すべての曲が宝物

──大変な思いもありつつ、ミニアルバム「#blooMing」をリリースできた心境を改めて聞かせてください。

最初はシングルをリリースしようかってスタッフさんと話していたんですけど、サウンドプロデューサーのIkomanさんが「せっかくなら名刺代わりになる作品を作ろうよ」と言ってくれて。放課後プリンセスの舞花＝しっとりとしたバラードを歌う人というイメージを持たれていたと思うのですが、アーティストとしてそれだけではいけないと感じていたんです。だから「ミニアルバムならいろんなジャンルの曲を入れられる！」ってうれしかったですね。プレッシャーもあったのですが自信作にできあがって、皆さんにいろんな私を知ってもらえることがうれしい限りです。

──「#blooMing」というタイトルにはどのような思いが込められているんですか？

私にとって新たな一歩を踏み出す作品になるので、花が咲き続けるような人生になったらいいなという願いを込めて、自分でタイトルを付けました。それと、ミニアルバムを手にとってくれた皆さんも私の歌と一緒に花の咲くような人生を送ってもらえたら、という思いもあります。収録曲にもタイトルに掛けたメッセージの強い言葉がたくさん散りばめられています。

──レコーディングで大変だった曲はありますか？

一番苦戦したのは2曲目の「Once」ですね。バラードばかり聴いて歌ってきたので抑揚のある歌い方をしてしまいがちなんですけど、「Once」は終始パンチのある歌い方をする曲で。レコーディングでは酸欠になるくらいパワーを使い切ってしまって、この曲だけは1日で完成させることができなかったんです。自分の納得できる声を録れなくて、スタッフさんにお願いしてもう1日時間をもらってレコーディングしました。

──苦労はしたけど、妥協せずに完成できたんですね。

はい。自分に負けないで戦えた1曲です。ファンの方やメンバーには「どの曲がお気に入りなの？」ってよく聞かれるんですけど（笑）、この曲以外もすべて宝物です。

──さまざまな曲調の収録曲がある中、4曲目の「虹のメロディー」は舞花さんが得意とするバラードナンバーですね。

バラードなんですけど、フォークっぽさもあって、どこか懐かしい感じのメロディで。優しい気持ちで聴いてもらえるような楽曲です。レコーディングでは歌いながら涙が出てきてしまったのですが、それは苦しい涙や切ない涙ではなくて。最後の「あなたはそのままで美しい 生まれてくれてありがとう」という歌詞を歌ったときに、支えてくれている家族やメンバー、スタッフさん、ファンの皆さんの顔が浮かんできて、その人たちに出会えたから今私は歌えているんだと実感したんです。この曲にはそのとき気持ちが込められているので、ぜひ聴いていただきたいです。

アーティストとして成し遂げたものを残したかった

──続く「sweet rain」は軽快なジャズサウンドのナンバーです。

中島美嘉さんの「Love Addict」など、カッコいいジャズ調の曲が好きで。ミニアルバムにどういう曲を入れるかをスタッフさんと話し合っていたときに「ジャズはまだ難しいんじゃない？」という声もあったんですけど、「絶対にやりたいんです！」とお願いして「sweet rain」を作っていただきました。大人っぽい曲を予想したいたんですけど、上がってきた音源を聴いたらすごくかわいらしい曲で。聴いた瞬間に「雨」「ステップ」っていうワードが浮かんできて、歌詞を書いていきました。この曲はファンの方にもメンバーにも好評ですね。

──以前から放プリの楽曲でも歌詞を書かれていますが、作詞には慣れてきましたか？

いや、毎回ほかのことに気が回らないくらい大変で。今回は何曲もあったし、全然慣れないですね（笑）。

──作詞するときのインスピレーションはどこから得ているんですか？

映画を観るときや、電車に乗って外の景色を観たとき、悔しい思いをした日の寝る前などに思ったことをとにかくメモするようにしていて。それを振り返って歌詞を書くパターンと、曲のイメージから浮かんだワードを試しに歌ってみるパターンと2つのやり方があるんです。

──そうなんですね。ボーナストラック「キミだけ」では作詞以外にも、作曲とアコースティックギターの演奏に挑戦したそうですね。

はい！ ずっとアコギに挑戦しようと思っていたんですが、忙しさもあってなかなか始められなくて。アーティストとして成し遂げたものを残したくて今回チャレンジしたんですけど、手がすごく小さいので最初はコードを押さえるのが大変でした。でもギターを弾けるようになったら作曲にも挑戦できるようになって、クリエイティブなことってこんなに楽しいんだと感動しました。

──曲ができてから歌詞を付けたんですか？

はい。Ikomanさんから「メロディができあがったらフィーリングですぐに歌ってごらん」と言われていたので、歌いながら歌詞を2分くらいで付けて。だから「キミだけ」は思ったことをそのまま録った曲ですね。実はまだ完成していない曲なので、いつかちゃんとした完成形をファンの方に届けたいです。

本物のアーティストになりたい

──今後、宮下舞花としてどんなアーティストになっていきたいですか？

人から憧れられるアーティストになりたいのはもちろん、曲を聴いてくれる方に寄り添えるような存在になりたいので、これからも皆さんに共感してもらえる歌を届けていきたいです。それと音楽好きな人に楽しんでもらえる、アイドルでは表現しきれないようなことができるアーティストになりたいです。

──目標としているライブ会場はありますか？

大きな目標を言えば、日本武道館などの大きい会場でライブをやりたいですね。その思いは6曲目の「On the way to dream」にもつづられています。落ちサビの部分に「まだ見てない景色 まだ知らない喜び沢山の光に揺られ 響かせたい」という歌詞があるんですよ。日本武道館以外にも会場の大きさ関係なく海外公演などもやってみたいですし、多くの場所に行って歌を届けていきたいです。