音楽ナタリー Power Push - イナズマロック フェス 2015
T.M.Revolution
TAKUYA∞(UVERworld)
滋賀の“祭り”が魅せるもの
同じステージに立つ者同士として
──西川さんはイベント共演者から刺激を受けることってありますか?
西川 ありますね。特に今年はUVERが2日間も出てくれるし、もうどんなことやらかしてくれるんだろうって戦々恐々としてます。
TAKUYA∞ いやいやいや(笑)。でも、西川さんやほかのアーティストさんも観てるだろうし、いつもよりちょっとがんばりたいなっていう気持ちはありますね。あと自分たちの単独ライブでは、終わったあとで思いっきり反省してダメなところを次で直していこうみたいな会話ができますけど、フェスは一発勝負ですし、何より終わってからも自分たちが楽しみたいですから、もししょうもないライブをしたら楽しめる精神状態でいられない(笑)。
──ファンとしてはお互いを観るだけじゃなくてT.M.RevolutionとUVERworldの2大共演なんかも期待したいところですが。
西川 どうですかねえ。
TAKUYA∞ これからちょっと考えさせていただければって感じですね。それはともかく1日目は西川さんのリアル誕生日なんで、なんかスペシャルなことをしたいですよね。
西川 そう。ひさびさに19日にやるからね。なんかできたらいいな。
ラインナップの魅力
──今年のラインナップで特に観たいと思うアーティストはいますか?
TAKUYA∞ 観たことないアーティストばかりだからどれも観てみたいですよ。(出演アーティストの一覧を観ながら)……改めてホント「イナズマ」ならではのメンツですね、これ。
──西川さんはどういった基準でこのラインナップを?
西川 僕は「イナズマ」は小さなお子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで幅広く楽しんでもらいたいんですよね。もちろん「ロックフェス!」っていうスタイルのものも素晴らしいと思うんですけど、うちはうちのやり方というか。例えば初年度には明石家さんまさんに出ていただいたりとか、その次の年には郷ひろみさんが来てくださったりとか。毎年そういったノンジャンルな内容にしたくて。
TAKUYA∞ それがいいと思うんですよね。だから僕もみんなに「来てくれ」って言える。ジャンルとかカテゴリーが絞られてくると、人によっては来てもちょっとポカーンとしてしまうのかなって思うから。単に観てるだけで楽しいって方たちも出演するのが「イナズマ」だよって。僕は去年出なかったけど、実は観には行ってたんです。松崎しげるさんめちゃめちゃよかった。
西川 すごかったよな。もうホンマ、衣装も黒でな(笑)。
TAKUYA∞ はははは(笑)。なんで黒を着ちゃうんでしょうね。
西川 もう肌とシームレスというか、なんか見失ったりしたもん(笑)。
TAKUYA∞ でもそんな面白さというか楽しみ方も「イナズマ」はさせてくれるんですよね。
西川 「このジャンルの音楽を聴いてるなら行こう」とかじゃなくて、ひとつのお祭りとしてみんなで楽しもうって感じなんだよね。今回はロックフェス常連のアーティストも出てくれてるっていうのがうれしかった。
──キュウソネコカミやFear, and Loathing in Las Vegasも出演しますね。
西川 そう。ジャンル関係なく出てくれて、お客さんに喜んで迎えられる。もっといろんな方が「イナズマ」に出てくれたらうれしいなと思ってます。
「イナズマロック フェス」を作る要素
──「イナズマ」のジャンルレス感を成立させるものとしては、やはり主催者である西川さんの存在が不可欠なのかなって思います。UVERworldをはじめ、西川さんとのつながりによって出演に至る方もいらっしゃるわけですし。アーティストが主体となったイベントであることがカラーを作っているというか。ご自身としてはどう感じていますか?
西川 もちろん「イナズマ」はそういったつながりが強いところではあると思うんですけど、「初めまして」みたいな方ももちろんいらっしゃって。それに10-FEETがやってる「京都大作戦」をはじめ、アーティスト主体でがんばってる素晴らしいフェスがたくさんあると思うんですけど、僕はそれよりもっと町のお祭りみたいな形を目指していて。
──お祭り、ですか。
西川 はい。第一に滋賀の人が「自分のところにはこれがある」って言ってくれることが重要かなって。実際、過去に「僕は退いてもいいかな」ぐらいの気持ちでいたんです。その話をTAKUYA∞くんにしたら「もっとやったほうがいいですよ」って言ってもらえたので「もっとがんばろうかな」って思いました。
──そうだったんですね。
西川 この間、何かで知名度ランキングみたいなのを発表していて、滋賀県が47都道府県中ワースト1やったらしくて。
TAKUYA∞ あはは(笑)。でも確かに聞かれますからね。「滋賀ってどこ?」みたいな。
西川 あと「あれやろ、滋賀から高校野球で優勝した高校が一度も出てへんのって外野が湖になってるからフライとか捕られへんねやろ」とか言われたりな(笑)。でも「イナズマ」を通じて滋賀のいいところを知ってもらえたり、県内の人たちが「滋賀は『イナズマ』やってるとこやで!」っていつか言ってくれるようになってほしいっていうのが、このイベントを続けていく一番の目的なので。
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イナズマロック フェス 2015
2015年9月19日(土)滋賀県 烏丸半島芝生広場
<出演者>
- 雷神STAGE
- アーティスト:UVERworld / NMB48 / 倖田來未 / T.M.Revolution / Fear, and Loathing in Las Vegas / ももいろクローバーZ / 藍井エイル(オープニングアクト)
- パフォーマー:アンガールズ / ジャルジャル / スギちゃん / ダイノジ / U字工事
- 風神STAGE supported by Eggs
- 愛笑む / AKIRA / Gacharic Spin / SuG / Civilian Skunk / Thinking Dogs / SKY'S THE LIMIT / 杉恵ゆりか / THREE LIGHTS DOWN KINGS / and more
2015年9月20日(日)滋賀県 烏丸半島芝生広場
<出演者>
- 雷神STAGE
- アーティスト:[Alexandros] / UVERworld / AKB48 / キュウソネコカミ / 超特急 / T.M.Revolution / BACK-ON(オープニングアクト)
- パフォーマー:じゅんいちダビッドソン / 天竺鼠 / ニッチェ / ハマカーン / やしろ優
- 風神STAGE supported by Eggs
- ASH DA HERO / THE Hitch Lowke / THE HOOPERS / Signal / Doll☆Elements / NOISEMAKER / MAGIC OF LiFE / 武藤彩未 / 山猿 / and more
T.M.Revolution(ティーエムレボリューション)
1970年滋賀県生まれの西川貴教によるソロプロジェクト。1996年5月にシングル「独裁-monopolize-」でメジャーデビュー。キャッチーな楽曲と激しいライブパフォーマンスで人気を集め、「HIGH PRESSURE」「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」などのヒット曲を連発する。2008年には「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、翌2009年から滋賀県初となる大型野外ロックフェス「イナズマロック フェス」を毎年開催。ほかにも舞台やミュージカルなど幅広い分野にて精力的な活動を展開している。2013年には水樹奈々とのコラボシングル「Preserved Roses」「革命デュアリズム」を発表。2015年5月に通算10枚目となるオリジナルアルバム「天」を発売し、8月にはシングル「DOUBLE-DEAL」をリリースする。
- T.M.Revolution ニューシングル「DOUBLE-DEAL」
2015年8月5日発売 / EPICレコードジャパン - 完全生産限定盤A [CD2枚組] 1944円 / ESCL-4490~1
- 完全生産限定盤B [CD+DVD] 1620円 / ESCL-4492~3
UVERworld(ウーバーワールド)
滋賀出身で幼なじみのTAKUYA∞(Vo)と信人(B)らを中心に結成されたロックバンド。関西を中心に活動を続け、2004年末に上京。2005年7月にシングル「D-tecnoLife」でメジャーデビューを果たす。2008年11月には12thシングル「儚くも永久のカナシ」で初のオリコン週間ランキング1位を獲得し、同年12月には東京・日本武道館、大阪・大阪城ホール公演を成功させる。そして2010年11月に初の東京・東京ドーム公演を実施。一方で地元滋賀にある200人規模の会場での公演やZeppを中心としたライブハウスツアーも行っている。2014年にはサポートメンバーだった誠果(Manipulator, Sax)が正式メンバーとして加入し6人編成に。結成15周年とメジャーデビュー10周年を迎える2015年には7~9月、9~12月にそれぞれ全国ツアーを実施する。
- UVERworld ニューシングル「I LOVE THE WORLD」
2015年8月26日発売 / gr8!records - 初回限定盤 [CD+DVD] 1700円 / SRCL-8895~6
- 通常盤 [CD] 1300円 / SRCL-8897