「Dream of Life」のような曲を残すことが今の証
──作詞をする上で心がけていることや、自分の中で決めているルールがあれば教えていただけますか。
ありがちですけど、なるべく等身大に、素直な気持ちで書くことですね。それから、アーティストには文学的な詞表現を得意とする人と、直球勝負で真っ直ぐ刺さるような詞のほうが説得力が生まれる人とがいると思うんですけど、自分の場合はストレートに物事を言うほうが伝わるタイプだと思うので、そこは意識してます。今回のシングルに収録した3曲については、"今の自分だから見えるもの"を特に意識して書きました。例えば2曲目の「My Friend」は元々福岡時代に作った曲だったんですけど、上京してから考え直したところ、故郷から離れて初めてわかったこともあったので、発表するにあたって歌詞を少し変えました。
──メジャーシーンということを意識して、なるべく多くの人に聴かれるようにわかりやすさを考慮することもありますか？
はい。この「Dream of Life」も「バクマン。」のオープニング曲として使っていただくということで、等身大でありつつも、視聴者の方や同世代にもメッセージが伝わるように意識しました。「10年後の未来」っていう言葉ひとつでも10代の人、20代の人、30代の人ではイメージするものが違うだろうし、10代の人はより大きなイメージを抱いてくれるだろうなと思って使ってみました。
──ただ、22歳の青年としてくさいくらいまっすぐな思いや情熱を歌うことに、どこかで照れとか恥ずかしさを感じることはないですか？
実はあります（笑）。「Dream of Life」はめちゃくちゃカッコいいことを言ってますけど、自分はそんなに強い人間ではないですし。でもこういう前向きな曲を残すことが今の証というか、これからの力になると思うんです。こういうものを作った過去の自分が後押ししてくれて、自分が一番励まされるんじゃないかなと思います。それに、プロデューサーや先輩の方からは「歌詞には恥ずかしいことを書いたほうがいい」ってよく言われるんですよ。
──口で言うのとは違いますもんね。
そうそう。朗読するとなると恥ずかしいけど、音に乗ればスルッと歌えちゃうのが音楽のパワーだったりしますよね。
ジョージ・ベンソンの家に遊びに行きたい
──今後、実現させたい夢や目標はどんなことですか？
クラプトンが立った武道館のステージは僕も立ちたいですね。なんか憧れのアーティストや夢について思い描くと、とんでもないことを想像してしまってニヤニヤしちゃうんですよね……（笑）。たまらないですね。
──あははは（笑）。とんでもないことって？
結構変な夢もあって、例えばジョージ・ベンソンの家に遊びに行きたい、とか（笑）。そのために今がんばってるようなところもあるんです。
──本当に家に行けたらどうします？
いろいろ話したいです！（笑） 訊いてみたいことがたくさんあるんで。
──「Dream of Life」の歌詞みたいに10年後には叶うかもしれないですよ。
最近伊藤祥平見かけないなと思ったら、ちょっとジョージの家に行ってるかもしれないですね（笑）。
CD収録曲
- Dream of Life
- My Friend
- Music on my mind （one take ver.）
伊藤祥平（いとうしょうへい）
1989年7月31日生まれ。福岡県久留米市出身のシンガーソングライター。10歳の頃、知人の影響でギターを弾き始める。エリック・クラプトンをこよなく愛し、クラプトンのルーツを探求していくうちR＆B、ソウル、ジャズや黒人ブルースに魅せられ、ギターテクニックを独学で学んでいく。その後作詞・作曲を始め、14歳の頃より地元久留米を中心にライブ活動を開始。2009年からは活動の場を福岡市内や北九州などに広げ、翌年春に上京して東京での活動をスタートさせる。 2011年12月、アニメ「バクマン。」のオープニング曲に起用されたシングル「Dream of Life」でメジャーデビューを果たす。
