あなたは「音楽、最高ッ!」と感じたり、音楽を通じて人とのつながりを感じたりした経験はあるだろうか。世界有数のオーディオブランドJBLは、ライフスタイルや趣味嗜好が多様化する現代でも「音楽が好きという気持ち」で人々がつながっていること、そんな体験や気持ちを製品を通して提供するという思いを込めたウインターキャンペーン「音楽、最高ッ!」を実施している(参照:水カン新曲「聖徳太子」流れるJBLキャンペーンCM、詩羽が「音楽、最高ッ!」で人々とつながる)。
音楽ナタリーではJBLのイメージキャラクターである水曜日のカンパネラの詩羽にインタビュー。ドラマやバラエティなど活動の幅を広げる彼女に、音楽という存在への思いや、人とのつながりを感じたエピソード、来年3月に現体制初の東京・日本武道館公演を控えるなど快進撃を続けている水曜日のカンパネラの活動について聞いた。なお本稿ではキャンペーンの対象製品からワイヤレスイヤホン「TOUR PRO 2」をピックアップ。プライベートで愛用中だという詩羽がリアルな目線で使用感やお気に入りポイントを語る。
さらに本特集3ページ目では、11月26日まで東京・ZeroBase渋谷で開催されている体験型ポップアップイベント「JBL MEGA BOX」の会場の様子を紹介する。
インタビュー取材・文 / ナカニシキュウ撮影 / 星野耕作
世界が広がり、音楽が特別だと改めて気付いた
──唐突ですが、詩羽さんにとって音楽とはどんな存在ですか?
私はちっちゃい頃から音楽がすごく好きで……というか親が音楽好きで、車の中でも家でも常に音楽がかかっているような家庭だったので、当たり前のように音楽が隣にある環境で育ったんですよ。だから音楽は私にとってずっと最高なものなんですけど、最近特に「自分の中で音楽って大切なものなんだな」と改めて思う瞬間が多かったりもしますね。
──それは、水曜日のカンパネラに加入してから?
というよりも、本当にここ最近の……例えばドラマ(日本テレビ系「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」)に出させてもらったんですけど、そんなふうに音楽じゃない世界のお仕事をさせてもらう機会がこのところ増えてきて。演技のお仕事から音楽の現場に戻ってくると、音楽がより楽しく感じるんですよ。音楽というものが自分の中で特別なものなんだな、と改めて気付くきっかけになりましたね。
──どういう面で音楽が大切だと感じます? 例えば、楽曲の世界にとことん入り込んで突き詰める喜びもあると思いますし、音楽を通じて誰かとつながれる喜びもあると思いますが。
人と話すときに、音楽の話題って「あの曲いいよね」とか「あのアーティストさんいいよね」とか、取っかかりになりやすいですよね。初めてごはんに行く友達とも「最近こういうの聴いてるよ」って話すきっかけになったりもするし、そこから「そのアーティストさんを好きな人、自分の知り合いにもいてさあ」みたいに、また知らない誰かとつながっていくこともある。そういうのも最高だなと思うし……あと最近は、音楽って国とか言語の壁を越えてつながるきっかけになるんだなと感じることも多いです。
──おっしゃる通りですね。ただカンパネラの楽曲は“日本語の面白さ”がけっこう重要な要素じゃないですか。そのあたりでちょっとした壁を感じたりはしないですか?
カンパネラの曲って、歌詞重視か音重視かで言えば圧倒的に音重視の音楽でしかなくて。100:0で振り切ってると言ってもいいくらいなんですよ。もちろん歌詞の日本語としての面白さは、日本人にしか伝わりにくいところもあるんですけど、「なんかわかんないけど音がハマってて気持ちいい」みたいな感じで楽しんでくれている海外の方も多いんじゃないかと思いますね。意味がわからないからこそ、逆に音としての日本語の面白さが伝わっている部分はあるんじゃないかなと。
──ということは、「日本語がわかればもっと面白さが伝わるのになあ」と感じることはそんなにない?
ないですね。内容的な面白さより、音としての気持ちよさが一番大事だと考えているので。自分的にも、海外の曲を聴くときは歌詞の意味よりも音として耳に残る歌が好きだなと感じることが多いですし、逆もしかりなんじゃないかなと思います。
──確かにサウンド面のカッコよさがカンパネラ楽曲の核であるというのは間違いないと思うんですけど、「超カッコいい音で超しょうもないことを歌っている」というギャップもかなり重要なポイントだと個人的には思うんですよ。それがほかにない独特の魅力になっているというか。
そうですね。まあでも、例えば海外の人が私たちの曲きっかけで日本のことをもっと知りたくなって、調べてみたときに改めてその面白さが伝わるっていうのもいいんじゃないかなと思います。
水曜日のカンパネラの音楽は人とのつながりが深い
──最近はライブでお客さんが声を出せる状況になってきていますよね。そのことによって、聴く人とのつながりをより強く感じられるようになっているのでは?
それはありますね。私がカンパネラに加入したのが2021年で、ちょうどコロナが一番騒がしかった時期で。お客さんが何も反応しちゃいけない状況から私の音楽は始まっているので、今は「これが音楽なんだ、これがライブなんだ」と感じることはすごく多いです。特にカンパネラのライブはお客さんとの関わりが強いというか……私が客席から登場したり、ウォーターボールに入ってフロアの上を転がったり、みんなで一体感を作り出す演出やパフォーマンスが多くて。人とのつながりが深い音楽をやらせてもらっているなと感じますね。
──ようやく“あるべき姿”になってきた?
うーん……私にしてみたらマイナスの状況からのスタートだったので、「あるべき姿に戻った」というよりは「どんどん状況がよくなっていって今がある」という感覚のほうが近いかもしれないです。
──なるほど。マイナスがゼロに戻ったんじゃなくて、普通にプラスしか感じていないと。
そうです。やっぱり、ステージに上がってみんなと一緒に音楽を楽しんでいるときが一番「音楽、最高ッ!」な瞬間なのかなと思いますね。私、どんなに気分が落ち込んでいるときでも必ずライブ終わりにはめちゃめちゃ元気になってるタイプなんですよ。ライブをするたびにみんなの音楽に対する愛がつながっていくのを感じて、それで嫌な気持ちが全部吹っ飛ぶんです。「やっぱり音楽って最高だなー」と思うことは本当に多いですね。
「武道館、決まったよー」「あ、そうなんすか」
──そんなふうに続けてきた活動が、来年3月に開催される現体制初の日本武道館公演にもつながりました(参照:水曜日のカンパネラ全国ツアー閉幕、来春に武道館公演「私の2ndステージの第一歩」)。これについて何か感慨などはありますか?
そうですね……「早いなあ」みたいな(笑)。
──確かに早いですけど(笑)。現体制になってまだ2年ですからね。
こんなにトントン拍子で進むなんて、誰も思っていなかったので。「エジソン」(2022年2月発表)がヒットして、メディアに出る機会もどんどん増えて、ものすごくスピード感のある2年間でしたね。だから武道館にしても、「ついに! 武道館が決まりましたー!」というよりは、「武道館、決まったよー」「あ、そうなんすか」みたいな、ゆるーい感じで(笑)。長年目指してきた舞台っていうわけじゃないから。
──武道館だからといってあまり構えることもなく。
もちろん大きなステージだし、いろんなアーティストさんがひとつの目標に掲げる場所ではあると思うんですけど。私たちはいい意味で気負いなく行かせてもらうからこそ、ゴールというよりはいつものライブと同じくらいの気持ちでやりたいなと思ってます。お客さんにも仕事帰りや学校帰りにフラッと寄ってもらって、いつも通り「あー楽しかった」って帰ってもらえるような武道館公演にしたいです。
──たまたま会場が武道館なだけ、みたいな。
そう、たまたまでかいステージなだけ(笑)。もちろん、実際にやってみたらまた違う感情が生まれるのかもしれないけど、それはやってみないとわからないことなので。
──この先も、別に「東京ドームやさいたまスーパーアリーナを目指していくぞ!」的なことではないわけですよね。
いろんなことをやっていく中で、通過点として通っていければいいなとは思いますけどね。どこかにゴールを設定するような意識はあまりなくて、一歩一歩進んだ先にチェックポイントがあるみたいな感じ。そこから次の一歩目がまた始まるんじゃないかな、くらいの気持ちですかね。
もうそれが答えだよね
──では、ここからは詩羽さんがイメージキャラクターを務めるJBLのウィンターキャンペーン「音楽、最高ッ!」について伺います。いわゆるイメージキャラクター的な役割にはすごく向いていそうな人材だなという印象が個人的にあるんですけど、ご自身ではどうですか?
私自身、自分のこのビジュアルが万人受けするものではないというのをわかっていて、「どんな格好をしようが、自分が一番自分のことを好きでいられたらいいんだよ」ってことを伝えていきたい気持ちがあるんですね。だから、こういうビジュアルの人間を広告に起用しようという発想がまず面白いなと(笑)。
──なるほど(笑)。そこにちょっと第三者視点があるわけですね。
そうですそうです。もっと万人に好かれるタイプの人もいる中であえて私を使うということは、そこにちゃんと意味を持ってくれている感じがするのですごくうれしいですね。
──さらに、CMソングとしてカンパネラの最新曲「聖徳太子」が使われています。メッセージ性がある曲でもないですし、個人的には「この曲使うんだ?」という驚きもあったんですが……。
それ、めっちゃ思いましたね(笑)。あははは。
──本キャンペーンとこの曲に、詩羽さん視点で何か関連性を見いだすことはできますか?
そうですねえ……「あなたの話が聞きたいわ 違うお前じゃない 割り込むな」あたりの歌詞が「この音楽だけを聴きたい、外の音は聴きたくないんだ」というふうにノイズキャンセリングを使うシーンと通ずるものが……なくはないのかなと思います(笑)。
──CM撮影で印象に残っている出来事は何かありますか?
あの日は、朝がめっちゃ早くて……。
──(笑)。
日の出を撮りに行ったので、集合時間がめっちゃ早朝だったんですよ。まずそれが印象に残ってます(笑)。映像としては「イヤホンをしていろんなシチュエーションを楽しむことができるよ」ということを表現しているので、紙吹雪をいっぱい飛ばしたり、ジュースを飲んだり、ワンちゃんと触れ合ったり……いろんなシーンを1日でバーッと撮影して、すごく楽しかったです。
──できあがった映像についてはどうですか?
撮影当日は本当にいろんなシーンを撮っていって、最後にキャッチコピーを読み上げるのを録って終わったんですけど、完成形が全然想像できなくて。どんなふうにできあがるのか楽しみにしていたら、すごく好きな感じの映像に仕上がってましたね。シーンがコロコロ切り替わっていくのが画としても楽しいし、自分が読みあげた文章も、本当に思っているからこそ心のこもったものになっているなと感じられました。
──あのキャッチコピーには、やはり共感できる部分が多い?
全体的にすごくわかるなあって思いますね。例えば「ココロが晴れたり、やさしい気持ちになったり」の部分だったら、落ち込んでいるときに明るい曲を聴いて元気を出したり、逆に落ち込んだ気持ちを大事にしたいから切ない曲を聴いたりすることは私自身もよくありますし。このキャッチコピーはメッセージとしてはすごくシンプルですけど、何よりも的を射ているというか……「音楽、最高ッ!」でまとめられたら、もうそれが答えだよねって感じがします。
──そうなると、本当に自分の言葉として言えた感触がある?
ありますね。
──なんならカンパネラの曲を歌うときよりも……。
カンパネラの曲は、別に言いたいことなんて何もないので。
──そうでした(笑)。
言いたいことを言うための音楽じゃないから、そういう意味では全然こっちのほうが私自身の言いたいことに近いと思いますね。
──詩羽さん自身は、別に発明とかしたくないですもんね。
全然したくないですね!(笑)
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詩羽、愛用中のワイヤレスイヤホン「TOUR PRO 2」を語る
2023年11月24日更新