2011年8月に結成され、10年以上の歴史を持つアイドルグループ・放課後プリンセスは、昨年3月に既存メンバー全員が卒業。現在は森川優羽、水野青海、戸川優海、花咲果林、真崎莉子という新たなメンバー5人で活動している。そんな新生放プリは今年6月28日に現体制初のシングル「歯みがきレイディ」をリリース。ケンカイヨシが作詞作曲したこの曲は中毒性のあるトラック、思わず口ずさみたくなるキャッチーなメロディ、槙田紗子が振り付けた“歯磨きダンス”が特徴のポップソングだ。
音楽ナタリーでは「歯みがきレイディ」の先行配信がスタートしたのに合わせ、放プリの5人にインタビュー。各メンバーのキャラクターや新曲の注目ポイントなどを紹介してもらった。
取材・文 / 川崎龍也撮影 / つぼいひろこ
放プリの魅力は幅広いテーマの曲
──放課後プリンセスはこれまで音楽ナタリーの特集に何度か登場していますが、新体制では初となるので、改めて放プリがどんなグループなのか、その特徴を教えていただけますか?
森川優羽 放プリは16時を境にしてカチューシャがティアラ、制服がプリンセス衣装に変わり、放課後にプリンセスに変身するという、2015年から徹底しているコンセプトがあるんです。ライブの時間帯によって、学校のクラスメイトのような親しみやすさ、またはプリンセスのような美しさという二面性を感じていただけるステージを届けることを大切にしています。
花咲果林 あとは曲の幅広さも魅力ですね。放プリには60曲以上の曲があるんですけど、身近なことを歌っている曲から壮大な愛を歌っている曲まで、さまざまなテーマの曲が存在していて。かなり深いテーマを扱った曲もあるんです。例えば、楊貴妃をテーマした「ライチレッドの運命」では命が散ってしまう激動の運命でも愛のために立ち向かっていく強い女性像を描いています。映画「ローマの休日」をテーマにした「秘密のティアラとジェラート」には「ローマの休日」でアン王女が市民に扮して街に出てさまざまな体験をするも、最終的には立派なプリンセスとして公務に戻るというストーリーが描かれているように、いろんな誘惑や選択肢がある中でそれを犠牲にしてもアイドルとしてがんばっていくんだ、という決意が込められています。歌詞にも主人公の心境の変化が細かく描写されています。
水野青海 テーマが軽くて楽しい言葉遊びのような曲もあるよね。韻を踏んでいることも多いです。
戸川優海 放プリは衣装にもこだわっていて、衣装によっては生地もわざわざ染めて作っていただいているんですよ。実際、ファンの方から「クオリティが高いね」と褒めていただくことも多くて。16時以降に付けているティアラには筆記体で「放課後プリンセス」と書いてあるんです。
──よく見るとわかりますね。
戸川 そういった細かい部分にも注目してほしいです。あと、放プリには歌舞伎の世界で言う早替わりの要素を取り入れています。「秘密のティアラとジェラート」や「青春マーメイド」という曲をライブで披露するときは、ステージ上で衣装が変わるという仕掛けを用意していて。過去にはギタリストのマーティ・フリードマンさんが放プリの世界観を褒めてくれたこともありました。
メンバーの意外な素顔
──5人それぞれのパーソナリティを知りたいなと思っていまして、まずは森川さんがどういう方なのか教えていただけますか?
水野 メンバーカラーがオレンジなんですけど、その色に負けないくらい元気で天真爛漫な性格をしています。
森川 めっちゃうれしい。
戸川 普段は泣き虫で年下感が満載なんですけど、意外としっかりしているところもあるよね。
真崎莉子 すごく素直な子。例えば、「別腹という言葉はもう1個胃があるということだよ」と教えたら本当に信じちゃう(笑)。
森川 あははは。素直というかお馬鹿さんなだけかもしれませんけど。
──では、続いて水野さんはどんな人ですか?
森川 放プリはせっかちなメンバーが多いんですけど、いつも冷静に状況を見てグループをうまくまとめてくれるのがあみてぃですね。
水野 個性的なメンバーが集まっているので、中立的な存在でいることを意識している部分はあるかも。
花咲 メンバーを癒やしてくれるオアシスみたいな存在でもあります。あみちゃんが笑ってると、こっちも心が和むんです。
森川 疲れがとれるよね。
水野 そうかな?
戸川 私が悩んでいると親身になって相談に乗ってくれるし、頼れる存在です。
──次に戸川さんはどうですか?
森川 いつもおっとりしているんですけど、意外とキッパリ発言してくれるよね。
水野 ちゃんと芯があるというか。
真崎 ライブ出演の直前には「行こう!」って力強く声出ししてくれたり、普段はおしとやかだけどやるときはしっかりグループをまとめてくれるんです。でも、どこか抜けてるところもあって……年始に今年の目標を漢字1文字で書いたんですけど、「実力」の「実」の横線を1本多く書いてしまったことがあったよね。
戸川 指摘されてから気付きました(笑)。
真崎 完璧主義っぽく見えるけど、実は天然なところがあります。
──続いて花咲さんは?
森川 いつも笑顔いっぱいで、小動物みたい。
花咲 ありがとう。なんだか恥ずかしい(笑)。
水野 愛されキャラと言ったら、果林ちゃんですね。
真崎 自分から人に愛を伝えるのが上手ですね。初対面の人とかでも、近い距離感で詰めてくるんですよ。
花咲 すぐにくっつきたくなるんです。
水野 パーソナルスペースがないんですよ。
花咲 確かにないかも(笑)。
──最後、真崎さんはどんな存在ですか?
水野 メンバーカラーの赤に負けないくらい熱い人間です。
森川 あんまり表には出さないんですけど、本番前の楽屋で振りとかを最後まで確認していたり、わからない部分はすぐに質問してくれたり、すごく努力家ですね。
戸川 でも、一見完璧に見えるものの、よく物忘れをするんです。1週間に1回はスマホをなくしかけてるよね。
森川 もっとじゃない?(笑)
戸川 とにかく忘れ物が多いです。それもかわいいんですけどよね。
真崎 目の前のことに精一杯で、身の周りのことにまで気が回らないんですよね(笑)。
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