ideal peco白星あいり インタビュー|生誕ライブで「チャンテ4」合唱!ライオンズ愛が止まらないアイドル (2/2)

このつらさは西武ファンにしかわからない

──白星さんは1軍の試合だけでなく、2軍戦もよくご覧になるそうですね。

はい、2軍の試合にも行きます。最初はもちろん1軍の試合しか観てなかったんですけど、まだそこに出てこない若手の選手もチームにはいるわけじゃないですか。どういう選手がいるのかが気になって「2軍の試合にも行ってみよう!」と思ったのがきっかけです。

──確か、ライオンズはファーム(2軍)の球場がすごく近いんですよね。

近いです。ベルーナドームのほぼ隣なんで、例えば1軍が遠征中のタイミングとかでも「あ、ファームは今所沢にいるじゃん」って急に観に行ったりしやすいのでありがたいです。特に近年のライオンズは1軍の成績があんまりだから(笑)、より「この選手、来年はどうなってるだろう?」という視点で見ちゃいますね。

白星あいり

白星あいり

──「この左ピッチャーが成長してセットアッパーに定着してくれたら、こないだ逆転負けした試合も取れるようになるぞ」みたいな。

そうそう、ホントにそんな感じです(笑)。これだけ下にいたらもう上がるしかないので、来年に期待ですね。

──9月上旬現在、パシフィックリーグではライオンズが大差で最下位に沈んでいます。昨年もリーグ5位に終わっていますが、この苦しい現状をファンとしてどう捉えていますか?

リーグ優勝した2018年頃のスタメンをたまに見返したりすると「え、何このドリームチーム?」って思っちゃうくらい(笑)、今は当時の主力選手がごっそりいなくなっているんです。監督の手腕がどうこう以前の問題なんですよ。誰が指揮を執ってもこの結果になると思います。

──なるほど。もちろん負けが込むのは悔しいし悲しいけど、その一方で「そりゃそうだろ」という冷静な気持ちもあるわけですね。

そうなんですよ(笑)。毎年これだけ主力選手が流出し続けてたら、そりゃそうなるよねって。このつらさは絶対に西武ファンにしかわかんないですから! ホントにもうー!

──(笑)。

西武ファンは毎年「今年はこの選手がFA(フリーエージェント)権を取得するのか……」という心構えでシーズンに入るんです。で、オフになると「やっぱり宣言するよね? だよね? だよね?」っていうソワソワ感とともに日々を過ごすことになる。この悲しみや怒りを超えた精神状態は、西武ファン以外には絶対にわからないんだー!

埼玉西武ライオンズの応援旗を持つ白星あいり。

埼玉西武ライオンズの応援旗を持つ白星あいり。

──落ち着いてください(笑)。自分は広島東洋カープのファンですが、似たようなところがありますよ。近年はそうでもなくなってきましたけど、基本的に「FAとは育った選手が出ていくための制度である」と思っている。

うんうんうん、わかります(笑)。だからこそ金子侑司選手のようにFA権を取っても残留して、ライオンズひと筋で現役を終えてくれる選手は神のような存在に思えるんですよね。ヒーローですよ! 選手の残留をこんなに心から喜べるのも、逆に西武ファンだから味わえることなのかなって思います。

──世の中には「贔屓チームの調子がいいときだけ試合を観る」みたいな人も少なくない中で、白星さんはチームが低迷しているときでも変わらず愛を注ぐタイプなんですね。

ですね。ただライオンズが好きだからっていうだけなんですけど……負け試合でも、何か1つくらいはいいところがあるじゃないですか。「この選手がマルチヒットを打った」とか「守備で超ファインプレーがあった」とか。そういうのを見て「明日こそはイケるんじゃね?」というふうに思考を持っていくと、負けても毎日が楽しいです。

──負けているときも応援し続けて苦しさを共有したからこそ、チームが強くなったときはよりうれしいですよね。低迷期を知らないファンには味わえない喜びがある。

それはありますね! 勝利の重みが違うと思います。

白星あいり

絶対に埼玉県の所沢市に土地を買います

──白星さんは、ゆくゆくはベルーナドームで始球式を務めることが目標なんですよね。

はい。そのための練習もすでに始めていて(笑)。弟のキャッチボール相手をよくしているので、硬球の扱いには一応慣れてるんです。

──それは頼もしいです。

やっぱり始球式にアイドルの子が出てきたら、皆さん「どうせワンバンだろ」って思うじゃないですか。私はそこでズバッと高速スライダーを投げたいんですよ。まさか変化球を投げるなんて誰も思わないですよね。球場に「わあー(拍手)」じゃなくて「うえー!?(ざわざわ)」っていうどよめきを起こしたい。

──なるほど。それをやったら間違いなく“チャンテの子”から“始球式でスライダーを投げた子”に格上げされますね。

それを目指してがんばります(笑)。Googleさんで握りと投げ方は調べたので、あとは練習あるのみです。

──ちなみに、数ある変化球の中でなぜ高速スライダーなんですか?

たいした理由じゃないんですけど(笑)、自己紹介のときに言う自分の目標を考えていたときに、プロデューサーの石橋さんが「ただ『夢は始球式』って言うだけじゃつまらないから、誰も言ったことないことを盛り込もうよ。高速スライダーとか」と提案してくださったのをそのままいただきました。

──変化球の中でスライダーが特に好きとか、そういうことではないんですね。

全然そんなんじゃないです(笑)。

──ちなみに好きな変化球はありますか?

好きな変化球! インタビューで初めて聞かれました(笑)。そうだなあ……フォークボールとかはなんか面白いなって思いますけど。

──(笑)。あと、白星さんは「埼玉県所沢市に土地を買う」という、さらに大きな目標を掲げているとか。

絶対に買います! 最初にお話しした通り、私はライオンズファンなのにゴリゴリの東京出身なんですよ。厳密には“地元の球団”ではないのがすごく嫌なんです。「東京都民なのになんでライオンズファンなの?」って言われることも多いので、住所を変更してしまえばそんなことを言われる筋合いがなくなるじゃないですか。だからお仕事をがんばって、絶対に埼玉県の所沢市に土地を買います。そのモチベーションだけで今がんばれてます。

──それって、土地を買わないとダメなんですか?

土地を買ったら、偉くないですか?

──偉いですけど(笑)、住民票を所沢市に移せばいいだけのような気も……。

違うんですよ! 単に所沢に住むことがゴールじゃないんです。「あいつ、そこまでするの?」って思われるぐらい、生半可な気持ちじゃないんだってことを証明したいんです。ちゃんと結果で示したいと思ってます!

埼玉西武ライオンズのタオルを掲げる白星あいり。

埼玉西武ライオンズのタオルを掲げる白星あいり。

ライオンズのおかげでアイドルでいられる

──普段生活していて「ライオンズファンでよかったな」と感じるのはどんなときですか?

私はもともとすごく人見知りで、はじめましての人とお話をするのが苦手だったんですよ。本当に陰の性格っていうか、「できれば人と関わりたくない」って感じでずっと生きてきたんです。それがライオンズを好きになったことで、野球の話題を通じてなら初対面の人ともしゃべれるようになって。アイドルって、ステージで歌って踊るだけじゃなく、特典会とかでファンの方とお話をする職業でもあるから、ライオンズファンじゃなかったらアイドル活動自体できてなかったかもしれないです。

──それはめちゃめちゃいい話ですね……。

ライオンズのおかげでコミュニケーションの輪が広がりました。今思えば、パパとの会話が増えたのも野球のおかげですね。やっぱり思春期くらいになるとあんまりパパとは話さなくなるんですけど、同じものを好きになったことで親子の会話が増えました。「昨日の試合、あの選手がこうだったよね」みたいな。

──娘さんとの会話がなくなって悩んでいるお父さんは世の中に多いと思います。

そうですよね。野球の話題はめちゃめちゃ話が弾むので、そういうご家庭には野球がオススメです!

──親の趣味を押しつける感じになっちゃうと逆効果ですけどね。

確かに(笑)。難しいところですけど、親子で同じものを好きになれたら楽しいですよ!

──では最後の質問です。白星さんにとって埼玉西武ライオンズとは?

生きる源ですね。ライオンズがいてくれるからお仕事もがんばれますし、試合を観て一喜一憂することで感情を動かされるから、常に楽しく生きていられる。本当にありがとうございます!って感じです。

白星あいり

公演情報

ideal peco 東名阪ツアー

  • 2025年3月2日(日)大阪府 OSAKA MUSE
  • 2025年3月29日(土)愛知県 X-HALL -ZEN-
  • 2025年4月7日(月)東京都 Spotify O-WEST

プロフィール

白星あいり(シラホシアイリ)

「iCON DOLL LOUNGE」などアイドルイベントの企画運営制作を行う株式会社iDLが発足させたアイドルグループ・ideal pecoのピンク担当。東京都出身で、趣味は野球観戦、特技は野球のスコアブックをつけること、目標は埼玉西武ライオンズの始球式で高速スライダーを投げること。ideal pecoは「All For ideal ~すべては理想のために~」というコンセプトを掲げて2023年9月にデビュー。MCや構成作家として活躍する石橋哲也とダンス講師の高森ありさがプロデューサーを務めている。