kainくんの家にはペットがいっぱい

──なぜ引きこもるようになったんですか？

kain　家の居心地がよすぎて。ご飯を買いに行くときか、仕事関係の取材やライブのときくらいしか家から出てない気がしますね。

佐香　kainくんの家にはペットがいっぱいいるんですよ。

kain　最初は寂しさを紛らわせるためにモモンガを2匹飼い始めたんです。で、そのあとにハリネズミ。ちょっとしてから爬虫類を飼おうと思ってレオタードゲッコウ（ヒョウモントカゲモドキの一種）が増えて、ファンシーラットってネズミも3匹飼い始めて……。

佐香　ネズミ系多すぎるでしょ！ しかもなんで3匹飼うことになるのさ。

kain　もともと1匹だけ飼う予定だったんですけど、ペットショップで見てたらかわいくなっちゃって、つい3匹……。

佐香　僕、kainくんのモモンガにエサをあげたことがあるんですけど、それが生きて動いてるイモムシみたいなヤツなんですよ。「これが一番喜ぶよ」って渡されて、内心「うわあ！」と思いながらも平静を装って、エサやりをしました（笑）。

──今作のとらのあなでの特別購入特典に「kainと動物園に行くCD vol.2」というものがありましたが、これはkainさんの動物好きな一面をフィーチャーしたものだったんですね。

佐香　何そのCD、メッチャ気になる！

kain　僕と2人で動物園に行ってるかのようなシチュエーションを楽しめるCDです。「ほら、ゾウがいるよ」みたいな感じの声が入ってます。

佐香　そのCD、動物園じゃなくてkainくんの家でも成立するよね。しかもメッチャ濃い解説が聞けそう（笑）。

素のままの「ありがとう」を書き下ろし曲に

──今回のアルバムにはkainさんの自作曲が2曲入っています。「Silent blue」は遠距離恋愛を歌ったものですよね？

kain　はい。恋愛を色で表現できないかなと思って、歌の中にいろんな色が登場します。恋を色で例えたとき、ピンクとか赤とか明るい暖色系で表されることが多いと思うんですけど、2人の距離が離れて悲しくなったり寂しくなったりすると、青色っぽいイメージに近付いていくのかなって思って。例えば夕陽を見たとして、別に遠距離じゃないカップルは「これからどこにご飯食べに行こうか」って話をするかもしれないんですけど、遠距離でやっと会えたカップルは「もうすぐ帰りの新幹線の時間だ」って感じるわけです。だんだん空が暗くなっていくことにすごく敏感になるというか、同じ空でも見え方とか感じ方が違うだろうなっていうのを歌にしています。

佐香　メチャクチャ考えられてるね。すごく聴き込みたい。

kain　もう1曲の書き下ろし曲「TO MORROW」は明るい曲なんですけど、僕が感謝を込めてみんなに「ありがとう」を伝えることをテーマにしているんです。もともと僕は表に感情を出すのが苦手なタイプだけど、ライブをしたり、みんなと握手をしたりするときに、もっと自分を前に出さなきゃいけないなって思っていて。僕たちみたいな歌い手のファンって、基本的に画面の向こうにいる感覚なので、例えば僕のとある一面を見せないでおこうと思えば一生見せないこともできると思うんです。

──それをメリットにしてる方もいれば、デメリットと捉えている方もいますよね。

kain　はい。僕は活動を続けていくうちにもっといろんな感情を伝えたいなって思ったんです。だから今回は「聴いてくれてありがとう」って気持ちをたくさん詰め込んで、素のままにあまりひねらず自分が思ったことを書いています。ファンの方に届けたい1曲になりました。