テーマは「U-ICHIのトラックでやる」「ラップする」

──「3RISE」というタイトルですが、今回はどんな気持ちでアルバム制作に臨んだんですか？

KURO　「AKATSUKI」を出した後っていうのはものすごく意識しました。「AKATSUKI」に足りないものというか、さらに自分たちができることを探しにいった感じ。暁の後には日が昇るっていうことからこのタイトルにしたし、3人がそれぞれ上がっていこうっていう意味でこの表記にしたんです。

──アルバムを作る上でテーマにしていたことは？

KURO　最初から決めてたことは、それぞれの曲のテーマをしっかり絞り込んでから作ろうと。あとは、なるべくU-ICHIのトラックでやる。あとは、ラップする（笑）。「AKATSUKI」はいろいろなプロデューサーと作った作品なんですけど、今回はU-ICHIが作ったトラックが多いんですね。だから、3人でかなり煮詰められたアルバムじゃないかと思ってます。純度が高いんですよね、3人の。

──確かに今回はU-ICHIさんが作ったトラックが多いですよね。その変化はどうして生まれたんですか。

U-ICHI　僕は今回「AKATSUKI」に足りないものとか、ライブをしていて「こういうものがあったらいいな」って思ったものを作っていったんです。あと「AKATSUKI」ではロックっぽいものにトライしたんですけど、今回は自分たちが好きな音、影響を受けてきた音を軸にしようって思ったんです。ヒップホップやダンスミュージックに影響を受けてここまでやってきてるんで、そこをもっと見直そうと。

僕らの証になるような音を探していく

──ロック的なサウンドにアプローチして得た縦ノリ感はキープしつつ、U-ICHIさんが得意であろうディスコ感やダンスクラシック感を加えた感じ。今回はそのふたつの要素が合体したような印象を受けました。

U-ICHI　そうですね。今回は僕が作ったってすぐわかるものにしたかったんですよ。だから、リズムにしても上モノにしても、流行りの音だったり、みんなが使ってるような音はあえてやめようと思ったんです。

──その上で特に大事にしていたことは？

U-ICHI　ビートはどんな曲でもなるべくサンプルを使おうと思ってました。それが自分の持ち味のひとつでもあるし、HOME MADE 家族の音でもあるかなと思ったんで。だから、昔はこういうふうに作ってたなと思って自分のライブラリから音源を引っ張ってきたり、レコードをサンプリングするにしても、もう1回、レコード棚の上から順に聴き直していったりした。そうすると、昔とちょっと違う観点で音を聴けて、新しい発見があったりするんですよね。

KURO　あと、今回のアルバムには「シグネチャーサウンド」っていう曲があるんですけど、それも「3RISE」と相関するテーマだったんです。僕らのシグネチャー、つまり証になるような音を探していくっていう。