曲にしちゃったら俺の勝ち
──ちなみに、曲を作るために過去の恋愛を掘り起こす辛さみたいなものはないんですか?
竹縄 恋愛に関しては、わりと“上書き保存”ができるんですよね。そこは俺のいいところかなって思います(笑)。
──曲にしている時点で過去の失恋を乗り越えている?
竹縄 乗り越えていることが多いですね。あと、「曲にしちゃったら俺の勝ちだな」って思うんですよ。恋愛って振る側と振られる側がいるじゃないですか。「サネカズラ」では、俺は振られる側なんですけど……そのときに振った側の相手はせいせいして、次の物語を進めていくわけです。「いろいろあったけど楽しい時間をありがとう、幸せになってね」と一方的に告げて去っていく。でもそんなこと言われたら、俺の立ち入る隙がないじゃないですか。だからこそ、俺は「曲にして“復讐”してやろう」と思ったし、曲を書いたことで自分が勝ったような気持ちになれて、吹っ切れるんです。
──「サネカズラ」をリリースしたあとは、別れた彼女から「この曲って私のことだよね」みたいな連絡ってありました?
竹縄 別れた時点で連絡を絶ってるから、ちょっとわからないんですよね。
──それは着信拒否をしてるってこと?
竹縄 はい。あとLINEもブロックしてます。
一同 おいおい(笑)。
竹縄 もしも、彼女からLINEのメッセージが来たとして、読んだら既読が付くじゃないですか。それって、なんだか俺が負けている感じがするんですよね。既読が付いて「まだつながれているんだ」って思われるのが嫌というか。着信拒否してLINEもブロックしておけば、電話はかからないし、既読も付かない。相手にとって、それが一番キツいんじゃないかなと思うから、そうするんです。さっきも話したように復讐の気持ちがあるので、街中で俺の曲がガンガン流れればいいとも思ってる。
──昼ドラよりもドロドロした復讐劇ですね(笑)。
岩野 本当に……(笑)。
竹縄 ふとしたときに俺の歌が流れて、ハッとして連絡を取ろうとするけど拒否されてて……結果、悲しみに打ちひしがれてほしいんですよ。そういう感じです。
黒木 大丈夫? このインタビュー読んで、嫌な奴って思われるんじゃない。
竹縄 でも、このアルバムはそういう作品だからさ。
──では、竹縄さんにとって「人を好きになる」とは、どういうことだと思いますか?
竹縄 俺の中では完全に“束縛”ですね。「あの子のことを独り占めしたい」と思ったり、「自分以外の誰かと話しているのが嫌だ」とか、そういう感情を行動に移すのが束縛だし、それこそが好きってことだと思います。だから、独占欲とも言いますけど、僕の好きってそういうことですね。
クールな音楽はできない
──メジャーデビューして1年が経ちますが、メジャーへ行って何か変化はありました?
竹縄 ぶっちゃけ、体感はあんまり変わらないですね。そういう意味ではHOWLを取り巻く環境というか、俺ら4人よりも周りのほうが変わっていってます。あとはメジャーにいるおかげでHOWLの音楽を聴いてもらえる機会が増えたとか、そういうメリットが大きい実感がある。テレビに出させてもらったり、アニメのテーマ曲をやらせてもらったり。
──じゃあ、やりづらさみたいなものはない?
竹縄 全然ないです。メジャーデビューしてすごく周りの大人が増えたとかだったらそういうこともあったかもしれないけど、なんだかんだ今のチームはデビューする1年前から同じなので。
黒木 メジャーデビューして露出が増えたけど、まだまだ売れたいですね。
──ちなみに黒木さんは今のバンドシーンをどのように見てますか?
黒木 今のバンドシーンは肩の力が抜けたカッコいい音楽が流行っていますよね。
──そんな中で、HOWLはどのように立ち向かって行くんでしょうか?
黒木 僕らはそういうクールな音楽はできないと思ってるので、あくまで自分たちのやりたいことを続けて、“カウンター”を狙うしかないと思ってます。バズなんて狙っても起きないし、自分たちの信じていたものを守り続けて、突き詰めて、発信し続けるのが大事。今はメジャーもインディーも関係なく、楽しいことをやっている人じゃないとダメな時代というか。そこに関してはどこにも負けていないと思うので、その姿勢は変えたくないですね。
- HOWL BE QUIET「Mr. HOLIC」
- 2017年5月24日発売 / ポニーキャニオン
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初回限定盤 [CD+DVD]
3780円 / PCCA-04527 -
通常盤 [CD]
3024円 / PCCA-04528
- CD収録曲
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- ラブフェチ
- MONSTER WORLD
- ギブアンドテイク
- にたものどうし
- My name is...(ALBUM Ver.)
- サネカズラ
- PERFECT LOSER
- Wake We Up
- 矛盾のおれ様
- Higher Climber
- 208
- ファーストレディー
- 初回限定盤DVD収録内容
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- HOWL BE QUIET「Wake We Up! Special One Man Live!!」2016年9月11日 恵比寿・LIQUIDROOM
- Wake We Up
- Daily Darling
- 孤独の発明
- 千年孤独の賜物
- Merry
- バトルナイフ
- 救難戦争
- ライブオアライブ
- レジスタンス
- ウォーリー
- MONSTER WORLD
- 「Wake We Up! Special One Man Live!!」 Document Movie
- 「Daily Darling」Music Video
- 「サネカズラ」Music Video
- 「Higher Climber」Music Video
- HOWL BE QUIET「Wake We Up! Special One Man Live!!」2016年9月11日 恵比寿・LIQUIDROOM
- Mr. HOLIC ~僕が虫で、君が男でも恋したいのです~ TOUR
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- 2017年7月20日(木)宮城県 enn 2nd
- 2017年7月26日(水)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2017年7月28日(金)大阪府 umeda TRAD
- 2017年8月1日(火)香川県 DIME
- 2017年8月3日(木)福岡県 DRUM Be-1
- 2017年8月4日(金)広島県 SECOND CRUTCH
- 2017年8月16日(水)東京都 赤坂BLITZ
- HOWL BE QUIET(ハウルビークワイエット)
- 竹縄航太(Vo, G, Piano)、黒木健志(G)、橋本佳紀(B)、岩野亨(Dr)の4人からなるピアノロックバンド。2010年の結成から渋谷や下北沢を中心に活動を続け、2013年12月に発表した1stアルバム「DECEMBER」が、タワーレコードのスタッフが選ぶ「タワレコメン」に選出される。2014年11月にCD「BIRDCAGE.EP」を発表。2015年11月からはバンド史上初の東名阪ワンマンツアーを開催した。2016年3月にシングル「MONSTER WORLD」でポニーキャニオンよりメジャーデビューを果たす。8月にテレビアニメ「DAYS」のオープニングテーマを表題曲とするシングル「Wake We Up」を、12月には3rdシングル「サネカズラ」を発表。2017年5月にメジャー1stアルバム「Mr. HOLIC」をリリースした。