ヒステリックパニック×a crowd of rebellion|戦い続ける2組が見据える未来

ヒステリックパニックが5月2日に4曲入りの新作CDをリリース。本作にはバンドが結成して6年目であること、メジャーデビューしてから6作目の作品であることから「666(TRIPLE SICK'S)」というタイトルが付けられた。

音楽ナタリーでは新譜の発売を記念して、彼らと親交のあるa crowd of rebellionとの座談会をセッティング。ヒスパニからとも(Vo)、Tack朗(G, Vo)、$EIGO(G, Cho)、リベリオンから小林亮輔(Vo, G)、宮田大作(Vo)、丸山漠(G)に登場してもらい、互いの出会いや共通点について、ヒスパニの新譜「666(TRIPLE SICK'S)」の感想を聞いた。

取材・文 / ヤコウリュウジ 撮影 / 嶋本丈士

リベリオンの第一印象はめっちゃドライ

──まず始めに、2組の出会いについて教えていただけますか?

とも(Vo / ヒステリックパニック) 最初に出会ったのは2013年6月に行われた「激ロックTOUR」の名古屋CLUB Zion公演ですね。僕らは地元バンド代表みたいな感じで出演してて。

Tack朗(G, Vo / ヒステリックパニック) 対バンでARTEMAとかもいたよね。

宮田大作(Vo / a crowd of rebellion) ヒスパニがトップで出たんだっけ?

$EIGO(G, Cho / ヒステリックパニック) あー、最初のほうだったような気がする。

ヒステリックパニックとa crowd of rebellion。

──そのときの印象はどうでした?

とも リベリオンはめっちゃドライでした(笑)。

宮田 えっ、ホント!?(笑)

とも うちらはもともとリベリオンはよく聴いてたので、対バンできるのがうれしかったんです。俺はめっちゃコミュ障だけど、好きな人とはどうにか仲良くしたいから「音源を聴いてます!」って挨拶したら「ああ……どうも」みたいなリアクションで(笑)。

Tack朗 「BRAT PACK 2012」という日本の若手ラウドバンドが参加したコンピがあって、その1曲目がリベリオンで。聴いてみたらすっごいキレイな声だし、男が歌ってることも驚いて、こんなヤバいボーカリストがいるんだなと。で、そこから「Satellitear」のMVを観てさらに衝撃を受けたんです。

$EIGO そう言えば、ずっと「Swallow」(「BRAT PACK 2012」収録曲)をライブでやってほしいと伝えてるけど、全然やってくれないよね。

宮田 あのツバメさんは封印されてます(笑)。

小林亮輔(Vo, G / a crowd of rebellion) あの曲は難しすぎて、漠くんゲロ吐いたことあるから(笑)。

丸山漠(G / a crowd of rebellion) ライブ中なのに吐き気を催したね……。

出番前、ともくんにシャウトされると困っちゃう

──リベリオンはヒスパニに対してどんな印象を抱きましたか?

宮田 俺は「激ロックTOUR」で初めてヒスパニのライブを観たとき、ともくんがヤバい声を出しているなと思いました。俺もずっとシャウトをやってて、誰にも負けないっていう気持ちなんですけど、自分らの出番前にこのシャウトをやられると困っちゃうなっていうぐらい。

ヒステリックパニック

──それから仲良くなったのはいつ頃?

とも グッと距離が近づいたのはここ1、2年ですね。

宮田 俺たちもコミュ障をだいぶ患ってまして、地元のバンドでも仲良くなるのに1年ぐらいかかるんです(笑)。

とも Zionのすぐあとにも対バンをしてるんですけど、リベリオンは“鎖国感”がすごくて。

a crowd of rebellion

宮田 いや、ホントにそうなんだよね(笑)。みんなと仲良くなりたいのに、打ち上げでもメンバーで固まって座ってるし。問題なのはオレたちの人間性だな(笑)。最近になって、やっとそういう場でもヒスパニと話せるようになってきて。

Tack朗 打ち上げでガッツリ話したのが大きかったよね。

宮田 本当はもっと早く仲良くなりたかったんだけど(笑)。

とも 実際、俺らも仲がいいバンドが多いほうではないと思うんですけど、それってラウドシーン特有なのかなと。メロコアシーンは対バンすれば上の世代も同世代もすぐつながって、ツアーに呼び合うような空気があるけど、ラウド界隈ってソロプレイ感が昔からずっとある気がして。たぶん、みんなコミュニケーションを取るのが下手なんですよね。

宮田 あと、自分も含めてラウド系のヤツらに感じるのは、パートは関係なくほとんどが中二病!

一同 あはははは(笑)。

Tack朗 でもそういうヤツらだからこそ、ラウド系の音楽をやるのかもしれないね。王道だとつまらないと感じて、ちょっとひねくれてると言うか。

宮田 ホントにそうだと思う。

ヒステリックパニック
「666(TRIPLE SICK'S)」
2018年5月2日発売 / Black Sheep Records
ヒステリックパニック「666(TRIPLE SICK'S)」初回限定盤

[CD]
1728円 / VICL-64994

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収録曲
  1. Love it!
  2. Suicide Squad
  3. メリーバッドエンド
  4. かえるのうた(Bonus Track)

ツアー情報

BLACK SHEEP RECORDS presents
「We are here!」
  • 2018年6月15日(金)東京都 TSUTAYA O-WEST
  • 2018年6月17日(日)大阪府 OSAKA MUSE
  • 2018年6月29日(金)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

出演者
ヒステリックパニック / BACK LIFT / Rhythmic Toy World

a crowd of rebellion「Gingerol」
2017年8月16日発売 / Warner Music Japan
a crowd of rebellion「Gingerol」通常盤

通常盤 [CD]
2700円 / WPCL-12698

Amazon.co.jp

収録曲
  1. C17H26O4
  2. HOPE
  3. Nex:us
  4. NIACIN FLUSH
  5. Devil Scars
  6. polyrhythm
  7. if...
  8. 294.38g/mol
  9. MATSURI WWWeapon
  10. Gorilla Gorilla Gorilla
  11. リビルド
  12. karma_葬
ヒステリックパニック
ヒステリックパニック
2012年に名古屋で結成されたバンド。現在はとも(Vo)、Tack朗(G, Vo)、$EIGO(G, Cho)、おかっち(B)、やっち(Dr)の5人で活動している。2013年7月にタワーレコード限定でリリースした4曲入りCD「4U」がヒット。ANGRY FROG REBIRTH、HER NAME IN BLOODといったバンドのツアーにゲスト出演し、各地で知名度を上げる。2015年4月にシングル「うそつき。」でメジャーデビュー。7月にフルアルバム「オトナとオモチャ」、2016年4月にシングル「シンデレラ・シンドローム」、7月に2ndフルアルバム「ノイジー・マイノリティー」をリリースし、2017年6月にアルバム「LIVE A LIVE」を発表した。2018年5月には新作CD「666(TRIPLE SICK'S)」を発売した。
a crowd of rebellion(アクラウドオブリベリオン)
a crowd of rebellion
2007年春に新潟県新潟市で結成されたスクリーモバンド。メンバーは高井佑典(B)、近藤岳(Dr)、小林亮輔(Vo, G)、宮田大作(Vo)、丸山漠(G)の5人。対照的なツインボーカルと変幻自在に展開を見せるアレンジが印象的な楽曲で唯一無二の世界観を描き出し、扇動的かつエモーショナルなライブパフォーマンスを武器に全国に活躍の場を広げている。2015年3月にシングル「The Crow」でメジャーデビュー。2018年7月11日に3rdフルアルバム「Ill」(イル)をリリースする。