「俺のギター、股に挟まれてるけどまあいっか」

大谷　そういえば今回のジャケット、エロいよね。これはどういう経緯で？

とも　今回もともと“オモチャ”とか“オモチャ箱”みたいなイメージはあったんですよ。で、4月に出したシングルの「うそつき。」のミュージックビデオが、普通のオモチャもあれば大人のオモチャも置いてある部屋で女の子がいろいろするっていうエロティックな作品で、その雑多感とサブカル臭がいいなと。まああとは単純に僕がエロネタが好きっていうのもあって、性に結び付けたかったんです。それでイメージ的に合うのは何かなって探して。今回描いてもらったのは師走の翁先生っていう成人マンガ家さんなんですけど、僕、昔先生のマンガにお世話になっていて。

大谷　へえ！ お世話になってたんだ！

とも　はい。で、お願いしてみたいなと思って持ちかけてみたら快く。先生もご自身でDJやってたりして、音楽大好きな方なんですよ。BiSのジャケットとかも描かれてましたし。だから面白いものができるかなって思ったらやっぱり、波紋を呼ぶデザインになりました。

大谷　ほかのメンバーは今回のジャケット見て、どうだった？

$EIGO　アートワークはともに任せてるので、ともがいいならいいんじゃない？って感じですね。投げてるっちゃ投げてるけど、信頼してる。「あー俺のギター、股に挟まれてるけどまあいっか」みたいな（笑）。

大地　でも親とかにも渡すわけでしょ？

$EIGO　はい、親3枚買ってました（笑）。

大地　ははは（笑）。

$EIGO　Tack朗のギターもね？

Tack朗　舐められてます。

とも　メンバーが使ってる楽器とかアンプの写真を事前に送って、実際使ってるものをちゃんと描いてもらってるんです。

結局デブじゃねえかよ！

大谷　ヒスパニのアルバム作りはどんな感じなの？ 全体像を考えてから曲を作っていくの？ それとも曲を作って貯めていく？

$EIGO　全体像は考えてないですね。「こういう曲調」「こういうジャンルの曲」みたいなすっごいおおまかなイメージはあるんですけど、最初に話したように、元ネタの軸があって、そこに各々のアイデアを持ち寄ったものの集合体がアルバムになります。

大谷　じゃあ例えば「ライジングさん」の曲作りはどうやって？

Tack朗　「ライジングさん」は僕が基を作ったんですけど。リード曲を作ろうって話になってて。

大谷　え、「リード曲を作ろう」って言って作り始めるの？

とも　僕たちあんまり曲のストックがなくて、必要になったときに作るんですよ。各々リフのアイデアを持ってたりメロディの貯金とかはあるんですけど、普段から曲を作るってことは基本しないので。今作で言えば、「スイーツダンス」だけはもともと作り掛けだったんですけど、それ以外は今回のアルバムのために作った曲で。なのでリード曲も、「この中からどれをリードにしよう？」じゃなくて、リード曲を作ろうって決めてから制作に入るんですよ。

大谷　ほう。面白いなー！

Tack朗　この「ライジングさん」だけはどうしてもサビが出てこなくて。ともから「夏っぽい曲」っていうオーダーをもらってたんで、ひたすら失恋した場所に行ったり、海に行ってギターを弾いたりしてたんですけど。

大谷　失恋した場所に行って入り込むんだ？

Tack朗　はい。で、ようやく降りてきたフレーズを持っていって、そこから広げていきました。

大谷　どこにいるときに降ってきたの？

Tack朗　場所は忘れちゃったんですけど、メシ食ってるときですね。

大地＆大谷　結局！（笑）

大地　失恋関係ねえ!! 結局デブじゃねえかよ！（笑）