JUJU|16年分の愛、願い、トキメキ、祈りを詰め込んだオールタイムベスト

JUJUが4月8日にベストアルバム「YOUR STORY」をリリースした。

本作は「Theater RED」「Theater PURPLE」「Theater PINK」「Theater BLUE」とネーミングされたCD4枚組。各ディスクにそれぞれテーマが設けられ、テーマに沿った楽曲が13曲ずつまとめられている。また「Theater RED」には「あざみ」、「Theater PINK」には「Stop Motion」という新曲も収録。JUJUがたどってきた輝かしい軌跡を余すことなく堪能できる仕上がりとなっている。

音楽ナタリーではJUJUにインタビューを実施。昨年迎えたデビュー15周年への思いを改めて振り返ってもらいながら、新作にまつわる話をじっくりと聞いた。またこの特集では、収録曲のミュージックビデオに出演した穂志もえか、黒川芽以、河北麻衣子、芦名星からのコメントも掲載している。

取材・文 / もりひでゆき

ライブの光景と「ミライ」

──JUJUさんは昨年デビュー15周年を迎えました。改めて、そのアニバーサリーに抱いたお気持ちを聞かせていただけますか?

まさかの15年だなと思いました。デビュー当時は自分の15年後なんてまったく思い描けていなかったし、それこそ2ndシングル(2004年リリース「CRAVIN'」)のあとは首の皮一枚でメジャーに留まっていた状態でしたから。でも「奇跡を望むなら...」というシングルを、本当に奇跡を望む気持ちで出した結果、初めて自分の歌をたくさんの方に聴いていただく喜びを知ることができたんです。それ以降は聴いてくださる方が求めるものを歌いたいという気持ちがより強くなり、それぞれの曲を1話の物語として語り部のような感覚で歌ってきた感じですね。しんどいこともいっぱいあったけど、ファンの方々をはじめとする人とのつながりに恵まれたからこそたどり着けた15年だったと思います。

──その時間の中で何か大きな変化が訪れた瞬間もありましたか?

JUJU

いろんなタイミングでいろんな変化があったとは思うんですけど、一番大きく変わったのはライブに対する向き合い方だと思います。最初の頃の私はライブが怖くてしょうがなかったんですよ。歌は歌いたいけど人前には出たくないという気持ちが子供の頃からずっと強くあったし、JUJUとして歌い始めるようになってからもそれは続いていて。でもこの15年の間に「ジュジュ苑」をはじめとするいろんなライブをやらせていただき、大勢の皆さんに遊びに来ていただけるようになったことで、私にとってライブが一番好きなことに変わったんです。去年の頭くらいにいろんなことを考えて、「もう辞めたほうがいいんじゃないかな」くらいまで思い詰めていた時期があったんですけど、そのときにもライブの光景が頭に浮かんで、それをなくしたくないって強く思えましたし。

──それほどご自身にとってライブが大事なものになっていると。

そうなんです。その悩んでいた時期に「ミライ」という曲との出会いがあったんですけど、その歌詞に「小さな強がりでも 前を向ける魔法になる」というフレーズがあるんです。その言葉のあと押しもあって、私は強がってでも前を向いて聴いてくださる皆さんに会いに行く選択をするべきだなと思うことができて。15年も活動していると、やっぱり人生って面白いなって思える瞬間がたくさんありますよね。

──JUJUさんが自らの楽曲に励まされ、救われてきた15年だったのかもしれませんね。

本当にそうだと思います。私はシンガーソングライターではないから、曲との出会いは一期一会。だからこそ歌詞がそのときの自分の感情に刺さりまくることが多々あって。毎回、曲に出会うときには必ずいろんな驚きがありますね。

──言ってみれば、ご自身が最初のリスナーなわけですからね。

あー、確かに!「ミライ」をリスナーとして聴いたとき、本当にそのときの私の心を見透かした内容だなと思いましたしね。自分にはもっとやるべきことがあるはずだとちゃんと思うようになれた。さらにベストアルバムの先行シングルとなった「STAYIN' ALIVE」の歌詞が自分にまた刺さったんですよ。しんどいこともあったけど今ここに立てているのならば、この先に待ち構えているさまざまなことに対しても全部立ち向かえるはずっていう。

──JUJUさんを改めて鼓舞してくれる曲に出会えたと。

そうなんです。歌うことで苦しんで、でも、歌で気付きをもらって。さっきも言いましたけど、人生はほんとに面白すぎますよね。