現体制の放プリのことをもっと知ってほしい
──昨年3月に新体制になって再スタートした放プリですが、この1年間を振り返るとどんな1年でしたか?
真崎 放プリは歴史が長いグループなので、これまで先輩方が築き上げてきたブランドの大きさを感じる1年でした。というのも、対バンライブで「ジュリエット~君を好きな100の理由~」や「制服シンデレラ」といった歴史のある人気曲を披露すると、ほかのグループのファンの方であっても振りを真似て一緒に踊ってくれたりするんです。それはうれしいことで、先輩たちが残してくれた功績を私たちも誇りに思っているし、大切にしていきたい部分ではあるんですけど、現体制の放プリのことをもっと知ってほしいという気持ちもあって。そういう意味では少し悔しい思いをしながら活動した1年だったかなと思います。
森川 この1年でだんだんとパフォーマンスできる楽曲も増えてきて、ライブに来てくださる皆さんに放プリの新しい世界観を届けられたのはよかったです。
──昨年リリースされたアルバム「My Princess III ~未来の鐘を鳴らせ~」は放プリのこれまでの歴史が詰まったアルバムで、人気曲が改めて収録されました。現体制では初めての音源作品でしたが、リリースにあたってどういう思いがありましたか?
水野 放プリはこれまで“プリンセスシリーズ”として多くの曲をリリースしてきましたが、今のメンバーにとっては初めてのプリンセス作品で。中でも「オーロラ・ドリーミング」は“眠り姫”をテーマにした楽曲で、眠りから覚めて新しい一歩を踏み出す眠り姫と、新体制となって新しくスタートを切った私たちが重なる部分があるんです。この時期にこの曲をリリースできたのは意味があるんじゃないかなと思いました。
真崎 私はこれまで先輩方が歌ってきた曲を何回も聴いてきたので、曲に対するリスペクトから先輩の歌い方に寄せにいってしまうことがあったんです。でもこのミニアルバムのリリースを機に、自分が放プリの曲を歌うことの意味を見出せるようにしていきたいという意識に変わりました。
年代問わず楽しめる歌詞とメロディ
──そんな放プリの新曲「歯みがきレイディ」が6月28日にCDリリースされます。シングルとしては現体制初の作品になりますが、これまでの放プリの世界観とはガラッと変わって、耳に残るキャッチーなメロディが印象的なナンバーですね。
水野 初めて楽曲を聴いたときに、キャッチーでクセになるメロディだなと思いました。冒頭のパートは中華っぽい雰囲気なんですけど、Bメロでは少し懐かしいJ-POPという感じのメロディで、さらに落ちサビで急にサンバみたいな音が入ったり、いろんな音や要素が詰め込まれていて。「なんだこの展開!?」と思ってもらえるような仕掛けが目白押しなので、最初から最後まで楽しんでいただけると思います。
森川 私も最初に聴いたときの衝撃が大きかったです。歯磨きをすることって日常の何気ないひとコマだと思うんですけど、この曲は歯磨きについてポップにかわいらしく表現しているので、歯磨きが嫌いなお子さんに「歯磨きが楽しい!」と思ってもらえるんじゃないかな。
花咲 そうだね。私は3歳になる甥っ子がいるんですけど、「歯磨きレイディ」を聴かせたらあっという間に気に入ってくれて、一緒に歌ってくれました(笑)。年代問わずたくさんの人に楽しんでもらえる曲だと思います。
──確かに小さなお子さんも口ずさめるようなキャッチーさがありますよね。
花咲 あと、もう1つ伝えておきたいことがあって……いいですか?(笑)
──もちろんです(笑)。
花咲 「歯みがきレディが魔法をかけて つるんと白く 綺麗にな~れ♡」というセリフは私が担当しているのですが、ここは絶対に私が言いたくて、自分から立候補したという経緯があって……今後ライブで披露するときは言い方を少しずつ変えてお客さんを楽しませていきたいので、ぜひ注目して聴いてほしいなと思います!
真崎 メンバーカラーに合わせたカラフルな衣装もポイントです。スカートの部分はガーターをイメージして作っていただいていてセクシーな感じになっているんですよ。メロディのセクシーな雰囲気が細かなディテールに反映されているし、その一方で歌詞のポップで愉快な感じも衣装で表現されていると思うので、とにかく衣装の細部にまで注目してほしいです。
振付師・槙田紗子は「心の中にぶりっ子を100人くらい飼っている」
──ダンスについてはいかがですか? 槙田紗子さんが振付を担当されたそうですが。
真崎 槙田さんが作ってくださったダンスを踊ったときに、「私、アイドルになれたかも」と初めて実感できたというか。それくらい槙田さんの振付に衝撃を受けました。後日、槙田さんに「なんでこんなかわいい振りを作れるんですか?」と聞いてみたのですが、「心の中にぶりっ子を100人くらい飼っているからだよ」とおっしゃっていたのが印象的でした。
戸川 小さいお子さんでも真似しやすいキャッチーな振付になっています。サビに歯ブラシを持って磨いているような振りがあったり。
花咲 鏡で歯をチェックする振りもあるよね。
戸川 ホントに、真似しやすい簡単な振りがたくさんちりばめられているので、いろんな方に楽しく踊ってほしいです。
森川 イントロのダンスはTikTokのようなショート動画で楽しめるのを想定した振りになっているので、多くの方に踊ってもらって、そして投稿してほしいです。
水野 そうだね。盛り上がってほしい!
自分たちのために武道館のステージに立ちたい
──今後グループとしてどうなっていきたいかという目標を聞かせてください。
水野 放プリはずっと武道館でライブをするという目標を掲げているので、私たちも自然と同じような目標を掲げていたんですけど、改めてメンバーで話し合ったときに、これまでは先輩たちの夢を叶えてあげたいというニュアンスが強かったんじゃないかと感じたんです。なので、これからは先輩たちの願いは背負いつつも、自分たちのためにも武道館のステージに立ちたいと思っています。
森川 私は高知県出身で、学生時代はなかなか東京に行くことができず、大好きなアイドルのライブに行きたくても行けないということが多かったので、同じような思いをしているファンの方に会いに地方を回りたいです。
真崎 6月29日にSpotify O-WESTで「放課後プリンセスLIVE2023 はにかみ☆ラッキーパンチ~真崎莉子Birthday~」というライブを開催するのですが、「歯磨きレイディ」を引っさげて行う初のワンマンになるので、放プリの進化した姿を見せて、ファンの方を魅了したいです。
──「歯磨きレイディ」が新体制の放プリにとって1つの転機になるといいですね。グループではなく個人として、こういう存在になっていきたいと思い描いていることはありますか?
戸川 イラストを描くことがすごく好きなので、自分のイラストを使って放プリの公式グッズをデザインしたいです。
森川 私は最初に抱いていた夢がモデルさんだったんですけど、今も心のどこかでモデルをやってみたいという気持ちがずっとあって。かわいく美しくいるということは生きていくうえで大切にしていることで、アイドルだけではなく、モデルとしても誰かの人生を彩れるような仕事をしたいですね。
真崎 私は父親の影響で物心つく前から音楽をやっていて、ピアノを長年習っていたんです。中学、高校の6年間は吹奏楽部でフルートを担当していました。音楽が自分の人生の中で大切なものになっているので、それを生かせるような何かができたらいいなと思っています。例えば、放プリの曲のリミックスを作ってみたり、自分で作詞や作曲をしてみたり。そういうクリエイティブなところで放プリに自分の価値を見出せるようになれたらいいなと思っています。
花咲 私はもう何かやらせていただけるのなら、なんでもやりたい精神と言いますか……(笑)。とにかくいろんなことに挑戦していきたいです。
水野 私は3月まで看護大学に通っていたのですが、実習に行くとアイドルとして普段見ている世界とはかけ離れてるものがそこにはあるんですよ。でも、どちらにも共通しているのは誰かの力になる職業であるということ。ライブを観てくれる人に元気を与えたり、癒しを与えたりできるような存在になっていきたいと思います。
プロフィール
放課後プリンセス(ホウカゴプリンセス)
2011年8月に結成されたアイドルグループ。16時を境にしてカチューシャがティアラ、制服がプリンセス衣装に変わり、放課後にプリンセスに変身するというコンセプトで活動している。2018年にまふまふが作詞作曲したシングル「輝夜に願いを」をリリースし、話題を集めた。2021年8月に結成10周年を迎え、2022年3月には森川優羽、水野青海、戸川優海、花咲果林、真崎莉子の5人からなる新生放プリとしての活動をスタートさせた。2023年6月に新体制初のシングル「歯みがきレイディ」をリリース予定。