ナタリー PowerPush - JASMINE
自身と聴き手を未知なる空へと誘う「High Flying」
「JASMINEの歌って全部重いよね」って言われた
──「High Flying」のリリックについても伺いたいのですが、今回はすごく日常的なワードや言い回しが多くて。今までよりライトに聴けた気がします。
あるとき友達に「JASMINEの歌って全部重いよね」って言われたことがあるんです。それで「ああ、なるほど」って思って、今まで「こうじゃなきゃいけない」みたいな固定概念に自分をはめてたのかなって。
──それで今回のような新しいテイストにチャレンジしてみたと。
そうです。
──こういうタイプのリリックは書いててどうです?
すごく楽しいです! ひたすら楽しいことを追求!って感じで(笑)。今までの歌詞が「語る」感じだとしたら、今回は「踊る」ような気持ちで作ってる。いい意味で「ノリ」で書いてますね。
──でも、そのライトさの中には心に確かに響くメッセージ性もあって。サビやDメロなんかは、タイトル通りまさに「高く上がっていこう」と背中を押されます。
簡潔に表現しちゃうと、この曲が言いたいのは「がんばりたい」っていうこと。渋谷や原宿にいる、イケイケな女の子たちのマインドを表現したって感じです。
みんなの気持ちがわかるのが私だから
──それはJASMINEさんが彼女たちの心を代弁したいということ?
はい。私はずっとJASMINEというアーティストが何を伝えていけるか?ってことを考えながらやってるんですけど、そうなるとやっぱり同年代の女の子たちの気持ちなのかなって。生まれてから普通に小学校、中学校、高校……はちゃんと行けなかったけど(笑)、そういう学生生活を過ごしきて。傷付いたり、うれしかったり、悲しかったり、楽しかったりっていう、みんなの気持ちがわかるのが私だから。トガってる子たちはただトガってるだけじゃない、ヘラヘラしてる子たちもただヘラヘラしてるだけじゃないっていうのが、自分もそうだったからよくわかるんです。
──なるほど。
だから、そういう子たちのことを歌っていきたいというか、私が味方になれたらなって。渋谷とかでがんばってる子たちは、実はすごいガッツがあるんですよ。みんなそれなりにいろいろなものを抱えて生きてるし。JASMINEは、そういう子たちの隣に立っているような存在でいたい。よき理解者というか、友達みたいな感じでいたいんです。
──確かに大人の勝手なイメージと違って、真面目に夢に向かって努力している若い子はたくさんいますよね。
そうなんです。地方から出てきて夢を叶えようとがんばっていたり、みんな何かしら夢を追って集まってる。私の周りにも、そうやって戦ってる最中の子がたくさんいるので、お酒とか飲むとだいたいそういう話で共鳴しあってます。熱く、ただひたすら語ってるときもありますね。
曲のモードに自分をシフトする
──「High Flying」は歌もすごく突き抜けていて。サビとか、めちゃくちゃ気持ちよさそうですね。
はい。歌うことをすごく楽しんでます。あと、どちらかというと今までは弱さやネガティブなところも出してたんですけど、今回は「そういうところは出しません」って感じ。「出しません」というか、そういうところを見てたらいつまでも高く飛べないってことなんですけど。
──それはやっぱり今のJASMINEさんがポジティブなモードだから?
そうですね。でも、それは今回こういう曲をリリースするからっていうのもあるかも。私、けっこう曲のモードに自分をシフトするんで。
──じゃあ毎回リリース前後はその曲のモードに入っちゃう?
自然とそうなるって感じですね。私の歌がみんなにちゃんと伝わってほしいから。こういう曲を出すのに自分が落ちてると(胸を指して)ここに私がいないって感じになって伝わらない気がしますもん。
──そうですよね。ところで「High Flying」のPVはリアルな友達にも参加してもらって撮影したそうで。どんな映像になってますか?
パーティっぽいイメージで、共鳴しあう仲間がいろんなところから集まってきてワイワイ騒いでるって感じ。私も少し踊ったりしてて(笑)、だいぶにぎやかな感じになってると思います。
- ニューシングル「High Flying」 / 2013年5月29日発売 / Sony Music Associated Records
- 完全生産限定盤 [CD] / 1020円 / AICL-2540
- 通常盤 [CD] / 1020円 / AICL-2541
収録曲
- High Flying
- BED
- High Flying(Instrumental)
JASMINE(じゃすみん)
1989年生まれの女性シンガーソングライター。幼い頃からゴスペルやブラックミュージックに親しみ、17歳から都内のクラブを中心に本格的な歌手活動をスタートさせる。その圧倒的な歌声がリスナーや音楽関係者から高い評価を受け、2009年6月にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズからシングル「SAD TO SAY」でメジャーデビュー。JASMINE本人がすべての作詞作曲を手がけており、心を打つメロディと等身大の感情を描く鋭い歌詞で熱い注目を集める。2010年7月には1stフルアルバム「GOLD」をリリース。2011年は楽曲制作やライブを中心に活動し、約1年ぶりとなるニューシングル「Best Partner」を2012年7月に発表。翌2013年5月、9thシングル「High Flying」をリリースした。