ナタリー PowerPush - Jeepta
“4者4様の面白み”を詰め込んだシングル「日進月歩」引っさげメジャー進出
Jeeptaがニューシングル「日進月歩」を4月7日にリリース。このシングルには、強く激しい曲調と歯切れの良い石井卓(Vo, G)の歌が突き刺さる「日進月歩」と、柔らかいギターサウンドが心に残る「向こう」という、Jeeptaの2面性を象徴するようなナンバーを収録。年間90本以上という多くのライブ現場を経て、彼らが練り上げたサウンドを俯瞰できる仕上がりとなっている。
今回ナタリーではリリースを記念して、メンバー4人にインタビューを敢行。シングルに込めた思いや新メンバー小笠原大悟(Dr)との出会いなどについて、率直で飾らない意見を語ってもらった。若く新しい才能の片鱗を感じさせるJeeptaの曲に触れるきっかけにしてほしい。
取材・文/野口理香
「日進月歩」はこの4人になって初めて鳴らした曲
──まずは、結成5周年という節目を迎えてメジャーデビューすることになった感想を教えていただけますか?
サトウヒロユキ(B) メジャーなんだっていう実感がわいてくるのは、これからなんだろうなと思います。制作プロセスやスタッフたちっていう、僕らの身近なところではあまり大きな変化はないし。今までの延長で、これからもJeeptaはJeeptaらしくやっていこうと考えてます。
──デビューシングルのタイトルチューンである「日進月歩」は、石井さんの作詞作曲ですね。前回のインタビューで、石井さんの曲作りのスタイルは「原型をスタジオに持っていって、メンバーで作り込む」というものだとおっしゃっていましたが、それは変わっていない?
石井卓(Vo, G) 変わってませんね。この「日進月歩」を作ったのは2009年の夏ぐらいで、大悟くんがサポートドラマーとしてスタジオに初めて来たときにセッションした曲なんです。曲自体、そのとき初めてメンバーに聴かせたもので。既存の曲の練習もしつつ、メンバーの自分たちも真っ白な気持ちで演奏できる新しい曲を4人でやりたいなって思って。
──新生Jeeptaを象徴するような曲なんですね。それもあって「日進月歩」をシングルにしようと思ったんですか?
石井 この曲をシングルにするのは、メンバーやスタッフも含め、全員一致で決まったんですよ。「日進月歩」はすごくJeeptaらしさを感じられる曲だし、4人の特徴が詰まってると思って。お客さんとしてライブに来てくれる人に、今までと違う部分をアピールするよりは、僕らが積み上げてきたことを出していきたくて。
──私がこの曲を聴いて思ったのが、すごく4人の個性が立ってる曲であるのと同時に、曲の持つグルーヴ感やまとまりが、インディーズ音源と比べて格段に上がったなということだったんです。どうでしょう、4人で音源を作るにあたって制作方法を変えました?
choro(G) うーん、特に何かを変えたこともないし、意識もしてなかったとは思います。単純に、その楽曲に対して一番良いと思うアプローチをした結果、こういう形になったんだと思うんですけど。
──この曲は、イントロからchoroさんの印象的なギターリフが鳴っています。あれはどのタイミングで出てきたんでしょう?
choro さっき卓ちゃんが言ったように、この曲はスタジオでのセッションが元でできてるんですけど、僕のギターのアレンジに関してはわりと最初に合わせたときのフレーズがそのまま使われてるんです。アレンジを練ってる最中に、自分で言うのも変なんだけど「もうちょっとchoroっぽいことしたほうがいいんじゃないか」とか思っていじったりもしたけど、結局また最初の感じになった。なんか、余計なことはせず必要なとこだけ弾くのが、この曲の場合はしっくりくるなと。ギターはイントロとかソロとか要所要所で鳴らして、間奏でベースが強めに出たり、イントロではドラムが出てきたり。すごくバランス良くバンドらしさが出てるアレンジになったんじゃないかな。
Jeepta(じぷた)
2004年12月に千葉で結成。翌2005年2月に初ライブを開催する。2006年7月にchoro(G)が加入したのを機に、石井卓(Vo,G)、サトウヒロユキ(B)、青木奈菜子(Dr)を含めた4人編成となる。2007年4月に自主制作盤「リコール」を発売し、2カ月で500枚を完売させる。その後、全国各地でのライブツアーやイベント出演を経て、2008年1月にミニアルバム「シナリオ」をリリース。外資系CDショップで好セールスを記録し注目を浴びる。激走するエモーショナルなサウンドとハイトーンボーカルの応酬が、ライブハウスを中心に人気を集める。2009年6月に1stフルアルバム「傾向と対策」を発表し、バンドの持つ多面性を提示した。2009年11月に、小笠原大悟が新しくドラマーとして加入した。