歌っているのに皆さん反応を思いっきり返してくれるんですよ。それはつまり音楽で心がつながった瞬間だと思うし、それを感じられるのがライブの醍醐味だと思うんです。ライブハウスでもホールでも、みんなで同じ時間を共有することは本当に楽しいですからね。

──お客さんの盛り上がりによって驚くほど舞い上がってしまったように(笑)、予想できないことが起こるのも生でやり取りしているからこそですもんね。

Keiko そうなんですよね。ライブは会場によっても、そのときの状況によってもまったく内容が変わってくるものなんです。だからこそ、その場の空気をしっかり読めるアーティストでいたいなって常に意識しています。厳かな世界観はKalafinaとして大事なものではあるけど、毎回同じことをやっていたんじゃそんなのロボットと同じですからね。

──うん。Kalafinaのライブからはしっかり人間味が感じられますよね。MCを含めて、3人の親しみやすさがにじみ出ていると思います。

Keiko ライブは生ものなんだっていう意味がやっとわかってきた感じもありますね。だからこそライブがより楽しくなってきています。

──では現段階で思い描く理想のライブとは?

Wakana 観てくれている人も私たちも思う存分、音を楽しめる空間を作ることだと思います。で、1つひとつのライブを大切にして、それをこれから先もずっとずっと続けていくことが目標ですね。

Keiko 自分たちの曲の難しさをちゃんと乗り越えて、表現力を高めていくためにとにかく丁寧にやることも大切だと思います。

──驚くほど丁寧に、というのはKalafinaにとって常に大切なテーマでもあるわけですね。

Keiko そうですね。プロデューサーの梶浦由記さんがよく「丁寧にやれば大丈夫だから」っておっしゃっているんですけど、その意味が最近より深く理解できるようになった気がします。1人ひとりの歌や3人のコーラスワークをとにかく丁寧にやっていけば、それはきっといいライブになっていくんじゃないかなって。そう改めて思わせてくれたのも、あの5周年ライブでしたね。

昔はけっこう暴れん坊だったんですよ

──5周年の節目であり、今後の指針にもなり得るライブだったと。では、あの日、過去の曲たちを今のKalafinaとして歌うときの気持ちはいかがでしたか?

Keiko 初期の頃の曲を歌うと当時のライブを思い出すんですけど、昔はけっこう暴れん坊だったんですよ(笑)。

Wakana 暴れん坊(笑)。ライブ中にネックレスが飛んだりしてましたからね。

Keiko そうそう。それを考えると大人になったんだなあっていうのは今回のライブですごく思いました。今ももちろん激しく動いて歌うシーンはあるんですけど、やっぱり昔とは違っているんですよね。あの頃はほんとに勢いだけみたいなところがあったと思う。

Hikaru 今回はひさしぶりに歌う曲もたくさんあったので、自分たちの曲なんだけどすごく新鮮な感じがありましたね。歌い方としては、今だからこう歌ってみたいっていう気持ちがまずあったと思います。同時に、初期のような歌い方をあえてしたい部分もあったんですよ。でも当時のようには歌えないところもあって、ちょっと葛藤も生まれたんですよね。

──ああ、それは面白い感覚ですね。

Hikaru だからいろいろと試行錯誤してステージに臨んだところはありました。そういう意味では今と昔のコラボレーションみたいな雰囲気にもなっていて、面白いんじゃないかなって思いますね。

ニューアルバム「Consolation」/ 2013年3月6日発売 / SME Records
初回限定盤A [CD+DVD] 3800円 / SECL-1280~1
初回限定盤B [CD+Blu-ray Disc] 3999円 / SECL-1282~3
通常盤 [CD] 3000円 / SECL-1284
CD収録曲
  1. al fine
  2. consolation
  3. moonfesta~ムーンフェスタ~
  4. Door
  5. 未来
  6. 花束
  7. signal
  8. obbligato
  9. 木苺の茂みに
  10. 満天
  11. to the beginning
  12. ひかりふる
  13. 夢の大地
初回限定盤A DVD / 初回限定盤B Blu-ray収録内容
  • 新曲「夢の大地」(NHK「歴史秘話ヒストリア」エンディング)Video Clip、昨年ドイツで行われたアニメイベント「AnimagiC 2012」のドキュメント映像
Kalafina(からふぃな)

Wakana、Keiko、Hikaruの3人からなる、梶浦由記プロデュースの女性ボーカルグループ。アニメ映画「劇場版 空の境界」の主題歌を歌うプロジェクトとして結成され、2008年にシングル「oblivious」でデビュー。2009年よりライブ活動を本格化させ、2010年には初の海外ワンマンツアーを台北、上海、香港で開催した。2012年に人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のエンディングテーマ「Magia」を含む3rdアルバム「After Eden」を発売。デビュー5周年記念日となる2013年1月23日には初のライブアルバム「Kalafina 5th Anniversary LIVE SELECTION 2009-2012」を発表し、同日に東京・Shibuya O-EASTで行ったアニバーサリーライブも大成功を収めた。3月20日には4thアルバム「Consolation」をリリース。アメリカ、マレーシア、ドイツなどのアニメイベントにも出演し、ワールドワイドな活動を行っている。