ナタリー PowerPush - indigo7
謎のパフォーマーを擁する 個性派バンドついにデビュー
美しいメロディと、心に染み込むメッセージ、それを彩る鮮やかなサウンドを作り出すニューカマー、indigo7がシングル「on your way」でデビューした。
indigo7は昨年3月、キタダイユウジを中心に結成された5人組ロックバンド。UKロックの影響と日本人ならではの繊細な歌心が絶妙にマッチした楽曲を聴かせる彼らは、4人の演奏陣+パフォーマーのKENTというユニークな編成でのライブも魅力。ほかのバンドとはひと味違うエネルギッシュなスタイルで注目を集めている。インタビューでは、前向きな思いが伝わるさわやかなポップチューン「on your way」の話題を中心に、indigo7の魅力に迫った。
取材・文 / 土屋恵介
加入の理由はキタダイの作る音楽が好きだったから
──まずは、indigo7の結成のきっかけから聞かせてください。
キタダイユウジ(Vo, G) 元々、僕は個人で、ほかのアーティストに曲を書いたり、ファッションショーの音楽を手がけたりしてたんです。でも、自分の書いた歌詞を歌うバンドをやりたいっていうのがきっかけで、以前から知り合いだったメンバーに声をかけたのが始まりです。
──どんな音楽をやりたかったんですか?
キタダイ 僕自身はUKの音楽、エルビス・コステロやNEW ORDERがすごく好きだったんです。漠然とギターロックがやりたいっていうのはあったんですが、それぞれメンバーがいろんな音楽が好きなので、枠を変に決めず、個々のキャラクターを活かしたものをやっていこうと思ってましたね。
──メンバーはどのように集めたんですか?
キタダイ ドラムのタクちゃん(朝倉琢也)とはずっと一緒に仕事してたんで、まず声をかけて、次にスタジオミュージシャンとしてやってたギターの(宮路)ヤスアキを誘って。2人からすぐオッケーをもらったあと、ベースの庄司(大輔)と、パフォーマーのKENTを誘ったんですが、なかなか「うん」と言ってくれなくて(笑)。
朝倉琢也(Dr) 僕はいろいろセッション活動はやってたんですが、バンドを組んだことがなかったんです。彼の作る音楽を知っていたし、面白そうだなって思って加入しました。
宮路ヤスアキ(G) ちょうど前のバンドを辞めて、フリーで活動していた時期に誘ってもらってたんです。彼の作る音楽が好きだったんで、二つ返事でやるって答えましたね。
庄司大輔(B) 僕は前のバンドの活動が少なくなってはいたけど、まだ続いてる感じもあって、なかなかこっちに入る決断ができなくて渋ってたんです。でもキタダイが音を聴かせてくれたり、ほかのメンバーの話を聞いてくうちに、よしやってみるかって。
KENT(Vo, Per, Syn) 僕も、誘われて最初は断ったんです。でも4~5カ月くらい一緒にメシ食ったり飲んだりしながら誘われ続けて(笑)。でも最後は、キタダイの作る音楽、彼の人間性も好きだってことで入りました。
──パフォーマーのKENTさんをバンドに入れたいという思いはどこから?
キタダイ 正直、なぜ彼が必要か全くわからなかったんですけど(笑)、でも何か必要な気がしたんです。僕、いい勘を信じるタイプなんですよ(笑)。付き合いも10年くらいと長くて、普段からやることは無茶苦茶なんですけど、その端々の面白さとかに、インスピレーションを受けることもあったんですね。なので、彼はバンドに絶対必要なエッセンスだなって。
最初のスタジオ練習は壊滅的にひどかった(笑)
──では、メンバーが集まって最初にスタジオ入ったときの雰囲気は?
キタダイ それが、みんなキャリアもあるから大丈夫だろうと思ってたら、演奏も何も壊滅的にひどかったんです(笑)。
宮路 (笑)。各メンバーはキタダイとは知り合いだけど、それ以外は初対面だったんですよ。なので、全然噛み合わなくて。まずは、メンバー同士を知る、溝を埋めてくのがバンド活動のスタートでした。
キタダイ ひどすぎて、次にスタジオに入ろうと思えたのは半年後でしたからね(笑)。その間に、みんなでごはん食べて飲んでバーベキューして、仲良くなっていったんです。で、スタジオ入ったらガッチリ来ましたね。今思えば貴重な時間でした。
KENT 遊んでたようで、意味のある時間だったなと(笑)。
──スキルがあっても、人のつながりがなければバンドは成り立たない、というのが改めてわかったと。
キタダイ ほんとそうです。僕がバンドやる上で大事にしたかったのが、理解とディスカッションなんです。半年経ったら、すんなりいけましたね。面白いもんだなって、ホッとしました(笑)。このメンバーで音楽シーンに乗り込んでいけるぞと強く思えましたね。
indigo7(いんでぃごせぶん)
キタダイユウジ(Vo, G)、KENT(Vo, Per, Syn)、宮路ヤスアキ(G)、庄司大輔(B)、朝倉琢也(Dr)からなる5人組ロックバンド。バンド名の由来は、虹の7つ目の色がインディゴ(藍色)であることから。UKロックとJ-POPを融合させた独自のサウンドとキャッチーなメロディが特徴。2011年8月に1stシングル「on your way」をリリース。