「一瞬しかない」で検索すると

──初期メンバーの喫茶さん、仆破さんからすると、結成から3年間、メンバーの変遷を経てグループがどのように変化してきたと思いますか？

喫茶　初期の頃と比べるとすごく変わりました。私はグループに最初からいて、お休みしてた期間もあるんですけど、どのメンバーも好きだし、そのときそのときの一瞬しかないの色が好きなんです。でも、今のメンバーが私的には一番落ち着くというか大好きです。

銀海　告白された！

仆破　どうしよう。

晴後　キュンキュン。

喫茶　昔は普段の会話が少なくて、ステージのMCで初めてメンバーの本音を知るようなこともあったんです。でも最近は普段もよく話すので、ステージ上からお客さんに、より私たちのことを知ってもらえるようになってきたなって思います。

仆破　私もグループとしてどんどんいい方向に行ってると思います。正直、以前はライブに行ってメンバーと顔を合わすのが少し憂鬱だったときもあったんですよ。学校に行きたくないな、みたいな感じで。今はフリースクールじゃないですけど、みんなやりたくて集まってる感じがするんです。私は普段あまり人と話す機会がないので、みんなと会って話すのが楽しいなって。

──居心地がいいんですね。

仆破　はい。

銀海　私もフリルさんとほとんど同じことを感じてます。私、学生の頃に青春っぽいことをしてこなかったので、今この歳になってほんとに青春真っ只中なんです！ みんなと高校生みたいにワイワイ話をしてる感じがとても好きですね。私の中ではメンバーは家族みたいな存在です。なんでも話しちゃいます。プライベートなことも話したいなって思える人たちです。

一同　うれしい。

晴後　やだ～照れちゃう（笑）。

──ちなみに「一瞬しかない」というグループ名については皆さんどう思われているんでしょう。普通に使う言葉ですし、カタカナや英語表記のグループ名がよかったとか思ったりしますか？

晴後　私は「一瞬しかない」って名前に一番ときめいたし、今もときめきます。みんながよく使う言葉だし、そこにいろんな感情を入れられると思うんです。それこそ四次元ポケットじゃないけど（笑）、なんでも入ってるし出てくるし、いいグループ名だと思ってます。

喫茶　「一瞬しかない」をネットで調べると、私たちとは関係なく、感情が動いたときの表現で使われていたり、写真に添えて投稿したりしている方もいるんです。すごくキラキラした言葉だし、キュンとする感じが私も好きです。

──グループのことを検索して、自分たちとは関係ないことが出てきてもそれはそれでいいみたいな？

喫茶　ホントにそうです。素敵なお話が知れてうれしいです。

仆破　検索すると、自己啓発みたいなのも出てきます（笑）。

晴後　ポエムも多いですね。それだけ使う言葉なんだなって思います。

──どんどんやらかい感じが出てきてますよ。

銀海　よかったー。

仆破　あと“やわらかい”じゃなくて“やらかい”っていうのがポイントですよね。

晴後　でも私“やわらかい”だと思ったままオーディションを受けて、加入してから知りました（笑）。

結成3年、ついに「一瞬しかないの『ファーストアルバム』！」完成

──そんな一瞬しかないの1stアルバム、その名も「一瞬しかないの『ファーストアルバム』！」がついに完成しました。どんな作品になりましたか？

晴後　今までの曲がほとんど入っていて、グループの歴史を感じます。私は途中加入のメンバーですけど、昔から今までいろんな色があって、それがどんどん混じっていく様子が曲にも曲順にも反映されてるなって。

喫茶　やっとアルバムができた！という気持ちですね。何曲かサブスクで配信させていただいてたんですが、まだいい曲がいっぱいあるし、早く世に放ちたいと思っていたんです。ファンの皆さんも同じことを思ってくださっていたので、私たちのアルバムだけど、みんなも自慢してほしいなって。きっと皆さんにも誇りに思ってもらえる、自信を持っていろんな方にオススメできるアルバムだなって思います。

──メンバーの皆さんの世代だと、アルバムというものにあまり思い入れがない人もいるかと思うのですが、アルバムを出すことへの憧れはあったんですか？

晴後　私はあります。いろんなアーティストさんのアルバムを聴いてきたけど、アルバムの曲順で聴くと、曲単体で聴くのとはまた違った楽しみ方ができるのが好きなんです。アーティストさんが伝えたいことがより伝わる感じがするんですよ。私は昔からKARAさんが好きで、アルバムが出たときの喜びはすごかったです。お客さんにもそれに近いものを感じてもらいたい。何よりアルバムをリリースすることは憧れだったのですごくうれしいです。

仆破　私は逆に、曲を作品として残したいって思いがあまりないんです。私はライブが好きで、その一瞬一瞬を一緒に体験してくれることで、人の記憶に強く残るのかなって思うから。でも、音って誰も逃れられないというか、曲をかければ勝手に耳から入ってきてしまうっていう、ちょっと暴力的なものでもあるなと思うんです。そういう意味では、作品にすることでたくさんの人が耳にして、ライブに足を運んでもらえるきっかけになるのであればすごくうれしいです。

喫茶　私は初めて親に買ってもらったCDが、SCANDALさんのアルバムだったんです。小さい頃はお小遣いも少ないからシングルをたくさん買うことはできなくて。だからアルバムは絶対欲しい！って気持ちがあったんです。なので、私もアルバムに憧れがありました。もし一瞬しかないに対して私と同じような気持ちの人がいたら、ぜひゲットしてほしいです。

銀海　私は小さい頃貧乏でCDを買ってもらえず、自分で買えるくらいの年齢になったらすでにサブスクで聴ける時代になっちゃってたんです。だからアルバムの大切な思い出ってものがなくて。でも、これから自分たちのアルバムでそうした思い出を作っていきたい気持ちがあります。

──なるほど。では、アルバムの中からそれぞれお気に入り曲を挙げてもらえますか。

仆破　私が好きなのは新曲の「わたしのプリズム」です。ライブで歌うたびに「こんなにいい曲が自分たちの曲だなんてあり得ない」って気持ちになるんです。そんな大好きな曲に自分だけの歌割りがあることがすごくうれしいですね。今までの私たちになかったアイドルっぽい曲で、振り付けも自分たちで相談しながら決めた、すごく思い入れが強い曲です。

晴後　私は1曲目の「ここからはじまる物語【あかるい未来！編】」です。もともと前のメンバーで録られていたんですが、今回新しく録り直したんです。すごく明るくなったし、みんなで歌うところも増えました。かつ、アルバムの始まりにふさわしい曲ですね。これをライブで歌うと「よし始めるぞ！」って気持ちをリセットして前を向けるんです。それが皆さんに届いてほしいなとすごく思います。

銀海　私は「きっと君を好きになる」です。曲ももちろんですが、振りが大好きなんです。サビにお客さんを1人ずつ見る振りがあるんですけど、本当にその人を好きになっちゃうような感じがします。この歌を歌うと、自分がヒロインになれるような気持ちになるんですよね。メンバーそれぞれのパートで違ったヒロイン感を出せる曲になっています。

喫茶　私は「雪と宇宙（アルバム・ヴァージョン）」が好きです。一瞬しかないのレパートリーの中でこの曲だけちょっと雰囲気が違っていて、ライブでやるといいアクセントになるんです。景色や思い出が想像できる歌詞で、聴く人によってそれぞれ違った場面を思い浮かべられると思います。私は雪国には行ったことがないけど、歌うときは雪や自然に溶け込んでいくところを想像してます。歌っていてその感覚が気持ちいいんです。ただただ好きな曲ですし、何度も聴いてます。

晴後　うわー、みんなの話を聞いてると、全曲同じ熱量で語れるぐらいすごく素敵なアルバムだなって改めて思っちゃいました。

一同　うんうん。

一瞬しかないの“敵”は？

──皆さん充実のアルバムを作れた実感があると。では、一瞬しかないのこれからの目標ややりたいことを聞かせてください。

仆破　まず、アルバム発売に合わせたリリースイベントはライブハウスとはまた違って、たくさんの方に知っていただけるいい機会ですよね。今年になって私たちは初めて遠征に行ったりフェスに出させていただいたり、どんどん新しいことに挑戦させてもらってるんです。これからも、ファンの方に成長を見てもらいつつ、新しい出会いを作っていきたいです。

晴後　私は、アルバムやグループそのものが、誰かの何かのきっかけになればと思っているんです。踏み出すきっかけでも止まるきっかけでも、ポジティブでも前向きじゃなくても、その人の何かの選択につながるようなことを私たちができたらいいなと思ってます。あと、応援してくださってる方のためにも私たちはもっと大きくならなきゃと思っているし、私たちも大きくなりたいと思ってます。これからどんどん新しいことや大きなことを、この4人でやっていきたいって強く思っています。

喫茶　一瞬しかないの音楽が、聴いた人に寄り添えるものになってほしいと思っています。1人で寂しくなったときに、私たちの音楽を聴いて少しでも元気になってほしい。単純な話ですけど、私はただただそれに尽きます。あと、アルバムになると歌詞カードが付くじゃないですか。とても素敵なので、ぜひ歌詞を眺めてほしいです。

銀海　私はコロナ禍もあってひさしく聞けなかった「ソールドアウト」って言葉をぜひ聞きたいです。あと最近、解散とか卒業の話をアイドルシーンでもよく耳にしますが、逆に私たちはいい情報をお届けし続けたいです。喫茶さんが休養から復帰されて4人になったとき、はじめましての方がけっこう来てくださったんです。アクションを起こすことは大事だなってすごく思いました。自分たちも新しいものをどんどん身に付けて、もっと大きくなれるように活動していきたいです。

──最後に、皆さんにとっての“敵”はなんですか？ 嫌なもの、苦手なもの、この人たちには負けたくないというものを聞かせてほしいです。

晴後　私の苦手なもの……幼虫は食べられないです。虫は昔はめっちゃ食べたんですけど。

一同　え？（笑）

晴後　学校で、理科クラブの先生に虫をおやつのように出してもらってたんです。唯一無理だったのが幼虫でした（笑）。

銀海　無理なもの多いでしょ？

晴後　絶叫系はがんばればできるかな。

銀海　じゃあバンジーは？

晴後　程度にもよりますけど、飛べる気がします。まずは、マザー牧場のバンジーくらいから始めたいです（笑）。

仆破　あ、3人はユニットバスがダメじゃない？ 前に「一瞬ハウスというのを作ってみんなで共同生活をしよう」って話が挙がったことあって。私は家賃を抑えたかったのでユニットバス推奨派だったんですけど、3人はお風呂とトイレは別がいいって言ったんです。そうなると家賃が上がるので、私は早々に離脱しました（笑）。

喫茶　私は我慢するのが嫌です。お酒をいっぱい飲まされるとか。

仆破　ちょっと、私たちが飲ませてるみたいじゃない（笑）。

銀海　飲ませてないですよ（笑）。

晴後　もしそうだとしても、私が守ります！（笑）

銀海　あ、私、水着ダメだ。

晴後　わがままボディなのに？

銀海　見せられない体になってしまいました、お酒で（笑）。でも、逆にえちえちな感じなんで。あ、これ使ってください（笑）。

晴後　え、水着になりたいの？（笑） あと、負けたくないって意味では、ホントにたくさんのアイドルさんがいる中で埋もれたくないなって思います。一瞬しかないってカテゴリーが生まれてくれるぐらいになりたいです。

銀海　ヤバい、にゃーの話が薄まった。

仆破　水着のこと？（笑）

銀海　そう、いいこと言うから（笑）。