kainくんに言わせたい言葉

──kainさんは「僕らの夏」が上がってきて、どういう感想を持ちましたか？

kain　聴いてもらう人に対してのファンサービスというか、「こう言ったらみんなが喜ぶだろうな」っていう言葉の選び方がすごいなって。曲調もすごくポップでキャッチ―でTくんらしい曲なので、すごく気に入ってます。

佐香　ああ、よかった。

kain　遠回しに言うんじゃなくて、ストレートに言葉を伝えているところがすごいんですよね。聴き手がその世界にすぐ入れるような歌詞だと思いました。

──この曲の歌詞にはけっこう強めな表現も出てきます。「君をほかのやつに渡したくはない」とか。

佐香　kainくんはこういうことを言わないのかもなって思いつつ、だったら言わせちゃおうっていう気持ちもありました。こういうことを言わせたらファンの人はグッとくるんじゃないかな、とも思いましたし（笑）。

──8月に佐香さんが発表するニューシングルのタイトルが「いつか君はそいつと別れるに決まってる」なんですよね（参照：佐香智久、新曲で“君とそいつ”の別れ予言する）。今回の歌詞も然り、佐香さんは、ここ最近意識的に影のある言葉を使うようになってきたのかなと感じたんですが。

佐香　実はそうなんです。僕、去年の夏に北海道から東京に引っ越してきて。東京でいろんな人と会うようになって、書きたい歌詞の内容が変わってきたんですよね。例えば昔だったら恋愛の曲なら「自分では結局言えない、自分なんてどうせ無理なんだ」みたいな感じの曲を書いていたんですけど、東京に来てからは「いつか君はそいつと別れるに決まってる」みたいな言葉を使うようになって……（笑）。

kain　Tくんは意外と腹黒い部分を持ってるから。

佐香　そうですね（笑）。でも僕は「腹黒いよ」ってことを自分でちゃんと言う人だから！ 「どういう人なのかわからない」って思われたくないんですよ。kainくんとか仲がいい人に対してはけっこうオープンですね。人に曲を書くときはそういう腹黒さを全面に出すわけにはいかないけど、女の子とか聴いてくれる人がどういうところにキュンとするか考えたときに、ちょっとした強さとか毒気があったほうがいいかなって思うんです。特にkainくんは落ち着いたかわいい感じじゃないですか。だから今回は「君をほかのやつに渡したくはない」って言わせてみました。

kain　自分で歌詞を書くときになかなか出てこない言葉だと思いましたけど、僕もけっこう毒舌って言われることが多いから、歌うのにそこまで抵抗感はなかったですね。

好きな人にアプローチをかける？ かけない？

佐香　kainくんは恋愛とかに関してどんな感じなの？ 例えば、好きな人ができたらアプローチをかける？ かけない？

kain　自分からは絶対に言わないですね。

佐香　あ、やっぱり言わないんだ。

kain　大切にしたいなって思う人ができたら、その人を裏切るようなことはしないほうがいいなって思うんです。だから滅多なことはできないですね。

佐香　でも気持ちを伝えなかったら、ほかの人に取られちゃうかもしれないよ？ そういうときはどうするの？

kain　どうするんだろう……。

佐香　僕だったら作戦を考えるね。まずは優しい友達のふりをして女の子に近付くとか。

kain　でもその人が喜びそうなことは絶対しようと思う。自分の中でいろいろ考えて、相手が喜びそうなことを片っ端からする。

佐香　気付いてもらいたいっていう気持ちはあるんだ。じゃあ意外と行動するタイプかもしれないね。

kain　でも僕、東京に来てからちょっと引きこもりになったからな……。