14年間培ってきたものを感じとってもらえたら
──アルバムのリード曲である「ハレノヒの足跡」についても紹介をお願いします。
愛来 この曲は浪江女子発組合がお披露目された「十日市祭り」というお祭りがテーマになっていて、1つ前に収録されている「つながる、ウンメイ」と内容がつながっているんですよ。「つながる、ウンメイ」は「春の花火大会」と「全線開通した常磐線」がテーマで、人と人の縁が再びつながり出す様子を表現した曲なんですが、「ハレノヒの足跡」では再会したあとが描かれていて。過去、現在、未来の自分は全部つながっているから、自分らしく進んでいこうということを歌っているんです。私はこの曲を初めて聴いたとき、背中を押されたような気持ちになりました。
──聴いていて癒やされる感じがありますね。
佐々木 普段、いろんなアーティストさんの曲を聴いている中で、こういうタイプの曲が浪江女子発組合にあったらいいなと考えていたんです。そしたらスタッフさんもたまたま同じことを考えていて、「ハレノヒの足跡」を作ることになりました。今はまだコロナの影響で難しいですけど、イメージとしてはライブの最後にお客さんと一緒に歌う、大円団の風景が浮かんでいます。早くそういう日が来たらいいですね。
──こういう曲があったらいいな、みたいなことはプロデューサーとして常に考えているんですか?
佐々木 そうですね。自分のソロについても「こんな曲を歌いたいな」と考えながらほかのアーティストさんの曲を聴いていますし、結果的に「ハレノヒの足跡」は浪江女子発組合の活動にぴったりな曲になったと思います。
愛来 この間、AMEFURASSHIの活動で、私の生誕イベントの曲を自分で考えたんですよ。そのときにセットリストを決めるのがすごく難しくて。あーりんは衣装やライブのコンセプトも考えているし、ホントに尊敬しています。
高井 PPP様はお客さんとメンバー、どちらの目線の意見も取り入れてくださるんです。ホントにすごいと思います。
佐々木 PPP様(笑)。もっと褒めていいよ!(笑)
市川 ありすぎて全部話してたら5時間くらいかかっちゃうんですけど(笑)、まず浪江女子発組合は普通のアイドルじゃない分、考えることが多いと思うんですよ。言葉って難しくて、接続詞が1つ変わるだけでも意味が変わっちゃうじゃないですか。自分が思っていることが違う意味で捉えられてしまうこともあるし、それをイチから考えて人に伝えるのは自分には絶対にできないことだなと思います。将来、自分に部下ができたときは、あーりんみたいな存在でありたいです。
佐々木 部下(笑)。パフォーマンスとか、歌やダンスに関しては私よりみんなのほうができることがたくさんあるので、PPPとして先輩らしさや14年間培ってきたものをみんなに感じとってもらえたらなって。逆にそれくらいしか伝えられることがないんですよ。ライブに自分の意見が取り入れられて、それがうまくいったときはすごくやりがいを感じるので、そういう姿勢を自分のグループに持ち帰って生かしてほしいですね。長くアイドルをやっているみんなが「こっちのほうがいいんじゃないかな」と思ったことってそうそう間違ってないと思うから、大人の人と話し合いつつ、どんどん自分の意見を言っていいと思うんです。そうすると活動がもっと楽しくなるはずだから。
──佐々木さんはももクロでは一応、最年少メンバーなわけですが、浪江女子発組合ではPPPとしてしっかり自分の背中を後輩に見せているんですね。
佐々木 ももクロではそんなに最年少だと思って活動していないし、メンバーのことをお姉ちゃんとも思ってないんですけど(笑)、小学生の頃からリーダーとか委員長とかをやるのが好きなタイプだったので、浪江女子発組合の活動は楽しいですね。でも、学校の委員会はみんな同い年だけど、この中では私がかなり年上なので、これでめっちゃリーダー感出してたらすごい怖いじゃないですか(笑)。逆らえない感じがあって。
市川 部活の先輩みたいに(笑)。
佐々木 だから、リーダー面しすぎないようにしようと思っています(笑)。
皆さんが浪江町に行く理由の1つになりたい
──浪江女子発組合が目標とするところはどこなんでしょうか? アイドルの多くは知名度を高めて大きな会場のステージに立つことを目標としていますが、このグループはコンセプトや成り立ちからしてきっと目指すところが違いますよね。
佐々木 浪江町の皆さんに喜んでもらえる活動をしていくことが第一ですね。今はコロナの影響で中止や延期になっちゃうことも多いんですけど、町のお祭りなど、浪江町の皆さんと交流できる機会がもっと増えたらいいなと思っています。たくさん浪江町でライブをして、さらに活気づいていく浪江町を見届けていきたいです。それと同時に、私たちのアイドルグループとしてのスキル、パフォーマンス力を上げていきたいとも思っています。ライブに来たいと思ってもらえる魅力を身に付けて、皆さんが浪江町に行く理由の1つになれるよう、関東での活動もがんばっていきたいです。そして、ゆくゆくは日本武道館くらい大きなステージでライブができるようになりたいです。浪江町の皆さんがびっくりするくらいのお客さんを集めて。
──最後に、そんな浪江町の魅力を紹介してもらえますか?
市川 浪江町の駅からいつも私たちがライブをやっているサンシャインなみえまで歩いて向かったことがあるんですけど、そのときに思ったのは、優しく声をかけてくださる方が多いこと。東京はみんな自分の目的地に集中して歩いているけど、浪江町では「今何してるの?」「そういう活動してるんだ、がんばってね」ってたくさんの方が声をかけてくださるので、すごく温かさを感じます。
高井 私たちが浪江町でライブをすると、小さい子も含めいろんな年代の方が来てくださるんです。浪江町も子供から大人まで楽しめる町で、私たちが楽曲のテーマにしているたくさんの行事があったり、最近“ふくしま応援ポケモン”のラッキーをモチーフにした「ラッキー公園 in なみえまち」が開園したり。浪江町の方はいつもホントに温かく迎えてくださるので、すごく大好きな町です。
──播磨さんはこの間初めて浪江町を訪れたとのことですが、どんな感想を抱きましたか?
播磨 街や駅が生きてるというか、そう感じるくらい人がたくさんいて、おいしい食べ物もあって。街全体で「がんばるぞ」という気持ちを常日頃から持って生活してるんだな、ということを肌で感じました。街全体で団結しているのを感じられるし、“ふるさと感”みたいなものがあるんです。人とのつながりを大事にしている町で、人の温かさってホントにいいなと実感しました。
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PPP・佐々木彩夏が語る浪江女子発組合メンバーの魅力