音楽ナタリー Power Push - HOWL BE QUIET
“別れに咲く花”サネカズラに心をさらけ出して
HOWL BE QUIETが、メジャー3rdシングル「サネカズラ」を完成させた。音楽ナタリーでは、メンバー全員にインタビューを実施。メジャーデビュー以降の活動について聞きつつ、タイトル曲の背景に隠されたディープなエピソードなどもじっくりと語ってもらった。
取材・文 / 田山雄士
僕ら国民的バンドになりたいんですよ
──メジャーデビューから約8カ月ですが、ここまでの手応えをどう感じてますか?
竹縄航太(Vo, G, Piano) メジャーデビューしていろんな人が聴いてくれて、うれしいことがたくさん起こってます。けど、まだまだこれからという気持ちですね。
──今年リリースした2枚のシングル「MONSTER WORLD」「Wake We Up」の反響については?
竹縄 「MONSTER WORLD」は46のラジオ局でパワープレイしてもらえたり、「Wake We Up」はテレビアニメ「DAYS」のオープニング主題歌として使ってもらえたり、いろんな形で僕らの音楽が広まっていってるのをすごく感じてます。今年は初めてのことがとにかく多くて。
黒木健志(G) LIQUIDROOMでワンマンもできたしね(参照:HOWL BE QUIET、半年ぶりワンマンで新曲も披露「俺らの歴史の中でも大切な日」)。メジャーデビューしてから一番グッときた出来事です。僕らが今までに作ったバラエティに富んだ曲をバンドとしてしっかり出せるかの勝負だったけど、お客さんに伝わった気がしてすごくうれしかった。アップテンポなシングル作品を2枚リリースしたあとのライブで初めて観に来てくださった方も多くて。けれど、みんな過去の曲もさかのぼってくれてる反応をしてたし。
橋本佳紀(B) LIQUIDROOMも大きかったし、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に初めて出られたのも印象深いですね。HOWL BE QUIETを組んでメンバー4人でフェスを観に行ったとき「いつかここに立とう」「来年には必ず!」ってずっと言ってたんで。そういうステージまで来たことで、自分たちの状況の変化が実感できたのはあります。
竹縄 あとは、さっきの「DAYS」もね。僕、小っちゃい頃からアニメが大好きだったんですよ。例えば「テニスの王子様」「ヒカルの碁」「ポケットモンスター」「デジモンアドベンチャー」とか。いろんなアニメを何回も観たし、それに影響を受けてスポーツをやってみたりもしてきたので、アニメのオープニングというものを任せてもらえたのはバンドとしても個人的にもやりがいと喜びがありましたね。
岩野亨(Dr) メジャーデビュー以降は「しがらみなんて取っ払って、自分たちがいいと思うものをまっすぐやろう」と決めて、突き進んできてますね。やっぱりメンバー全員がタケ(竹縄)の作る楽曲が好きで最大限に生かしたいから、1つひとつ全力でやりながら「もっとよくできるんじゃないか?」っていう前向きな分析はいつもしてる。音源のリリース後に俯瞰で見たうえで、次に何をしたいのかを考えたり。
──着実にステップアップできてる感じですね。
岩野 僕ら国民的バンドになりたいんですよ。だから、そこを目指して果敢にリリースを重ねていきたい。最初にタケも言ってましたけど、もっともっと行けると思うんで。僕らの想像を超えるように楽曲が広がっていくのが理想かな。
死ぬほど悩んでるからこそ、強気で自信を持ってやれる
──例えば不安に思うことはないんですか?
竹縄 不安も常にありますよ。「このアレンジでいいのか?」とか、ミュージックビデオにしてもアーティスト写真にしても、メンバーとスタッフで死ぬほど悩んでる。そうやって出した結論だからこそ、強気で自信を持ってやれるんです。
黒木 本当、悩んでばっかりですよ。お互いのエゴもあるし、打算的にもなれないし。「俺のいいと思う感覚は、果たして合ってるのか?」みたいな。音楽業界にどう殴り込んで行けるのかをポジティブに考えての話だけどね。
──ライバルだと思う存在っています?
竹縄 ライバルか……あまり考えたことないですね。
橋本 僕らの夢がデカいせいかな。ドームクラスのライブをできるバンドになりたいから、今それができてる人たちがそうなのかもしれない。比べられないくらいの人たちのポジションに自分たちも行きたいとは思ってるんですけど、「ライバルが誰」とかはメンバーで話したことないね。
黒木 どのバンドにも負けたくはないんだけどね。
竹縄 うん。よく共演するSHE'SやLAMP IN TERRENにも負ける気はさらさらないんですけど、友達みたいな感覚なので(笑)。特定の誰かを挙げるのは難しい!
──では対バンツアー「Re:ACTION ~Answer 1~」を開催するのも、「対決!」みたいな意図ではないんですね。
竹縄 ライブって、どのバンドも基本的に負ける気なんてないじゃないですか。それは音楽をやってて、至極当然というか。「Re:ACTION ~Answer 1~」はその当たり前のことを差し置いたうえで、俺らツーマンの経験がほとんどないから、「面白そうだな」と思って。深い意味よりも好奇心が大きいかな。化学反応を求めてる感じ。
黒木 俺らの主催企画、ワンマンしかなかったもんね。それも年に1、2回だけでしたから、単純に自分たち発信のライブを増やしたかったのもあります。前に竹縄がインタビューで「ドームでツーマンツアーとか、めちゃ面白くない?」みたいなことを言ってたんですけど、それって今のところ誰もやってないじゃないですか。だったら、その目標に向かって「Re:ACTION」を継続的にやってみようぜって。
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- ニューシングル「サネカズラ」 / 2016年12月14日発売 / ポニーキャニオン
- 通常盤 [CD] / 1296円 / PCCA-04458
- DAYS盤 [CD] / 1296円 / PCCA-04459
通常盤収録曲
- サネカズラ
- Higher Climber
- Dousite
DAYS盤収録曲
- Higher Climber
- サネカズラ
- Dousite
Re:ACTION ~Answer 1~
- 2016年12月14日(水)大阪府 Shangri-La
- <出演者> ONIGAWARA / HOWL BE QUIET
- 2016年12月15日(木)愛知県 ell.FITS ALL
- <出演者> Brian the Sun / HOWL BE QUIET
- 2016年12月20日(火)東京都 WWW
- <出演者> メレンゲ / HOWL BE QUIET
HOWL BE QUIET(ハウルビークワイエット)
竹縄航太(Vo, G, Piano)、黒木健志(G)、橋本佳紀(B)、岩野亨(Dr)の4人からなるピアノロックバンド。2010年の結成から渋谷や下北沢を中心に活動を続け、2013年12月に発表した1stアルバム「DECEMBER」が、タワーレコードのスタッフが選ぶ「タワレコメン」に選出された。2014年11月にCD「BIRDCAGE.EP」を発表。2015年11月からはバンド史上初の東名阪ワンマンツアーを開催した。2016年3月にシングル「MONSTER WORLD」でポニーキャニオンよりメジャーデビューを果たす。12月には3rdシングル「サネカズラ」を発表した。