ナタリー PowerPush - いきものがかり
いきものがかり、新章幕開け! 久々シングルの裏側に迫る
しわ寄せがボーカルに行ってしまった
──ストレートなメッセージにも、それを歌う吉岡さんの声にも、とにかく笑顔を誘うパワーが満ち溢れていますよね。
吉岡 最初から最後までパワーを全面的に押し出してるような曲なんですよね。聴いてる人にちょっとでもそれが伝わったらいいなって思います。あと、Aメロなんかでは意外と今までにやったことないパターンに挑戦できたりもして。淡々と同じ音が続く中で、キュッと上に行ったり下に行ったりするっていう、面白いニュアンス付けができて。
水野 あのときはほんとにすいませんでしたー!(笑)
──え、どういうことですか?
吉岡 私、ロボットのように試したんですよ、いろんな歌い方を(笑)。
水野 自分たちのグループのボーカルに言うのもアレですけど、基本的に歌がうまいので、こっちから要望を出せばすぐできちゃうんですよね。なので、ここ下げてみて、こっち上げてみてっていうのを40パターンぐらい出して(笑)。で、僕はそのボーカル素材を家に持って帰って、改めて設計図を作り直すみたいな。普段はメロディをカッチリ決めていくほうなんですけど、この曲ではわりと感覚的に言葉を押し込めた感じだったので、そのしわ寄せがボーカルに行ってしまった感じがあって。
吉岡 来ました、しわ寄せが(笑)。でも、昔から要望されたことを再現してみるのが好きなんですよ。大変は大変でしたけど、メロディラインを確定させていく過程がすごく面白くて。私も歌いながら、歌詞が伝わるところや気持ちいいところを探せたりもしたので、充実した作業になったなって。
──そこを楽しめるボーカリストで良かったですねえ(笑)。
水野 アハハハ。ほんとにそうですよね。お世話になっております(笑)。
吉岡 いやいやこちらこそ(笑)。
いきものがかりがここからまた始まるよ
──で、この曲のアレンジャーは亀田誠治さん。「ホットミルク」以来になりますか?
水野 そうです。約6年ぶりぐらい。すごく漠然とした言い方なんですけど、僕はこの曲をロックバンドっぽい曲だと思っていて。イメージとしては拳を突き上げて歌うような。でも亀田さんはそういう泥臭い部分だけじゃなくて、ストリングスのメロディがはっきりしてたり、決めがすごくたくさんあったりっていう、ポップであることを意識したアレンジをしてくださって。すごくいい形になったと思いますね。
山下 「NEW WORLD MUSIC」も含めて、久しぶりに人前に出る一発目の作品としてはすごくいい勢いを持った曲ができたなって思いますね。
水野 ちょっと間を置いての一発目は、漠然と元気がいい作品になればいいなと思っていたので、それにふさわしいものにはなったと思います。
──どちらの曲もライブでめちゃくちゃ活躍しそうです。
吉岡 ライブを意識して作ったわけではないと思うんですけど、歌ってるとその光景を想像せずにはいられなかったですね。特に「NEW WORLD MUSIC」のほうは、サビではどういう動きをしようかな、みんなどんなふうにノッてくれるのかなって、いろいろ考えたりもして。
──サウンド的には、吉岡さんのダンスを期待したいところですよね。
吉岡 そうですよねえ。まぁ、絶対に仁王立ちはないと思います(笑)。
──本作がリリースされると、すぐに横浜スタジアムでの2DAYS公演が控えています。
吉岡 今までで一番広い会場だし、野外でのワンマンは初めて。“いきものまつり”って銘打ってるんで、とにかく盛り上がって、今までとは違ったものも見せられたらいいなって思ってますね。
山下 長丁場のツアーだといろんな微調整をしながら進めていくことができますけど、今回は2本だけなので、綿密な打ち合わせをして、全力でそこに打ち込む感じになりますね。“いきものがかりがここからまた始まるよ”っていう思いを感じてもらえればなと。
──ニューシングルもきっと聴けますよね。
吉岡 やるかどうかは、まだ、ね?
水野 アハハハ。なんでそこボヤかすんだよ! この2曲、やったら盛り上がると思うなあ。もしやったら。
山下 もしもやったらね。
吉岡 うん、もしやったら(笑)。
いきものまつり2011
どなたサマーも楽しみまSHOW!!!~ライブ・ビューイング in シアター~
横浜スタジアムで行われる初のスタジアムライブの模様を全国の映画館および香港・台湾にて同時生中継!
オフィシャルグッズの販売も実施!
2011年7月24日(日)START 17:00
いきものがかり
吉岡聖恵(Vo)、水野良樹(G)、山下穂尊(G, Harmonica)の3人組ユニット。1999年結成。当初は地元・神奈川での路上ライブを中心に活動し、2003年にインディーズで初CDをリリース。2006年に発売したメジャー1stシングル「SAKURA」がスマッシュヒットを記録し全国区の人気を獲得する。2007年3月には1stフルアルバム「桜咲く街物語」を発表。切なくて温かい等身大のポップチューンが老若男女問わず幅広い層から強い支持を集めている。2010年には初のベストアルバム「いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~」をリリースし、ミリオンセラーを記録した。同年秋からは初の全国アリーナツアーを敢行。こちらも大成功に終わり、ライブバンドとしても大きな成長を遂げた。2011年7月に約11カ月ぶりとなるニューシングル「笑ってたいんだ / NEW WORLD MUSIC」をリリース。同月23日・24日には初のスタジアムライブとなる「いきものまつり2011どなたサマーも楽しみまSHOW!!!」を横浜スタジアムで開催する。