ナタリー PowerPush - JASMINE
内側の温度を伝える歌 1stアルバム「GOLD」
音楽に対してだけはプライドを持ってる
──そんな初ツアーでも何曲か先行披露した1stアルバム「GOLD」ですが。ついに完成! という感じですかね。
はい。今までシングルは5枚出してきましたけど、ずっとアルバムを出すつもりで曲を作っていたので。
──1曲目の「PRIDE」は今のJASMINEさんを象徴する曲なのかなって思いました。イントロからかなりカッコよくて、聴いた瞬間、これはすごいアルバムなんじゃないか? ……って、ゾクゾクしちゃいましたよ。
ありがとうございます。「PRIDE」はアルバムの中でも最後に作った曲で「このアルバムが伝えたいことってなんだろう?」って考えたときに、「私は音楽に対してだけはプライドを持ってる」って改めて思って。ずっと「自分のプライドって何だろう?」って考えてたんですよ。でもこうして楽曲をリリースして「音楽が好きなんだ」ってことを主張したりすることで、それがイコールプライドなんだろうなっていうのがわかってきて。だから「PRIDE」はアルバムのイントロの曲として聴いてほしいという意味で作ったんです。
──なるほど。もちろん大切な1曲ではあるけれど、アルバム全体のオープニング的な役割でもあると。
そう、この曲は「GOLD」の(入場)門ですね。
──イントロとアウトロには鼓動の音が入っていて、全体的にも物語性があって。サビに何度も出てくる「Heisei」っていう歌詞もメロディとのハマり具合がすごくカッコよくて、さすが平成生まれというか……とにかく斬新だなと思いました。
この曲に関しては自分にしかできないことをやりたいというか、確かに斬新なことがしたいなっていうのはあったんですよね。昔、アンチ大人みたいな曲を書いたときに「やめとけ、昭和の考え」みたいな歌詞があって、プロデューサーさんがそれを聴いて「これウケるね」みたいに言っていて。それで「ああ、こういうのが面白いのか」って(笑)。
──でもJASMINEさんはそれを普通の感覚で書いてるっていうのが私から見るとまた面白いですけどね(笑)。
どうやって強くなったらいいか教えてあげたかった
──そういった意味ではアルバム5曲目の新曲「Bad Girl.」もJASMINEさんにしか書けない世界観だと思いました。
この歌詞は、私が15~18歳くらいのときに感じた気持ちや傷っていうものを曲にしたいとずっと思っていて。でもなかなか形にする機会がなくて、今回のトラックに出会ったときにコレだ! って思ったんです。最初にトラックを聴いたときイメージしたのは、制服を着た女の子がいろいろ重い荷物がつながったチェーンを体に巻きつけてて、それでもガッ、ガッ……って一歩ずつ一生懸命歩いてる感じ。ケガをしてたり傷だらけだったとしても、それでも前に進んでるっていう歌を作りたかったんですよね。
──じゃあ、これはJASMINEさんの実体験でもあると?
はい、思春期のころは結構そんな感じでしたね。だからそのときの気持ちに戻って、いま同じように感じてる子たちに「どうやって強くなったらいいか」を教えてあげたかったんです。でも彼女たちって、引っ張ろうとしても絶対引っ張れないし、背中を押そうとしても押せる子たちじゃない。それを私自身がわかってるからこそ、押しつけがましい曲にはしたくなかったんです。じゃあどういう視点で書いたらいいんだろう? って思ったときに、自分が当時に戻ることだなって思って。
──それは力強い発言ですね。自分の背中を見せていく。そのうち「JASMINE姉さん」なんて呼ばれちゃうかも!?
あははは。でも最近、ブログのコメントで人生相談されちゃいました。同年代の子だと「私もがんばります!」みたいな書き込みが多いんですけど、少し下の子になると「どうしたらいいか教えてください!」みたいなのもあって。すごいですよね(笑)。
CD収録曲
- PRIDE
- sad to say
- L.I.P.S.
- Jealous
- Bad Girl.
- dear my friend
- stage ~interlude~
- This Is Not A Game
- CLUBBIN"
- 恋
- what you want?
- No More
- Dreamin'
- Why
初回盤DVD収録内容
- sad to say
- No More
- This Is Not A Game
- Jealous
- Dreamin'
JASMINE(じゃすみん)
13歳でゴスペルクワイアに加入し、15歳でアメリカ遠征に参加。その後シンガーの道を志し、17歳から都内のクラブを中心に本格的な活動をスタートさせる。その圧倒的な歌声がリスナーや音楽関係者から高い評価を受け、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズとメジャー契約を締結。2009年春からは音源未発表にもかかわらずJ-WAVEでレギュラー番組を担当し、その飾らないキャラクターも話題に。楽曲はすべて本人が作詞作曲を手がけ、心を打つメロディと等身大の感情を描く鋭い歌詞が熱い注目を集めている。