音楽ナタリー Power Push - 堀江由衣

女子高生ほっちゃん大活躍!謎が謎を呼ぶ学園祭の裏側

学園の17不思議、待望のBL展開

謎の手紙を読み上げる堀江ゆいお。

──終盤の謎解きにつながる2通の謎の手紙が発見されるシーンでは、学校にまつわる不思議という、これもベタな設定が出てきます。七不思議ではなく「青クマ17不思議」ですけど。

はい。全部爆発しちゃう17不思議(笑)。

──でもそれがちゃんと謎解きの伏線にもなっていたり。そのあと学園祭の場面では「女装カフェ」が登場して、男装した女子高生が女装するというややこしい状態になります。これもメイド服が着たいからという理由ですか?

いや、どちらかと言うと、流れ的にずっと男子校の制服のままになっちゃうからというのがあって。で、学園祭だし華やかでかわいい服を着たほうがいいんじゃないかっていうので、これも学園祭としてはベタなメイドカフェになりました。ここは華やかなパートでけっこう好きです。

メイド服でパフォーマンスするほっちゃん(中央)。 メイド服でパフォーマンスするほっちゃん。

──メイド服のままミスコン「ミスセイガク」に巻き込まれ、優勝してしまうというシーンですね。

男子校のミスコンで優勝してもそんなにうれしくない、っていうくだりがちょっとあります(笑)。

──ただ、ここが堀江さん的に今回一番の狙いだったBL展開につながっていくわけですね。

男なのに好きになっちゃった……と思い悩む役は絶対に森久保(祥太郎)さんしかいないなって(笑)。

──見事な声の演技でしたね(笑)。堀江さんのライブは、どの声優が参加しているのかも毎回話題になりますし、終演後のエンドロールでも毎回もうひと盛り上がりありますよね。

毎回楽しんでもらっています(笑)。

──メイド服のパートではトロッコで2階席を回るシーンもあります。

爆弾を探すシーンで会場をひと回り。2階席の通路に合わせると、トロッコの高さが普通よりひょろ長くなるんですよ。普通のトロッコよりもグラグラ揺れるのでちょっと怖かったです。

私には着替えの時間があるんです

──そのあとのスクリーン映像「トイレのトモコさん」はけっこう本格的なホラー映像でした。

最初は「ドリフみたいなことがやりたいね」って言ってたんですけど、海賊(「堀江由衣をめぐる冒険IV」)のときに挙がった「本格ホラー」のアイデアを思い出して、ここでガチのホラーをやってみようという話になったんです。

──ホラーの話といい、先ほどの「Little Honey Bee」の話といい、「めぐる冒険V」では過去にやりそびれたことも詰め込まれてるんですね。

三代目K黒薔薇保存会

そうですね。しかもちゃんとストーリーに沿って回収できたのでよかったです(笑)。

──次の学園祭ライブのシーンでは、メインステージちょうどの反対側に設置されたサブステージに、学園祭バンド「三代目K黒薔薇保存会」が登場しました。

あれは体育館でやっている体です。「Word I need」とか「Little Honey Bee」みたいに、なんとなく「最近歌ってない曲をやりたい」という狙いがあって。たまに歌わないともったいないから、過去のユニット曲も含めていろいろ考えた中で、なんで黒薔薇保存会が選ばれたのかよく覚えてないですけど(笑)、ひさびさに黒薔薇の曲が歌えたのはよかったです。

ミス・モノクローム

──三代目K黒薔薇保存会のあとはミス・モノクロームも登場して2曲歌います。ミス・モノクロームが堀江さんのライブに出てくるのはもはや恒例になっていますが、堀江さんにとってはちょうどいい場面転換のタイミングでもあって。

まさにその通りでございます。私には着替えの時間があるんです(笑)。

謎の解明、そしてクライマックスへ

──クライマックスのシーンは時計台という、これもまたマンガやアニメでおなじみの舞台ですね。

時計台の上で事件が巻き起こるというのは、やっぱりベタにカッコいいじゃないですか(笑)。

──しかも「時限爆弾の赤いコードと青いコードのどっちを切るか」という古典も古典なクライマックスで。

ここが1日目と2日目で違うんですよ。1日目は赤いコードを切ったら爆弾が止まらず、結果その爆弾が花火だったというオチで。2日目は青を切ろうとするんですけど、つまり花火が上がらないからバッドエンドなんですよ。そこでトイレのトモコさんが「違うよ……」って教えてくれる。トイレのトモコさんのシーンも2日間で違っていて、2日目はクマ スタオがトイレに花を落として逃げちゃうんですけど、その花をお供えだと勘違いしたトモコさんが親切に教えてくれるんです。それを聞いた私が天才的頭脳でひらめいて(笑)。これは爆弾じゃなくて花火だから「どっちも切らない!」が正解だったというオチにしました。

──花火が上がって「Lady Go!」で銀テープが飛んで、ライブとしてもクライマックスですね。

とにかく花火のシーンは派手にしてほしいって言いました。ここが一応オチなので、ライブとしても一番にぎやかなところにしたくて。

後夜祭でダンスする堀江ゆいお(中央)。

──そのあと脅迫状やラブレターの謎が解明されて、エンディングへと向かいます。ここもにぎやかな曲が続きますね。

後夜祭のフォークダンスみたいなイメージで見せられるといいなと思って、焚き火のセットを用意しました。「Girl Friend」は「大好き」という歌詞があるので、ピンクマちゃんの告白のセリフにして。「大好き」のセリフの部分にはCDの音源よりも少し間を開けて、告白のシーンとして見せられるよう溜めを作りました。ここ、すごく気に入ってるんですよ。ピンクマちゃんが「手紙に頼ってたからダメなんだ。直接言わなきゃ!」って気付いて、自分で手紙を破って王子に告白するんです。会場の皆さんも盛り上がってくれました。あと「Love Countdown」では私、こっそり女子高生の制服に戻ってます。クマ スタオがナンパしてる間に(笑)。

──要らないと言えば要らないくだりですもんね(笑)。

「堀江由衣をめぐる冒険Ⅴ~狙われた学園祭~BLUE DAY」の様子。

このままだと男子校の制服で終わっちゃうけどそれはどうだろうと思って、急遽クマ スタオに着替えの時間を作ってもらいました。けっこうギリギリで流れを変更したんですよ。全体を通して恋愛がテーマになったので、終盤は「Love Countdown」を歌い、「CHILDISH♡LOVE♡WORLD」には「ほっちゃんがんばったね」という意味を込めて(笑)。

──花道を歩きながら「フレーフレーほっちゃん!」の声援を受けて。

潜入捜査とかがんばったねーとねぎらわれ(笑)、最後はしばしのお別れということで「Stay With Me」にしました。

──DVDとBlu-rayには「おまけパート」として入っていますが、本編終了後のトークではストーリーの解説と観客へのダメ出しを25分ぐらい(笑)。

映像で観られるのは2日目ですけど、初日はもっとダメ出ししてますから(笑)。ほかにMCがないのでここぐらいおしゃべりしていいかなと思って、毎回だらだらしゃべってます。

ライブDVD / Blu-ray「堀江由衣をめぐる冒険V~狙われた学園祭~」 / 2016年4月27日発売 / KING RECORDS
Blu-ray Disc+CD 8424円 / KIZX-231~2
DVD2枚組+CD 7344円 / KIZB-215~7
収録内容

OPENING

  1. Stand Up!
  2. YAHHO!!
  3. Word I need
  4. Happy End
  5. Little Honey Bee
  6. 半永久的に愛してよ♡
  7. Garden
  8. 青クマ学園校歌
  9. MISSION
  10. Secret Garden
  11. ほんのちょっと
  12. Go! Go! Golden Days
  13. True truly Love
  14. BLUE HEAVEN
  15. 満点プラネタリウム
  16. 私だけの物語
  17. Never Ending Story
  18. ミステリー…
  19. Lady Go!
  20. スクランブル
  21. Girl Friend
  22. Love Countdown
  23. CHILDISH♡LOVE♡WORLD
  24. Stay With Me

END ROLL

映像特典(65分)
  • おまけパート MC(堀江由衣をめぐる冒険V~狙われた学園祭~BLUE DAY)
  • PRESENTER / Happy Happy*rice shower(堀江由衣をめぐる冒険V~狙われた学園祭~BLUE DAY)
  • Baby, I Love You(堀江由衣をめぐる冒険V~狙われた学園祭~RED DAY)
  • レッドシグナル(堀江由衣をめぐる冒険V~狙われた学園祭~RED DAY)
  • クマ スタオの未青年の主張
音声特典
  • オーディオコメンタリー(出演:堀江由衣 / クマスター / スタッフ)
封入特典(初回製造分のみ)
  • 生徒手帳型BOOKLET
  • エコー女子学院学校案内
特典CD
  • 青クマ学園校歌
堀江由衣(ホリエユイ)
堀江由衣

東京都出身の声優アーティスト。1997年に声優としてのキャリアをスタートさせた後、1998年に歌手デビュー。「ほっちゃん」の愛称で親しまれ、永遠の少女然とした自身のキャラクターと重なるオリジナル音楽作品をコンスタントに発表している。アニメやゲームのキャラクターソングも数多く手がけ、2005~2007年には声優ユニット「Aice5」としても活躍。2009年9月には声優として歴代4人目となる日本武道館公演を2日間にわたって行い、いずれも成功を収めた。2015年1月には通算9枚目となるオリジナルアルバム「ワールドエンドの庭」を発表。同年3月には東京・国立代々木競技場第一体育館にて2DAYSワンマンライブ「堀江由衣をめぐる冒険V~狙われた学園祭~」を行った。同公演を収めたライブDVD / Blu-rayは2016年4月にリリース。