WOWOWのオリジナル音楽レギュラー番組「INVITATION」第9回では、倖田來未がブレイクのきっかけとなったナンバーや最新シングルの楽曲などを披露する。また番組では、2006年にリリースされた石井竜也とのデュエット曲「KAMEN feat. 石井竜也」の初パフォーマンスも。音楽ナタリーでは収録の模様を、倖田や番組ナビゲーター古舘伊知郎のコメントとともに紹介する。
取材・文 / 平山雄一撮影 / 渡邊玲奈(田中聖太郎写真事務所)
今回の「INVITATION」は、倖田來未のヒストリーにフォーカスしたセットリストになっている。ダンスミュージックシーンの新星ポップアイコンとして登場した倖田が、アーティストとしてキャリアを確立していく過程には、エポックメイキングとなる楽曲がいくつもあった。それらを今パフォーマンスしてもらうことで、彼女の過去と現在が音楽や映像として立ち現われる。ある意味「INVITATION」の王道の内容でありながら、倖田の内面にも踏み込むという非常に興味深い収録となった。
パフォーマンスは2セット。ダンサーとのセッションと、バンドでのパフォーマンスだ。まずはダンスセットからレポートする。「キューティーハニー」で倖田は、女性ダンサー4人と一緒にスタジオに入った。
倖田 「キューティーハニー」は自分の分岐点というか、“ポップアイコンの倖田來未”を知っていただけた楽曲です。でも最近は歌ってなかったんですよ。もう39歳なんで「お尻の小さな 女の子」って……女の子じゃなくない?(笑) 最近はお尻の小さなアデージョ(艶女)になってきているので、歌詞とのギャップがあるからどうしようかなと思ったんです。でも古舘さんに私のルーツを探るような形でインタビューしていただけるということだったので、キーポイントとなる曲でもあるし歌ってみようと思いました。
気心の知れたダンサーたちのセンターで倖田は自信に満ちた様子で振る舞い、あっという間にOKが出た。
「キューティーハニー」とは対照的に、アーティスト性がグッと前面に出たダンスチューンが「WHO」だ。エッジの効いたビートに乗せて、倖田が攻撃的なリリックを繰り出す。男性ダンサーが3人加わって、ダンスも一層熱を帯びる。
倖田 「WHO」には、歌だからこそ伝えられるメッセージがあると思うんです。この歌詞を言葉だけで伝えちゃうと、きつかったりいじわるに聞こえたりしてしまうかもしれないけど、歌にすると伝わりやすいかなと思って歌詞を書きました。私、素のときは本当にマイナス思考なんですよ。自分が美しくいるためには、内面を磨かないといけない。じゃあどうしたらいいかと思ったときに、自分を否定せずに肯定してあげなあかんというところに行き着いたんです。そのためにも自分を肯定する曲を作ってみたいなと思って。「周りのことを気にしてるのは誰や。そんなことしていてもしょうもない人生やで」というのを世の中に伝えたかった。
倖田のビビッドなアクションが歌にパワーを与えて、目の覚めるようなテイクになった。
2005年に発表された「you」は倖田が初めてオリコン週間シングルランキングで1位を獲得したラブバラードで、今回はバンドセットで収録された。
倖田 あの頃は「エロかっこいい」と言われて、ファッションアイコンとして見られることが多かったけど、本当は歌を聴いてもらいたかった。でもバラードを出したいと言っても、エイベックスに「うちはダンスミュージックの会社だから!」と言われて、全然出させてくれなくて(笑)。なので、ようやく「you」で結果を出せたときには、「倖田來未の見た目だけではなくて、歌を聴いてくれてるんだ。やっと歌を認めてもらえたんだ」という喜びがありました。いまだにカラオケで歌ってもらっているという話を聞くと、よかったなと思います。自分の中で節目になった曲でもあるので、今回歌わせていただきました。
そして倖田がカバー曲に選んだのは、なんと美空ひばりの「歌は我が命」だった。エンタテイナーとして生きていくことの葛藤を赤裸々に描いたこの楽曲は、美空の隠れた名曲とされている。バックを務めるのはツアーをともにしているバンドで、倖田の歌をときに繊細に、ときにダイナミックにサポートする。倖田は大先輩をリスペクトしつつ、自らの経験を重ねて歌っているように感じられた。
倖田 何をカバーさせていただこうかといろいろ考えたんですけど、やっぱり自分のルーツには歌謡曲が流れていて。好きな歌謡曲は山口百恵さんの楽曲などを筆頭にいっぱいあるんですけど、歌詞とキーとすべてが倖田來未にマッチするのは「歌は我が命」だなと思って。もちろん美空ひばりさんは神のような存在なので、自分と重ね合わせるのもおこがましいんですが、傷付くことを言われた時代も自分が歌い続けてきたことを思い出させてくれる曲なんですよね。「ぜひ今の世代の子たちにも聴いてもらいたい」と思って、この曲をカバーすることにしました。
昨年末に配信リリースされたシングル曲「100のコドク達へ」の収録を前に、現場にはにわかに緊張が走った。小澤正彦ディレクターが、歌詞を表示したタブレットに熱心にメモをしている。話を聞いてみると、倖田はこの歌を泣かずには歌えないので、リハーサルなしの一発撮りになるのだという。小澤は歌詞を見ながら「倖田さんが泣きそうな箇所を予想して、カメラに指示を出すんですよ」とチェックに余念がない。果たして小澤は“倖田の涙”をキャッチすることができたのか。オンエアで確かめてみてほしい。
倖田 「100のコドク達へ」は、泣かずに歌えない。レコーディングのときもそうだったんですけど、傷口を粗塩でぐわーっとされるような感覚で(笑)。私、これまで本当にいろんなことを言われてきたんですよ。「笑い声が嫌い」とか「こんなに周りのみんなを苦しめてまで、倖田來未をやる必要があるのか」とか。失敗するたびにいろんな人に迷惑をかけるし、「なぜ私の居場所がないんだ」と思っていた時期もあって。「100のコドク達へ」にはそういう思いが歌詞に全部書いてあったから、今回歌いたいと思ったんです。それだけに歌の主人公の気持ちに本当に寄り添えてるかなという不安もあって。レコーディングでは何回もやり直して、納得いくテイクがやっと録れたんですけど、今日はどうかな。いつになったら泣かずに歌えるようになるんだろう(笑)。
倖田がコラボ相手に選んだのは、米米CLUBの石井竜也。2006年に12週連続シングルリリースの第10弾として発表された2人のコラボ曲「KAMEN feat. 石井竜也」は当時話題を呼んだものの、これまでパフォーマンスされたことがなかった。それは倖田と石井のデュエットがあまりに絶妙すぎて、2人がそろわないと歌えないとされてきたからだ。歌が複雑に絡み合っているので、タイミングを取るのがかなり難しい。だが倖田と石井はそれを軽々とクリアして、互いに寄り添いながら、素晴らしい初パフォーマンスを披露した。
倖田 80~90年代の売れてるアーティストさんって、皆さん歌がうまくて尊敬していました。その時代の方とコラボがしてみたくて。私自身、デュエットするのが初めてで、誰とやりたいかと聞かれたときに、「石井竜也さんがいいな」と夢物語でお話ししたら、二つ返事でお受けいただけて。でもリリース後は、一度も歌ったことがなかったんです。1人で歌うにはもったいないし、石井さん以外に誰があの色気を出せるのかというのもありますし。いつかどちらかのコンサートでやれるのかな、くらいの気持ちだったんですけど、気付いたらこんなに月日が流れてまして。今回やっと念願が叶いましたね。でも歌ってみたら、とんでもない歌詞でびっくりしました(笑)。「こんなディープな曲やったっけ?」みたいな。ただ、職場で年上の人を好きになっちゃう気持ちは、今の自分やったら痛いほどわかります。この曲は、倖田來未と石井竜也というボーカリスト同士の、いい意味でのアーティストイメージのマリアージュです。デュエットさせていただいて本当によかったなと思いましたね。
山場ともいえる「KAMEN feat. 石井竜也」の収録を終えた倖田に、今回の「INVITATION」からのオファーについて聞いてみると、「いやもう本当に光栄で! 周りのアーティストがみんなこぞって出たいと言ってて。『ええ番組やなあ。古舘さんに話聞いてもらえるのいいなあ』と思ってたらオファーをいただいたんで、私が引き寄せたんだと思います」と語った。
もう1つの山場は「OMG」だった。この痛快なダンスナンバーで倖田はエアリアルティシューをやりたいと申し出た。
倖田 倖田來未のコロナ禍前のライブでは、お客さんをステージに上げるのとエアリアルが醍醐味だったので、エアリアルをテレビでやってみたかったんです。でもテレビ局の人にお願いしても、準備が大変で難しいと言われることが多くて。そんな中でWOWOWさんは「面白いことをやりましょう」と言ってくれたので、やっと実現しました。
スタジオの天井に倖田をリフトアップするセットが組まれる。空中の倖田を狙うために、カメラの台も特設された。大がかりな撮影となったが、ショーアップされたシーンだけに、スタッフ全員、大張り切りで臨む。
倖田 倖田のライブは目で楽しめる部分もポイントだったりするので、エアリアルはやりたいなって。ただ、この年齢で3年ぶりのエアリアルだったから、正直私もビビってました。やるって決めたけど「できんの?」みたいな(笑)。ぐるぐる回るんで、酔い止めの薬を飲んで臨みました。
倖田のヒストリーを踏まえたライブをすべて終えたあと、古舘とのトークセッションが始まった。目が回るほどのパフォーマンスのあとなのに、倖田はエネルギッシュなおしゃべりを繰り広げる。
倖田 古舘さんは、すごく上手に私を引き出してくれるから勉強になる。あのままずっとしゃべっていたかった。1個1個の話が短く感じて「もう終わりですか?」と思いました。倖田來未のことを内面まで知ろうとしてくれてる気持ちが本当にうれしくて、トークのノーカット版が欲しいです。本当に何度でも出たい番組でした。
トークもライブパフォーマンスも、いつにも増しててんこ盛りな「INVITATION/倖田來未」をお楽しみに!
収録を終えて
古舘伊知郎
倖田さんは本当にすごい人だなと思っていたので、今日は正直にそれを言おうと決めてました。人によっては「よいしょが激しい」「媚びてる」と思われるかもしれないけど、本当にそう思ってるんだから言ってしまえ、と。倖田さんがそれを喜んでくださってる感じがあったのが、すごくうれしかったですね。
倖田さんは「私には歌うことしかないんです」と自分に言い聞かせていた。そういうコメントは、人によってはどこか後追いで作られた物語だなと思ったりすることもあるんですけど、彼女の場合、そうではない。自分のやりたいことをやれていて幸せだけど、仕事となると苦労も努力も必要不可欠だし、労働というのは人のためにあるわけだから、自分の楽しみだけじゃない。今の若い人は好きな仕事を見つけたかったり、自分に向いてるかどうかで仕事を決めたいと思っている人が多いと思うけど、個性を磨くことに躍起になりすぎて、逆に苦しんでる気がするんですよ。そういう人は苦しいときに「自分はこの仕事が好きなんだ」という後追いの物語を作りたがる。でも倖田さんは40歳を前にして、「私には歌うことしかないんです」とプロ魂に徹しているのがすごい。とにかくこの道を生きていくしかないんだって。それを聞いて、なんか神社に詣でたあとみたいな、すっきりした気持ちになりました。ああ、僕は今日、「倖田神社」に参拝したんだなって(笑)。僕は倖田さんに、突き詰め方を教わりましたよ。彼女はプロです。あの年代の人からプロ意識を改めて教わるのは気持ちのいいことですね。自分より年長者に聞くのも素晴らしいけど、年下の39歳の方から、67歳がプロ意識を教えてもらうのは、なかなか素敵なことで。僕もがんばり直そう、心の片付けをしようかなって(笑)。
茨木のり子さんの詩じゃないけど、「駄目なことの一切を時代のせいにはするな」ってことですよ。自分の内にちょっとでも光る尊厳を見出したならば、己の感受性ぐらい自分で守らないでどうする、と自分に言い聞かせている。その気持ちを支えているのは「歌うことしかないんだ」という一本気な絞り込み方だと思う。それをがんばるエネルギー源にしているんだから、大したもんですよ。
ざっくばらんなトークもよかったです。アーティストの皆さんは、もうちょっと言葉を飾りますよね。普通は言葉にメイクをしますよね。彼女はトークのとき、すっぴんなのがすごい。倖田來未になるためにメイクに2時間かけると言っていたけど、トークはすっぴんというバランスがすごくいいですよね。
番組情報
- WOWOW「INVITATION/倖田來未」
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WOWOWプライム / WOWOWオンデマンド
2022年5月28日(土)21:00~※放送同時配信および放送終了後~1カ月間アーカイブ配信あり。
※スマホやタブレット・PCでも見られるWOWOWオンデマンドにて無料トライアル実施中。 -
<出演者>
倖田來未
番組ナビゲーター:古舘伊知郎
ゲスト:石井竜也※古舘伊知郎の舘は舎に官が正式表記。
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4カ月連続 倖田來未特集
※「INVITATION/倖田來未」ほか、下記番組を放送・配信
倖田來未 KODA KUMI 20th ANNIVERSARY TOUR 2020 MY NAME IS...
WOWOWライブ / WOWOWオンデマンド(放送終了後~2週間アーカイブ配信あり)
2022年6月21日(火)20:00~倖田來未 Music Video Collection
2022年7月放送・配信予定billboard classics KODA KUMI Premium Symphonic Concert 2022
2022年8月放送・配信予定 -
※「倖田來未 KODA KUMI 20th ANNIVERSARY TOUR 2020 MY NAME IS...」「倖田來未 Music Video Collection」「billboard classics KODA KUMI Premium Symphonic Concert 2022」はWOWOWオンデマンドの無料トライアル対象外です。
公演情報
- 倖田來未「billboard classics KODA KUMI Premium Symphonic Concert 2022」
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- 2022年5月19日(木)東京都 Bunkamuraオーチャードホール
- 2022年5月20日(金)東京都 Bunkamuraオーチャードホール
- 2022年6月27日(月)大阪府 Bunkamuraフェスティバルホール
- 2022年6月28日(火)大阪府 Bunkamuraフェスティバルホール
- 石井竜也「TATUYA ISHII CONCERT TOUR 2022『ISHYST』」
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- 2022年5月29日(日)愛知県 Zepp Nagoya
- 2022年6月19日(日)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
- 2022年6月26日(日)大阪府 Zepp Namba(OSAKA)
- 倖田來未(コウダクミ)
- 1982年、京都府出身のアーティスト。18歳のときに米国でシングル「TAKE BACK」をリリースし、本格的なR&Bサウンドとズバ抜けた歌唱力で注目を浴びる。国内では2004年にリリースした「キューティーハニー」のカバーがヒットを記録。その認知度を一気に拡大させ、トップアーティストの仲間入りを果たす。その後もシングル12週連続リリースの敢行や、ベストアルバムのダブルミリオンセールス達成など多くの話題を集める。2021年12月にオールタイムベスト「BEST ~2000-2020~」を発表し、翌2022年3月には18枚目のオリジナルアルバム「heart」をリリースした。
石井竜也
「KAMEN feat. 石井竜也」を、たぶん倖田さんはレコーディング以外では歌ってないと思うんですよね。コンサートでも歌っていない。発売してから16年以上経って、やっと2人で歌うことができてよかったです。曲を作ってほしいというオファーを受けたとき、倖田來未という人の持つ魅力をどういうふうに引き出したらいいのかプロデューサーの方と話し合いました。当時の倖田さんがどういうふうに見られていたかというと、たぶん“男の願望を体現する女性”だと。そういう人ってモテるだろうから、同年代や年下の男では恋愛相手にならない。かなり年上で口のうまい男じゃないとうまくいかない、だませないんじゃないのって話になったわけです。だますって言い方はアレですけど(笑)。だとすると彼女を大人のように扱ってあげないとダメ。ただし、嘘をついてはいけない。じゃあ、違う言葉がないかなと思って「仮面」という言葉を出したんですよ。最初は漢字で「仮面」と書いていたんですけど、あんまり色っぽい感じがしない。「かめん」ってひらがなにしてみたら、「うどん屋みてえだな」と言われて(笑)。で、ローマ字表記の「KAMEN」に落ち着きました。そういう恋愛のシチュエーションだと、女の人の気持ちから歌詞を書き出せないんですよ。この女性は、自分がだまされているのをどこかで気付いている。転がされていることをなんとなくわかったうえで、恋愛して困ってるわけですよ。だから2人の会話のきっかけは、男性のほうから切り出すしかない。そういう背景もあって、デュエットにすることにしました。そうしたらプロデューサーが、「この歌はきっと忘年会かなんかで、会社の上司と新人の女の子が歌うんじゃないか」と言い出して(笑)。じゃあ、男性パートは誰に歌ってもらおうかとなったときに、プロデューサーが「あなたが歌うしかないでしょ」と言い出したから、「じゃあ、オレやるよ」って。それで來未ちゃんの曲なのに、歌い出しは俺なんです(笑)。
作ってるときにプロデューサーと話してたのは、「エロティックではあるけどチープじゃない。そこだけは絶対守ろうね。不倫がテーマの歌だけど、女の人が下品に見えてしまうような歌はやめようね」ということだった。だから女性の歌詞のほうはだまされ役になっている。「私、このままでいいのかしら」という後ろめたさを感じているような歌詞にできたらいいのかなって。
その頃の來未ちゃんは、「エロかっこいい」というイメージに縛られてた。オレも「浪漫飛行」や「君がいるだけで」ばかり歌わせられて「もうイヤだよ」という時代を過ごしたことがあって、來未ちゃんもそういう雰囲気が出ていたから、もう少し違うこともやりたいんじゃないかなと思って。あとはミュージカルとまでは言わないけど、セリフっぽいところを出したらすごくいいんじゃないかなとも思ってました。ちなみにこの曲はミュージックビデオも俺が作ったんです。映像プランや絵コンテを書いて、撮影して、編集作業に入ったときに自分のイメージする映像を探しまくるわけですよ。何回も観ているうちに、「この子、自分がどう見えているか、ビジュアルもしっかり考えてるんだ」と気付いて、ただの歌い手じゃねえなと思いましたね。それにびっくりしたのを覚えています。
今日歌ってみて、今の2人の年齢と「KAMEN」がちょうどピタッと合ってるなと思いましたね。お互い、実生活で結婚もしてるんだけど、違う時間軸で出会ってたら付き合ってたかも……みたいな。そんなイメージの曲に聞こえてきました。「大人の歌になったな」って。
來未ちゃんもコロナ禍で相当苦しみながらやってきたと思うんですよ。すぽーんってコンサートが抜けちゃったりして、どうしたらいいのかわからないような感じも、同じ職業としてなんとなくわかるところがあって。「KAMEN」を一緒に歌ったときに、俺よりも來未ちゃんのほうが、気持ちが解放されている気がしたんですよね。色っぽくて、女っぽい曲を歌いたかったんだろうなって。コロナ禍だとそういう曲を歌うのも難しいから。みんなを元気付けるような歌を期待されるばっかりで。本当の倖田來未は、他人の気持ちをすごく考える子だと思うんです。だから考えすぎちゃって、お客さんに対して「元気を出して」と言いたくなるんだろうな。だから今日は楽しかったですね。來未ちゃんが女性であることを楽しんでた。