ナタリー PowerPush - JUJU
テーマは「女の子の雑草精神」 3rdアルバム「JUJU」の秘密
女の子であり続ける以上、どんどん強くなっていく
──そして、シングルから間髪入れずに3月17日には最新アルバム「JUJU」が発売。前作「What’s Love?」は愛についての問いかけがテーマでしたが、今回は?
まあ言葉で表すとしたら……“女の子の雑草精神”ですかね。
──ざ、雑草?(笑)
はい。ざっくり言ってしまうと「女の子って何があっても負けないよね」っていう話を身近な人としてたところから今回のアルバムが始まったんです。私自身、自分の人生を振り返って思うのが、何があっても女であることを辞めなかったっていうことで。
──その話は興味深いですね。
例えば男の人って、うなだれてたりするとバレますよね? 「あの人なんかあったのかな?」って。でも女の子って、前日にちょっと沈んでたとしても、次の日いつもと同じようにお化粧してヒールを履いて、身なりを整えて外へ出るのをやめないっていうのがすごいなと思ったんです。
──確かに言われてみるとそうですよね。精神的な落ち込みと、身なりを整えることはまた別モノっていうか。
そう。あとは、女の子であり続ける以上、どんどん強くなっていくよねっていう体感。私自身もいろんなことがあったけどそうやって生きてきたし、そんな自分の“人となり”を今作でちょっとでもわかってもらえたらなっていう感じなんですよね。
生まれ変わったとしても、絶対に女がいい
──話はちょっと戻りますが、1stアルバムが人生について、2ndが愛について、そして3rdは女について?
そうです、テーマは“メス”です! 最初のアルバムで人生を考えて、2枚目でようやく愛のことを考える余裕ができて。そして今度はちょっと自分のことを考え始めて……っていう。
──でも、そんな風に自分の中の“女”を見つめ直したキッカケって何かあったんですか?
あの、普段は私すごいオッサンなんですけど(笑)「でもやっぱり女なんだよなー」という思いがあって。とにかく負けないんですよ。ものすごいヘコんで、例えば「本気で歌手辞めようかな」って思ったりしても、少し考えて「いかん! がんばろう」って思い直すことがここ1年ですごく増えて。で、それってどこから来るんだろう? って考えてわかったのが「自分は女だから」ということだった。ここで全部を投げ出したら、自分が女であることも投げ出してしまいそうな気がしたんですよね。
──では、JUJUさんは生まれ変わってもまた女?
絶対に女です! で、もう一回自分やりますね。今の記憶を持ったまま生まれ変わって、もうちょっとうまいこと立ち回る(笑)。
──あはは。それはなんとも都合がいいですね!
でしょ?(笑) でもね、男性ってヒール履けないでしょ? スカート履けないでしょ? ショートパンツやビキニも着れないし、お化粧もできないんですよ。そう考えると女の子のほうが絶対楽しいだろうなって。
──それって歳を重ねるたびに思うことかもしれないですね。
ああ、そうかも。だって、大人の女になると妙な責任逃れとかもできますからね。「すいません、それ、女なんで私にはちょっとー」みたいな(笑)。
──うんうん(笑)。逆に男の人って、社会的責任がイヤでもついて回るし、ほんと大変なんだろうだなって。
ですよね。今度、私の男友達が結婚するんですけど、結構マリッジブルー入ってますからね(笑)。やっぱ男だから責任を感じるんだろうなって思うし、あとは仕事でもどんどん成果を上げていかなきゃいけないし。
──出世争いとか。
そう。でも女の子ってそんなの関係なかったりするでしょ。自分がやれることで納得いく給料もらって、日々の生活が大丈夫だったらそれでいいや、みたいな気持ちもどこかにある。
──……ハイ、おっしゃるとおりです(笑)。
音楽を通して「癒したで賞」が欲しい(笑)
──でもほんと、今回のアルバムはそういった女の子目線の曲ばかりですよね。ガールズトークをしてる風の歌だったり、凛とした女性像の歌があったり、切ない失恋の歌があったりして。だいたいその3つくらいにカテゴリ分けできる気がしたんですよね。
お! 今回はまさにそうなんですよ。よくぞ気付いてくれましたね。
──ありがとうございます。
というか、作り終わったときに自然とそうなってたっていうほうが正しいかな。それぞれの曲が、女の子の生活の中でどこかに当てはまってくれたらなって思うんです。昔から言ってるんですが、私の夢のひとつは“女だらけの武道館”ですから。
──それ、めちゃくちゃ楽しそうですよね。
ぜひやりたいですね。
──でもまずは、この3rdアルバム「JUJU」をたくさんの人に聴いてもらって。
ええ、そうですね。本当に、今の私にできることを100%やったつもりなので。がんばる女の子はもちろん、がんばる男の子にも聴いてほしいです。
──あいかわらず、“疲れたときに聴きたい歌手No.1”になりたいという夢は持っていますか?
もちろんですよ!
──ちなみにそのNo.1の称号って、どうなったら獲得できたことになるんでしょうね。
うーん、そうだなあ。テレビや雑誌、なんでもいいんですけど、街頭インタビューで「疲れたときに聴きたい曲と言えば?」という質問があって、10人中8人がJUJUって答えたら「やった!」って思います。
──そういうランキングが本当にあればいいんですけどね。
「癒したで賞」みたいなね(笑)。もともと私自身が癒しキャラではないので「癒されてます」って言われると「マジで!?」みたいな感じは今でもけっこうあるんですけど。でも私の音楽を聴いて「これわかるわー!」とか「今日が最悪でも明日がんばろう!」っていう気持ちになってくれたら最高だなって。多分それは、この先もずっと続いていく夢かなって思いますね。
CD収録曲
- GIRLS NEVER GIVE UP
- 桜雨
- 明日がくるなら JUJU with JAY'ED
- round & round
- 37℃
- いつからか...ずっと
- そばにいて
- I never knew ~もしも時間がもどせるなら~
- S.H.E.
- ガーベラの花
- READY FOR LOVE
- ほんとうは feat. MONCH (RamWire)
- bouquet
- 夜の果て
- Take Me Higher
- PRESENT
初回盤限定収録予定曲「COVER LOVER (仮)」
- LET'S WAIT AWHILE / JANET JACKSON
- YEARNING FOR YOUR LOVE / The Gap Band
- 奇跡を望むなら -English versioin- / JUJU (self English cover)
- There Must Be An Angel / Eurythmics
- I like it / DeBarge
- New York State Of Mind / Billy Joel
- Something About Us / DAFT PUNK
- THE POWER OF LOVE / CELINE DION
- LAST CHRISTMAS / WHAM!
- DON'T KNOW WHY / NORAH JONES
- NEVER STOP / THE BRAND NEW HEAVIES
- Saving All My Love For You / Whitney Houston
- Street Life / The Crusaders & Randy Crawford
- The Rose / Bette Midler
- Ex-Factor / Lauryn Hill
JUJU(じゅじゅ)
ニューヨーク在住の女性シンガーソングライター。10代の頃からジャズシンガーの道を志し、18歳で単身渡米。ジャズの本場ニューヨークでセッションを重ね、シンガーとしての実績を積む。本格的なデビュー前に、窪塚洋介主演映画「凶気の桜」に楽曲を提供したほか、著名ジャズミュージシャンの作品に参加するなど、その活動は多岐にわたる。2004年8月にシングル「光の中へ」で満を持してメジャーデビュー。2005年から日本でのライブ活動もスタートさせる。2006年にリリースしたシングル「奇跡を望むなら...」は、異例のロングヒットを記録。その後も「素直になれたら JUJU feat. Spontania」「やさしさで溢れるように」「明日がくるなら」など多くの名曲をリリース。そのハスキーで甘い歌声は、老若男女を問わず幅広い層から強く支持されている。