ナタリー PowerPush - JASMINE
内側の温度を伝える歌 1stアルバム「GOLD」
2009年6月にシングル「SAD TO SAY」でデビューし、合計5枚のシングルをコンスタントに発表してきたJASMINE。ゴスペルで鍛えた圧倒的な歌声と、リアルで悲しいほどにまっすぐな歌詞に多くの人々が注目し、彼女を取り巻く環境もこの1年で大きく変化していった。
そんな中、デビューからこれまでの集大成とも言える1stアルバム「GOLD」がついに完成! 取材日の直前に終了した初の全国完全招待制ライブツアーの感想とともに、2010年下半期、きっと多くのリスナーの胸を震わせることになるであろう今作についてJASMINE本人に語ってもらった。
取材・文/川倉由起子
初めてのツアーは修学旅行みたいだった
──全国5カ所を回った初のライブツアー。そのファイナルがおととい終了したということで(取材は7月上旬)、まずは本当におつかれさまでした!
ありがとうございます。最終日の後は打ち上げに行って帰って、気付いたらメイクを落とすのも忘れて寝ちゃってました(笑)。
──あははは(笑)。じゃあ昨日はゆっくり休めたんですか?
そうですね。おばあちゃんの家に行ったんですけど、そこでも沈没(熟睡の意)しちゃってましたね。
──こんなタイムリーな取材もなかなか貴重だと思いますので、今回はまずツアー終了後の率直な感想からお聞きできますでしょうか?
はい。初のツアーはなんていうか……移動も含めて、すごく楽しい修学旅行みたいな感じでした(笑)。バンドメンバーやダンサー、それに多くのスタッフさんがかかわってくれてて、最初の頃は「こんなにすごい人数で回るんだ!」ってずっと驚いてました。しかも日に日に人が増えていって、初対面の人もたくさんいて。リハを重ねたりツアーをやる中で、「この人はこんな役割をしてくれてるんだ」っていうのがわかってきて、それからは自分からも少しずつ質問したり話したりするようになりましたね。
──ライブ自体の手応えはどうでしたか?
初日の札幌はまずお客さんの顔が見れなかったんです。どうなるのか想像もつかないし、直前はもうめちゃめちゃ緊張してて。
──普段は緊張しないけど、直前になると急に緊張するって以前も言ってましたもんね(笑)。
はい、今回もまさにそんな感じで。でも何回かステージに立つうちに、例えばミスをしたとしても、それに引っ張られちゃいけないんだなっていうのがわかってきて。次の曲に影響が出るとダメだし、ときには失敗した自分を「おまえは失敗してない!」って言い聞かせながらやったりしてました(笑)。
お客さんから「実感」の2文字が浮き出ていた
──ちなみに東京公演のMCでは「ファンの人が本当にいるっていう実感がずっとなかった」って言ってましたけど、ライブをやってみてそれは何か変わりましたか?
はい、大きく変わりました。ステージに立って見ると、フロアのお客さんから「実感」っていう2文字がボンって浮き出てる感じがして(笑)。今まではブログのコメントとかでしか接触する場がなかったから、なんとなくバーチャルな気分だったんですよね。メッセージを見てても「この人たちは果たして実在するのか?」みたいに、なぜか疑ってて(笑)。だからなおさら「うわー、超肉体がある!」みたいな感じでした。
──それはJASMINEさんらしい感想ですね(笑)。パフォーマンスは初ライブとは思えないほど堂々としててカッコいい印象だったんですが、歌ってるときはどんな気持ちでしたか?
歌ってるときはもう「ファイヤー!」みたいな感じでした。あれだけの人の意識がガッとこっちを向いてて、私はそれを跳ね返しながら歌ってるというか。すごく楽しかったです。でもその一方で、やっぱりMCはまだまだ苦手だなって。すぐ頭が真っ白になっちゃいそうになるので、もっとうまく喋れるようになりたいんですけど……。
──でも、そのホワーンとした感じの素なMCもファンにはすごく好意的に受け入れられている気がしましたよ?
ああ、そこはやっぱりJASMINEファンの方たちですねー(ニコニコ)。良かった。ありがたいですね。
CD収録曲
- PRIDE
- sad to say
- L.I.P.S.
- Jealous
- Bad Girl.
- dear my friend
- stage ~interlude~
- This Is Not A Game
- CLUBBIN"
- 恋
- what you want?
- No More
- Dreamin'
- Why
初回盤DVD収録内容
- sad to say
- No More
- This Is Not A Game
- Jealous
- Dreamin'
JASMINE(じゃすみん)
13歳でゴスペルクワイアに加入し、15歳でアメリカ遠征に参加。その後シンガーの道を志し、17歳から都内のクラブを中心に本格的な活動をスタートさせる。その圧倒的な歌声がリスナーや音楽関係者から高い評価を受け、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズとメジャー契約を締結。2009年春からは音源未発表にもかかわらずJ-WAVEでレギュラー番組を担当し、その飾らないキャラクターも話題に。楽曲はすべて本人が作詞作曲を手がけ、心を打つメロディと等身大の感情を描く鋭い歌詞が熱い注目を集めている。