10月14日、都内某所にて「ほろよい Presents『宅フェス♪』BONNIE PINK スペシャルライブ」が開催され、BONNIE PINKが豪華バンドメンバーとともに一夜限りのアコースティックライブを披露した。

これはサントリーチューハイ「ほろよい」が贈る“宅飲み”ライブイベント。会場には5組限定で招待されたファンが集まった。各組、友人同士とテーブルを囲みながら美味しい軽食を頬張りつつ手には「ほろよい」という、まさに自宅で飲み会をしているような和んだ雰囲気の中、イベントは行われた。

温かい拍手で迎えられたBONNIE PINKは第一声「あっ、すごい近い（笑）」と微笑む。そして彼女も「ほろよい」を手にして、観客、バンドメンバー、Ustreamで観ている視聴者に向けて乾杯の音頭を取り、「じゃあひととき、ともに過ごしましょう」と語りかけて演奏に入った。

ボニーのバックを固めるバンドメンバーは、鈴木正人（B / LITTLE CREATURES）、八橋義幸（G）、阿部耕作（Dr / THE COLLECTORS）、奥野真哉（Key / ソウル・フラワー・ユニオン）の4人。彼らとボニーはまず、代表曲にしてボニーが生まれて初めて書いた曲だという「Heaven's Kitchen」と、2006年夏に大ヒットした「A Perfect Sky」を披露した。バンドはアコースティックセットながら扇情的かつ力強い演奏で聴く者を圧倒し、各々アドリブも盛り込んでオリジナルとはひと味違った高揚感を生み出していた。

続いてボニーは、珠玉のバラードナンバー「Last Kiss」を奥野のピアノ伴奏のみで熱唱。JUJUや美吉田月もカバーしているこの曲は涙を誘うロストラブソングとして名高く、曲中のナタリーTVのコメント欄には「改めてLass Kissっていい曲だな～」「泣きそう」「アレンジがいい」との文字が躍った。

ここでライブは一旦区切られ、ボニーと奥野の2人によるトークコーナーへ移行。このコーナーでは、「あなたの好きなBONNIE PINKの曲とエピソード」をお題にTwitterで寄せられたメッセージをボニーが読み上げ、さらに奥野との軽妙な関西弁トークが展開された。また、ユーザーからの投稿をどんどん紹介する2人をよそに、スタンバイ中のバンドメンバーたちは飲み会さながらに「ほろよい」を味わい、メンバーのうち八橋義幸がトーク席に飛び入り参加するという一幕もあった。こんなゆるい進行も、まさに「宅フェス」ならでは。

また奥野は「Last Kiss」について「ホントいい曲だよね。YouTubeの再生回数の半分ぐらい俺が押してるからね」と冗談を飛ばしたほか、「A Perfect Sky」について話が及ぶと「俺、CMのエビちゃん、あれボニーやと思ってた」とボケエピソードを披露。さらに自身の好きなボニーの楽曲を訊かれると「『ガッツだぜ!!』とか好きですかねえ」と答えるなど、笑いを誘うコメントを連発した。ノリのいい2人のお喋りはついつい長引いてしまい、挙句にはユーザーから「早く歌って！」というコメントが寄せられるほど。爆笑のうちにトークコーナーは終了し、ボニーはステージ中央のイス、奥野はピアノの前に戻った。

そして、デビュー初期のナンバー「Do You Crash?」からライブが再開。ボニーはこの曲を歌う前、「（オリジナルは）ギター主体のアレンジなんですけど、曲を書いた当初はピアノで弾いたバラードだったんですね。ニューアルバム（「Back Room -BONNIE PINK Remakes-」）に入っているのはピアノアレンジなので、今日はそっちのバージョンで」と説明した。低音と高音が交互に繰り返されるメロディと、心に染み入るようなピアノの音色が気持ちよく重なり合い、じんわりと大きなサウンドスケープが会場を包み込んだ。

ここで今日初めてアコースティックギターを抱え、次に演奏する曲について語りだしたボニー。「今年はなんとなく、バリバリ新曲を書いてどんどん前進っていう気持ちにどうもならなくて、リメイクアルバムを作ったりしてたんですけど。でもソングライターたるもの常にそのときの気持ちを記録して綴っていきたいという気持ちもあったので、アルバムに1曲だけ新曲を収録しました。それは不思議とすごく幸せなラブソングに仕上がりまして、今日はそれをやろうかなと思います」。そう話して披露された新曲「Look Me In The Eyes」は、恋する2人の固い絆を描いたかわいらしい1曲で、目の前の観客も笑顔を浮かべながら聴き入っていた。

視聴者に向けて「ほろよい」が当たる応募キーワードの発表を挟みつつ、ライブは最後の曲へ。「えー」と渋る観客に対してボニーは「なんか『いいとも』みたい（笑）」と笑いながら「この距離で会えるなんてあまりないことなので、忘れないでね、みんな。またどこかで会いに来てもらえるのを期待して、私はこれからもがんばって歌っていきたいなと思います」とメッセージを送る。そして“ほろよい”状態のバンドメンバーも、1人ずつ番組を締めくくるコメントを口にした。

ラストナンバーは、「今夜は最高」という意味がタイトルに込められた「Tonight, the Night」。ファンの人気が高い楽曲だけに、会場では手拍子が起こり、ナタリーTVの視聴者も大喜び。最高潮の盛り上がりをもってライブは大団円を迎え、「今日は本当にどうもありがとうございました。またどこかで会えたらうれしいです。カンパーイ!!」というボニーの挨拶とともに「ほろよい Presents『宅フェス♪』BONNIE PINK スペシャルライブ」は終了した。飲み会さながらの雰囲気で、アーティストとファンとの距離がぐっと近づくこの「宅フェス♪」。ライブの新しいカタチと言えそうだ。