ナタリー PowerPush - JUJU
JUJUが問いかける14曲の愛の形 2ndフルアルバム「What’s Love?」完成
2008年、NY時代からの盟友/Spontaniaとコラボレーションしたシングル「君のすべてに」「素直になれたら」がともに配信200万ダウンロードを突破し、大ブレイクを果たしたJUJU。単身でNYにわたってから14年、現在も日本とNYを行き来しながら音楽活動を続ける彼女は、圧倒的な歌唱力とリスナーの心を掴む表現力豊かな歌声で、急速にあらゆる年齢層のファンを取り込んでいる。
一気に知名度が上がった中で、いよいよリリースされる2ndフルアルバム「What’s Love?」。彼女の音楽家、歌い手としての可能性を凝縮して詰め込んだ全14曲――彼女自身も自分に問いかける“愛って何?”という答えが、この作品からきっと見つかるような気がする。
取材・文/川倉由起子
恋愛相談を受けることが多くなった
――JUJUさんのここ半年くらいの状況の変化って、ご自身ではどう感じてらっしゃいます?
ただただ嬉しいなぁという気持ちですね。「君のすべてに」と「素直になれたら」以降、ライブをやると制服姿の女の子がいたり、今までのファン層にはいなかったギャルっぽい子(笑)が私を知っていたりするのがすごいなぁと思って。
――街で気づかれることも増えたんじゃないですか?
そうですね。その2曲でメディアへの露出が急に増えたので。街とかでギャルが「あ、JUJUさんですよね~? え、マジで!?」って。
――どっちだよ? っていう(笑)。
そうそう(笑)。あとコンビニとか、本当ダラダラな格好で化粧もせず、サングラスかけて行くんで。そんなときに、隣り合わせたギャル男の着メロが私の声だったりするとビックリしますよね。すいません……、恐縮ですって感じで。
――(笑)。そういう急なリスナー層の変化というか、広がりというものに戸惑いはありませんでしたか?
戸惑いではないですね。もともとはそういう若い子たちにも、どうにかしてリンクしたいなとは思っていたんです。でもその方法がわからなかったんですよね。3rdシングル「奇跡を望むなら…」でバラードのイメージがあったりしたので、どこに行くのが正解なのかなーと悩んだりして。
――そうだったんですか。
ええ。でもやっぱり、「素直になれたら」がたくさんの人にダウンロードしてもらえて、着うたで1位になった状況があって。「すごいヒットしてますねー」って言われても、実感があまりなくて「うーん」みたいな感じなんですけど(笑)、純粋に嬉しいしかないですね。
――その後、恋愛相談を受けることも多くなったとか。
そうですね。ネットの書き込みでよくメッセージをもらうんですけど、恋愛相談はすごく多いです。しかも、なぜか不倫の相談が多い(笑)。年齢層は小学生から50代くらいの方まで幅広くて、みんないろいろ恋してるんだなーって。
ずっと“愛って何だろう?”って
――そういう周りの話が作品に影響したりもします?
今回のアルバムなんかはまさにそうですね。もともと私がずっと“愛って何だろう?”って思いながら毎日生きてるというのもあるんですが、そういうリスナーの声から、いろいろな人がいろいろな想いを抱えているっていうのがわかったので。みんなきっと、“愛って何?”って思い悩んでるんだろうなーって。
――それで“愛”をテーマに。
はい。あとは、今回アルバムをつくろうとなったときに各シングルのジャンルがバラバラで。どうやってまとめよう? って思ったときに、それぞれ曲のジャンルはバラバラなんだけど、全部の曲の根底にあるのが愛っていうことに気づいて。“愛って何だろう?”って私が普段から言ってるのもあって、「What’s Love?」ってタイトルはどうよ? ということで提案したんです。
――そのタイトルチューンの「What’s Love?」ですが、めちゃめちゃカッコよくて。1曲目、最高のプロローグですよね。
もうね~、いい曲ができました。自画自賛です(笑)。
――先ほどの話からいうと、この曲はアルバムの中でも最後にできた曲ということになりますか?
はい、実は今年に入ってから(笑)。「What's Love?」というアルバムにしましょうってなったときに、そのタイトル曲が1曲目にあったら綺麗にアルバムがまとまるんだろうなって思って。急遽ですね。
――怒涛のスケジュールで?
12月末くらいから作り始めて、結局完成したのが今年入ってからです。
――すごい集中力だったんでしょうね。サウンド、アレンジも本当にカッコイイですもん。NYの街をロングコートを羽織って颯爽と歩いているJUJUさんの姿が浮かびました。
お! じゃあ、アルバムが売れたらそういうビデオ作りましょっか?(笑)
――ぜひ!(笑)
JUJU(じゅじゅ)
ニューヨーク在住の女性シンガーソングライター。10代の頃からジャズ・シンガーになることを志し、18歳で単身渡米。ジャズの本場ニューヨークでセッションを重ね、シンガーとしての実績を積む。本格的なデビュー前に、窪塚洋介主演映画「凶気の桜」に主題歌を提供したほか、著名ジャズ・ミュージシャンの作品に参加するなど、その活動は多岐にわたる。2004年8月にシングル「光の中へ」で満を持してメジャーデビュー。2005年から日本でのライブ活動もスタートさせる。2006年にリリースしたシングル「奇跡を望むなら...」は、異例のロングヒットを記録。そのハスキーで甘い歌声は、男性だけでなく多くの女性からも高く支持されている。