ファックに1本足してピースに
──大きくピースサインがデザインされたジャケットのアートワークもハッピーですよね。このジャケットのデザインをしたKAZZさんが、Twitterに投稿していたエピソードが印象的でした。アカマさんが「俺らのパンクは中指を立てたファックじゃない、そこに指を1本足してピースなんだ」とおっしゃったという(参照:KAZZ (@KAZZ_FRAGILE) | Twitter)。
アカマ KAZZくんに「どういうイメージですか?」って言われたから「“バーン”っていって“ゴーン”っていって“キラキラキラ”みたいな。だけどめっちゃ力強くて」って言ったんだけど。
チフネ なんにも伝わらないよね、それじゃあ(笑)。
アカマ で、「もっと具体的に象徴するものないですか?」って聞かれて思い出したんですよ。昔、誰かが「ファックもピースも一緒だぜ。指1本足しただけでピースになるし、指1本引いたらファックになる」って言ったのを。
──すごくHOTSQUALLらしいエピソードだと思いました。確かにHOTSQUALLって、ファックどころかヘイトもあまり歌わないですもんね。
チフネ 歌わないね。もちろん生きてる中で、ファックとかヘイトは感じるけど、それをわざわざ歌にしたいとは思わないかな。むしろそれをピースに変えていきたい。昔から「人生を笑え」(HOTSQUALLの代表曲「Laugh at life」の歌詞およびタイトルの日本語訳)なんて言っちゃってるし。あれって笑った人が歌うんじゃなくて、「笑いたい」って思う人が歌う歌だから。ハッピーを目指す過程に俺たちのパンクロックがあるのかもしれない。
もっとカッコいいバンドに
──お話を聞いてると、今のHOTSQUALLはすごく状態がいい気がします。
チフネ そう思います。とても。
──それはなぜなんでしょう。
チフネ 自分たちのバンドに対してのテーマがはっきりしてるからかな。“ハッピー”っていう。作品作りだけじゃなくて、ライブもそこに向かってやってるし。もっとよくなると思ってるけど、3人の向かってるチャンネルが合ってるから。
──今年で結成18年目ですが、これだけ続けられる原動力はなんでしょう?
チフネ ホントね、なんなんだろう。辞める理由がないからみたいな感じではないよね?
アカマ うん。
ドウメン そうだね。
チフネ 結局、もっとカッコいいバンドになりたいからなんだよね、きっと。もっともっとカッコいいバンドになりたい。
──チフネさんの思うカッコいいバンドとはどういうバンドですか?
チフネ 圧倒的なパワーでハッピーにしてくれるバンド。その人たちが登場しただけでワクワクして、その人たちが歌っただけで、その人がジェスチャーで煽ってくれただけで、心が踊るようなバンドになりたい。その人たちの曲で泣いたり叫んだり踊ったりしたいって俺は思ってるから、そういうバンドになりたいですね。
トラブルも含めてライブを楽しむ
ドウメン 最近の自分たちのライブには「なんでも来い」みたいな感じがあって。例えばフェスで曲順を決めずにステージに出たりするんだけど。「どんな状況どんな環境でもできます」っていう余裕みたいな感じがあるよね。
アカマ あらかじめ曲順を決めててもライブ中にアイコンタクトで曲を変えるしね。
チフネ 事前にセットリストが決められないんだよ。お客さんの顔を見て、その日の空気を感じないと決められなくて。それでよく運営の人に怒られるんだけど(笑)。本当に何も決めないでステージに出て行って、お客さんのリクエストを聞きながらライブをやってみたり。俺もずっと「なんで決められないんだろう」って申し訳なかったんだけど、あるときから、逆の発想で「曲順決めないでステージに出るなんて、ほかのバンドはなかなかできないことなんじゃないの?」って気付いて、「これを武器にしちゃえ」と思えるようになったかも。後輩にはオススメできないけど(笑)。
──今年のオニオンロックで、「Laugh at life」のときにギターの音が出なくなって、音の出なくなったギターを持ったチフネさんの指揮で大合唱が起こったのは印象的でした。
チフネ ああ、あったねえ。あと今年の八食(「八食サマーフリーライブ」)ではアカマがベースの弦を切ったんだよ。でもねえ、もう機材トラブルなんか屁でもないって言うか(笑)。もちろんトラブルなんてないに越したことはないけど。“おいしく”するかしないかは自分たち次第だから。
アカマ 自分の好きなバンドは、ボーカルの声が出てなくてもいつもより熱量があって結果カッコよかったり、弦が切れても弦を張り直す時間を惜しんで演奏しているうちに出ていない音を聴こえさせたりする人たち。そういうバンドがカッコいいと思ってるし、そういうバンドにずっと憧れてるんだよね。
チフネ 「まあ俺らこんなバンドなんでよろしくー」みたいな、適当な感じじゃなくて、ライブっていう遊びをトラブルも含めて命がけでやることに喜びを感じるんだよね。
アカマ うん、超面白い……とか言って次のライブがトラブル続きで俺たちがあたふたしたりして(笑)。
チフネ 「いい加減にしろよ、ドウメン! 何本スティック折ってんだ」とか言って(笑)。
アカマ まあそれもライブですから。
チフネ それはそれで面白いからいっか!
- HOTSQUALL「ALRIGHT!!!」
- 2017年10月18日発売 / ONIONROCK RECORDS
-
[CD]
2484円 / ONION-1007
- 収録曲
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- Daylight
- Just Be Alright
- With The Burning Heart
- Calling
- In The Summer Night
- Like A Rolling Stone Blues
- Rockin' Teens
- No Fun
- Revenge Of The Honey Bee
- Nice Day Sunshine
- Black Paradise
- Shining One
- The Voice
- Let's Get It On
- HOTSQUALL ALRIGHT!!! TOUR
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- 2017年11月5日(日)千葉県 千葉LOOK
- 2017年11月11日(土)岩手県 the five morioka
- 2017年11月12日(日)青森県 八戸ROXX
- 2017年11月17日(金)秋田県 Club SWINDLE
- 2017年11月18日(土)山形県 酒田MUSIC FACTORY
- 2017年11月19日(日)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
- 2017年11月23日(木・祝)北海道 帯広Rest
- 2017年11月25日(土)北海道 夕焼けまつり
- 2017年11月26日(日)北海道 KLUB COUNTER ACTION
- 2017年12月7日(木)石川県 vanvanV4
- 2017年12月8日(金)岐阜県 yanagase ants
- 2017年12月9日(土)静岡県 FM STAGE
- 2017年12月15日(金)福井県 福井CHOP
- 2017年12月16日(土)滋賀県 滋賀U★STONE
- 2017年12月17日(日)三重県 MUSIC SPACE 鈴鹿ANSWER
- 2017年12月22日(金)東京都 八王子RIPS
- 2017年12月23日(土・祝)埼玉県 Livehouse KYARA
- 2018年1月8日(月・祝)宮城県 enn 2nd
- 2018年1月12日(金)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2018年1月13日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年1月14日(日)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
- 2018年1月19日(金)京都府 KYOTO MUSE
- 2018年1月20日(土)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2018年1月21日(日)長野県 CANVAS
- 2018年1月26日(金)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
- 2018年1月27日(土)島根県 松江 AZTiC canova
- 2018年1月28日(日)島根県 アポロ
- 2018年1月30日(火)香川県 DIME
- 2018年1月31日(水)愛媛県 Double-u studio
- 2018年2月9日(金)大分県 club SPOT
- 2018年2月10日(土)熊本県 Django
- 2018年2月11日(日・祝)鹿児島県 SR HALL
- 2018年2月13日(火)福岡県 Queblick
- 2018年2月15日(木)広島県 尾道BxB
- HOTSQUALL(ホットスコール)
- チフネシンゴ(G, Vo)、ドウメンヨウヘイ(Dr, Cho)、アカマトシノリ(Vo, B)によるスリーピースバンド。地元・千葉でのライブを中心に活動をスタートさせ、2005年11月に1stフルアルバム「YURIAH」を発表。メロディックパンクをルーツに持ちつつ、美しいメロディとハードなビート、英語詞と日本語詞の絶妙なバランスを誇る楽曲が武器となり、インディーズシーンで頭角を現す。2014年6月に結成15周年を記念してベストアルバム「LAUGH AT LIFE」をリリースした。2015年には、不定期で開催していた主催イベント「ONION ROCK」を、「ONION ROCK FES -CHIBA DE CARNIVAL-」として千葉・稲毛海岸野外音楽堂で行う野外フェスに。2017年10月4枚目のフルアルバム「ALRIGHT!!!」をリリースする。