ナタリー PowerPush - HONDALADY
1年ぶり新作抱えてナタリー初登場! 万年若手バンドがネクストドアを蹴破る
マル(Vo)とDie(TB-303)の2人組テクノロックユニット、HONDALADYがニューアルバム「SNEAKER MON AMOUR」をリリースした。約1年ぶりの新作となるこのアルバムには、2人のルーツを強く感じさせるテクノやロックを軸に、新たな要素もたっぷり導入。宍戸留美のボーカルをフィーチャーした楽曲や、Dieが初めてメインボーカルをとったナンバーなど、魅力あふれる1枚に仕上がっている。
今回ナタリーでは、マルとDieにインタビューを敢行。1996年の結成から現在に至るまでの経緯に始まり、新作の聴きどころ、ライブに対する思い、そしてバンド活動のスタンスなどをたっぷり語ってもらった。
取材・文/西廣智一 インタビュー撮影/中西求
僕らの根幹になっているのは「感情に刺さる」歌
──HONDALADYは最初にマルさんがスタートさせたんですか?
マル 僕が大学生のときにアンダーグラウンドテクノシーンが超盛り上がっていて、楽器が弾けない僕らでも何かできるんじゃないかって気がしてなんとなく始めたんです。周りの友達はみんなインスト系のバンドばかりだったから、違う目立つ方法ないかなって歌ものを選んで。UKロックがずっと好きだったんで、それを違うフォーマットでやりたいなってつもりでいたんだけど、今思うと全然できてないんですよ(笑)。でも、あれよあれよとアルバムを出して、途中アイドルのプロデュースをやりつつ、1人抜け2人抜け。Dieちゃんと2人になったのが2002年頃かな。
Die 僕は3人時代のHONDALADYにテコ入れみたいな感じで入ったんです(笑)。でもみんな辞めちゃって「俺残っちゃったけどいいのかなぁ」って感じで、まぁライブも決まってるしやろうかということになって。
──2人になったことで、やっていることを変えようとは考えませんでしたか?
マル 「東京VINYL」(2003年リリース)というアルバムでミクスチャーやギターロックっぽいノリを取り入れて、今までのテクノのフォーマットとは違うことをやったりもしましたが、結局は原点に戻ってしまいましたね。
──今のHONDALADYのスタイル、HONDALADYらしさが固まってきたタイミングっていつ頃だったんですか?
マル 僕はもともと歌いたくて音楽を始めたわけではなかったし、人前に出るのも苦手だったから、宅録の影響でHONDALADYを始めて。長らくボーカリストとしての自覚があまりなかったんですけど、ライブをやり続けていく中で、自分の言葉で人に伝えるためにはどうすればいいかということを模索し始めたんです。その流れでフォーキーな歌い方を見つけたのが、ミューさん(三浦俊一)のレーベルにお世話になり始めた頃で、アルバム「303」(2006年リリース)のときですね。お客さんも「感情に刺さる」ってよく言ってくれるんですけど、それが僕らの根幹になってるのかな。エレクトロなトラックの上にフォークっぽいイントネーションの歌が乗るのはまだ誰もやってなかったし、誰かやるかなって思ったんですけど未だに誰もやってない(笑)。目立っていいよなって感じですね。
──ゲストボーカルを起用し始めたのもその頃からですよね。
マル そうですね。2人だけだとどうしてもしょんぼりしてくるんで(笑)、フックじゃないけど別の人が歌ってる曲を入れたいなとは毎回思ってます。そうすることで、僕らのモチベーションも上がるし。
ギターの弾き語りでも通用する曲を書かなきゃ
──HONDALADYが活動してきたこの10数年間で、音楽シーンの流れもいろいろ変化してます。でも、HONDALADYは最初から立ち位置が変わってない気がするんです。
マル 僕らは目立ちたいというのと、技量が追いついていかなかったという理由で、仕方なくこのスタイルを選んだっていうところもあるので、基本的にはあまり変わってないですね。でも、ちゃんと普通にギターの弾き語りでも通用する曲を書かなきゃな、とは思っていて。そこは大切にしつつ、自分のルーツを裏切らないような発想をしてるつもりです。
──HONDALADYはほぼ1年間隔くらいでアルバムをリリースし続けてますが、これはちょうどいいペースなんですか?
マル 僕らが活動を続けていく上で、やっぱりライブが非常に重要で。ステージに立って人前で演奏したいんだけど、毎回同じ曲をやるわけにいかないから新しい曲を作ってるんです。
Die お客を飽きさせたらダメだし。そうすることで自分たちも飽きないからね。
マル 今の活動ペースは僕らにとって心地良いし、ある程度自由が利くからやれてるというのがあって。自由にやれてるからこそ、嫌なことをやらなくて済んでるんです。
CD収録曲
- ハレルヤ
- 花月雪星宙
- Escape (from KIX)
- B.A.D. (Big Adventure of Die)
- Forest Zunta
- なまけ虫
- フリースタイラー
- Escape (from CDG)
HONDALADY presents “MODELROOM #6 ~瞬足モナムール~”
("SNEAKER MON AMOUR" release party)
- 2010/04/03(SAT) 高円寺HIGH
- OPEN/START 17:30
ADV/DOOR ¥2,500/¥3,000 - [ACT]
- HONDALADY with 邂逅の日(ゲスト:宍戸留美)/ YMCK / peach (from OSAKA) / ゲッカンプロボーラー / Cutie Pai
- [DJ]
- dj8bit
- [お問い合わせ・チケット予約]
- info@hondalady.net
前売予約してくださった方全員に、ホンダレディリミックスワーク集「SNEAKER ONCE MORE」をプレゼント!
※当日、瞬足持参・着用の方は同伴者含めて入場料金が半額になります。受付にて瞬足をご提示の上、スタッフに“瞬足割希望”とお伝えください。
HONDALADY(ほんだれでぃ)
マル(Vo)とDie(TB-303)の2人によるテクノロックユニット。1996年にマルを中心に結成され、2002年から現在のメンバー構成となる。高揚感溢れるメロディライン、現代の四畳半フォークを彷彿させる独特なリリックの世界観、無駄に暑苦しいライブパフォーマンスが特徴。不定期開催の企画ライブイベント「MODELROOM」では、ライブハウス/クラブシーンで活躍する数々のアーティストとの競演に加え、アルバムでコラボレートしたMAGUMI(LÄ-PPISCH)、宍戸留美、森若香織などをゲストに迎えパフォーマンスを行っている。また、ジャケットなどアートワークのほとんどはDie主宰のブランド「Ketchup Arts」が担当。HONDALADYの活動以外にも、メンバーそれぞれによるDJ活動や他アーティストへの楽曲提供、リミックス、サウンドプロデュース、ゲーム音楽への楽曲提供も多数手がけている。