ゾンビーズ子の恐ろしさ

──大傑作が完成しましたね。

ザ・ゾンビーズ子（ギターとか）　やったー！

ユリナ（ギターとか）　うふふ（笑）。

──1stアルバム（2010年3月リリース「ベイビー！キミのビートルズはボク!!!」）で示したガレージロック的なサウンドからはずいぶん遠いところまで来た印象です。音楽的な幅が広がってソウルミュージックやヒップホップ、カリビアンやJ-POPなど、さまざまな要素が詰め込まれていますね。

ユリナ　1枚目があれで2枚目がこれって（笑）。ウケる。

ヨーコ（ギターとか）　そっか、フルアルバムはまだ2枚目だもんね。

──℃-want you!さんにとってはバンド加入後初のアルバムになるわけですが。

℃-want you!（ギターとか）　はい！ 大人っぽいアルバムになりました。1stアルバムと比べたら年齢めっちゃ上がった感じが。

一同　あはは（笑）。

──ヨーコさんは？

ヨーコ　なんか……すごい聴きやすくなったと思う（笑）。1stアルバムは本当に好きな人だけ好き、みたいな感じだったと思うんですけど。このアルバムは普通に親がクルマで聴いてたりするので。

ユリナ　ゾンビーズ子の引き出しはどこまであるんだろうって。想像してたよりも全然すごくて、ちょっと恐ろしさを感じました（笑）。

ゾン子　ふふふ（笑）。

──ゾンビーズ子さんが作詞作曲とアレンジのほとんどを担当して、これまで以上にゾンビーズ子さんの頭の中のサウンドを具現化した作品なわけですよね。

ユリナ　住所不定無職の2ndアルバムっていうより、もうザ・ゾンビーズ子の1stアルバムっていう感じがするもんね。

℃-want you!　あ、でもやってる曲は確かにこの何年かでめっちゃ変わったけど、バンドがもともと持ってるものは変わってない気がする。

ユリナ　うん、私もヨーコもバンドを結成したときからゾンビーズ子の言うことがもう絶対だから。まるっきり信頼してて、そのスタンスはずっと変わってないし、バンド自体は結局なんにも変わってないのかも。

3年前は作れなかった

──ゾンビーズ子さんは今作のレコーディングを振り返ってどうですか？

ゾン子　今年の1月ぐらいから6月ぐらいまでかけて、丸30日間くらいスタジオに入って録ってたのかな。ずっと切羽詰まってめっちゃ考えながら夢中で作ってました。考えてたけどよくわかんなかったみたいなところもあって、できたあともなんかふわふわしてたかも。

──曲作りに関して意識の変化みたいなものは？

ゾン子　そこは変わらないです。ゆがんだギターがジャーンって鳴ってるような曲は今回少ないけど。

ユリナ　「JAKAJAAAAAN!!!!!」（2011年1月リリース）のときはギターがジャカジャーンって鳴ってればいいって言ってたのに（笑）。

一同　あはは（笑）。

ユリナ　でもゾンビーズ子はもともとこういう音楽も好きなんですよね。ただ最初にバンドやり始めたときに、3人でできるのがシンプルなロックンロールだけだったんで。でもいろんな音源作ったり、℃-want you!が加入したりとかして、今みたいな曲もできるようになったんだと思う。

──じゃあゾンビーズ子さんの頭の中ではこういうサウンドがもともと鳴っていた。

ゾン子　そうですね。でも3年前にはできなかったんです。今ならやりたい感じのやつができるんじゃないかなって思って、やってみたらできました（笑）。