JUNNAが12月9日に2ndアルバム「20×20」をリリースした。
アルバムとしては前作「17才が美しいなんて、誰が言った。」から約2年ぶりのリリースとなる本作。Dragon Ashの降谷建志が提供した「イルイミ」(テレビアニメ「BEM」エンディングテーマ)や、尾上文が作詞、白戸佑輔が作編曲を手がけた「コノユビトマレ」(テレビアニメ「賭ケグルイ××」オープニングテーマ)といったシングル曲に加え、石川智晶(See-Saw)、JUON(FUZZY CONTROL)、藤林聖子、グザヴィエ・ボワイエ(TAHITI 80)、岩里祐穂ら多彩なクリエイター陣が参加した楽曲、さらにはJUNNA自らが作詞・作曲を手がけた「いま」というナンバーまで、新たな魅力を存分に感じさせる全11曲が収録されている。
音楽ナタリーでは11月2日で20歳になったばかりのJUNNAにインタビュー。2020年の今の思いが注ぎ込まれた本作の制作にまつわる話をじっくりと聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 草場雄介
今をリアルに切り取った曲が集まった
──JUNNAさんは先日20歳になったばかりですが、何か気持ちの変化を感じたりすることはありますか?
20歳になったことでの気持ちの変化はまだあまりなくて。ただ、19歳から20歳になる1年の間で考えると、自分の中にいろいろなことに対しての強い意志が出てきたところはあると思います。「アーティストとしてこんなことをやっていきたいな」とか、「こういうテイストの曲を歌ってみたいな」とか、改めて欲が出てきた気もしますね。それはきっとこれまでの活動の中で、自分に足りないものをはじめとするいろんな気付きがあったからだし、同時に自分なりの成長ができてきた証拠だと思います。
──このたびリリースされた「20×20」は、前作「17才が美しいなんて、誰が言った。」から約2年ぶりのアルバムとなります。そこにもJUNNAさんが手に入れてきたさまざまな成長がたっぷり詰め込まれていますよね。
そうですね。前作と似たコンセプトを持った曲ももちろん入ってはいますけど、今回は今までに歌ったことのない曲に挑戦したいなっていう気持ちがすごく強かったんですよ。曲ごとのテーマ決めから選曲まで今の自分の思いをしっかり込めたので、聴いていただけたら前作とは全然違うJUNNAの姿は感じてもらえると思いますね。
──前作はティーンならではの鬱屈した思いや反抗心みたいなものが描かれた曲が多かったですけど、今回はその視点がより外を向き、表現者としての殻をまたひとつ破った印象もあって。アルバムの制作自体は10代で行われたとは思いますが、全体ににじんでいるそういった変化こそが20代に突入したJUNNAさんの意志のような気がします。
そうですね。今作は2020年だからこそ作れた曲がたくさん入っていると思うんです。コロナ禍で誰しもが不安や不満を抱える状況があって、そんな中で聴いてくれる方の背中を押せたり、自分自身のことも鼓舞できるような曲を歌うことが今の私としてできたと感じています。
──それは1人のアーティストとしてのスタイル、立ち位置がご自身の中で明確になってきたからなのかもしれないですよね。
はい。私は歌を歌う際には強くいたいという気持ちを大切にしたいと思っていて、もちろん前作みたいな自分の中にある反抗心みたいなものも表現できる。でも、それ以上に今は誰かを勇気付けるような曲を歌いたいなと思うんです。私の声だからこそ伝えられることがもっとたくさんあるんじゃないかなって。
──ファンという存在がそう思わせてくれたところもあるんじゃないですか?
まさにそうですね。「JUNNAちゃんの歌を聴いたことで明日からもがんばれます」ということをSNSなどを通じて伝えてくれるファンの方もいて。私の歌声で元気になってくれる人が1人でもいるのであれば、これからも私の歌を届けていきたいなって。この気持ちはこれからもずっと変わらないと思います。
歌い手としての在り方
──ニューアルバム「20×20」からはものすごく強いパワーが放たれている気がします。それはJUNNAさんの思いがしっかり具現化できたことの証拠ですよね。
私は聴いているだけでテンションが上がるパワーのある曲を聴くことが多いので、気持ちを高めてくれる曲がたくさん作れたことが純粋にうれしいです。もちろんバラードも収録されていて、さまざまな曲に合わせた表現をじっくりと突き詰めていくこともできたと思います。20代最初の1枚として、すごくいい作品になったと思います。
──アルバムのオープニングを飾る「我は小説よりも奇なり」はこれまでの作品にはない曲調で、しょっぱなから新しいJUNNAさんの姿をしっかりと見せてくれていますね。
この曲はたくさんの候補の中から私が選んだんです。決め手になったのは今まで歌ったことのない曲調だったから。サウンドが変わった雰囲気があるので、挑戦してみたいなと思いました。ライブで歌ったらみんなで盛り上がれる曲になると感じました。
──歌詞にはJUNNAさんのシンガーとしての生き様みたいなものが投影されている印象もありました。そのテーマはリクエストしたものなんですか?
はい。今の私の歌い手としての在り方を表現したくてそのようにお願いをしました。歌詞はすごく哲学的な内容で、歌で表現するのが難しかったです。でも、だからこそ言葉の1つひとつを紐解きながら声に乗せていくような楽しいレコーディングでした。
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“叫んでみる”というアイデア