音楽ナタリー Power Push - HOWL BE QUIET
ロックバンドの概念を打ち破る新星 目指すは“アイドル”
自分たちでアイドルというラベルを貼る
──竹縄さんから「MONSTER WORLD」という曲が上がってきたときにメンバーは驚かなかったんですか?
黒木 俺はビックリしました。タイトルからして、今までの曲とは明らかに趣向が違ったので。でも、曲を聴いたときにメチャクチャよかったから。この曲をものすごくポップにアレンジしたら、MVも含めて面白いことができるだろうなって。
橋本 僕はそんなに驚かなかったかな。というのも、僕と竹縄は練習帰りとかに一緒に帰ることが多くて、帰りの車の中でよく2人で嵐さんの曲とかを聴いてたんですよ。バンドの枠を外れた音楽の話もよくしていたし。だからこそ、「MONSTER WORLD」を聴いたときに「これは竹縄のソングライターとして本来あるべき姿なんだな」と思ったんです。竹縄が自分の核と本気で向き合って書いた曲だと思った。僕自身もめっちゃいい曲だと思ったし。
岩野 僕はまずビックリして、そのあと笑いましたね。「『MONSTER WORLD』って!」みたいな(笑)。でも、やっぱり最終的にバンドやスタッフを含めたチームを変えるのって曲なんですよね。メンバーみんながロックバンドというカテゴリーを窮屈に感じていた中で、「MONSTER WORLD」を聴いたとき「これだったらなんでもできる!」って思ったんです。
──「MONSTER WORLD」はここからエンタテイナーの道を邁進するという宣言でもあるのかなと。
竹縄 音楽という表現の自由を追い求めようと思ったときに、自分の中で出た答えがアイドルだったんです。アイドルの曲ってなんでもありじゃないですか? ロックもポップスもヒップホップもEDMも合唱曲もやる。曲だけじゃなくて、ファッションもMVの作り方もそう。そう思ったときに「俺はアイドルをやりたいんだ」って思ったんです。さっきラベルというワードが出ましたけど、誰かに自分たちが望まないラベルを貼られるくらいなら自分たちでアイドルというラベルを貼ろうと思って。それに対してディスが来ることも想定内です。それくらいの覚悟を持ってやらないと自分たちが本当にやりたいことはできないし、リスナーにも響かないと思うんですよね。
「ハウルはハウルだ」って言わせる自信
──アイドルには「偶像」という意味もあって、基本的には誰かにプロデュースされることで成り立つジャンルじゃないですか。ただ、このバンドはメンバー主導で楽曲もアートワークもセルフプロデュースしていこうとしてるんですよね?
竹縄 そうですね。
──だからどちらかと言うと、このバンドが実現しようとしていることはSEKAI NO OWARIが推し進めているようなスケールの大きい総合的なエンタテインメントなんじゃないかなと思ったんですけど。
黒木 SEKAI NO OWARIさんは、ファンタジーというものに軸足を置いてるバンドだと思うんですね。僕らはバンドとしてアイドルというジャンルに軸足を置こうと思った。その違いは大きいと思います。アイドルには「偶像」という意味もあるけど、竹縄がずっと言ってるのは「曲や表現が自由であるのがアイドルだ」ということで。
竹縄 あまりいないじゃないですか、自分たちで「アイドルです」って言うバンドって。
黒木 ありがたいことにメジャーデビューにあたってはいろんなところから声をかけてもらってたんですけど、このバンドが目指すことを実現できるレーベルがポニーキャニオンだったんです。ポニーキャニオンにはジャニーズのアイドルも含めて、多種多様なアーティストがいて。その振れ幅の広さはマネジメントをやってくれているTOY’S FACTORYにも言えることだし。
竹縄 今はプロフェッショナルな人たちと一緒にチームを組めてるから。「俺らのアイドル論はこれだ!」という意見とスタッフの意見をぶつけ合っていて、それもすごく刺激的なんです。メジャーデビューをすることで世間にはいろんな見られ方をすると思いますけど、このバンドは自分たちでやりたいことを生み出してるんだと信じさせる自信もあるので。「結局、ハウルはハウルだよね」って言わせる自信がすごくある。
- メジャーデビューシングル「MONSTER WORLD」 / 2016年3月9日発売 / ポニーキャニオン
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1944円 / PCCA-04350
- 通常盤 [CD] / 1296円 / PCCA-04351
CD収録曲
- MONSTER WORLD
- タイトル未定
- タイトル未定
初回限定盤DVD収録内容
- 「MONSTER WORLD」MV
- チャンス到来TOUR@渋谷WWW LIVE 映像
チャンス到来TOUR~決戦前夜編~
- 2016年3月8日(火)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
- 2016年3月16日(水)大阪府 Shangri-La
HOWL BE QUIET(ハウルビークワイエット)
竹縄航太(Vo, G, Piano)、黒木健志(G)、橋本佳紀(B)、岩野亨(Dr)の4人からなるピアノロックバンド。2010年の結成から渋谷や下北沢を中心に活動を続け、2013年12月に発表した1stアルバム「DECEMBER」が、タワーレコードのスタッフが選ぶ「タワレコメン」に選出された。2014年11月に新作CD「BIRDCAGE.EP」を発表。2015年11月からはバンド史上初の東名阪ワンマンツアーを開催した。2016年春にポニーキャニオンよりメジャーデビューを果たす。